【お勉強】お金(通貨)について

【お勉強】お金(通貨)について

 お金(通貨)について、全く知らなかった事(勘違いしていた事)が沢山あったので、纏めることにした。主な情報源は以下の本である。
  「世界を騙し続けた【詐欺】経済学原論」 著者:天野統康(ファイナンシャルプランナー

【銀行の分類】

分類 説明
中央銀行 国家の通貨発行権を持つ銀行。日本の中央銀行日本銀行(日銀)
民間銀行 中央銀行以外の銀行全般。

【通貨の種類(日本の場合)】

番号 通貨の種類 通貨の創造/消滅の契機 通貨の創造/消滅の方法 市中に流通する通貨量の変化
(1)     日銀のコンピュータ(データベース)上の数値データ(銀行口座の残高。実体のない無形物) 【創造】民間銀行への融資 日銀のコンピュータシステム上で「無」から創造する。具体的には、日銀のコンピュータシステム上の帳簿データベースに融資額を記入し、同時に、日銀に開設した融資先の銀行の当座預金口座データベース残高に融資額を加算するだけ。 融資額だけ増加
(2) 【消滅】民間銀行からの融資の返済 日銀のコンピュータシステム上の帳簿データベースに融資の返済額を記入し、同時に、日銀に開設した融資先の銀行の当座預金口座データベース残高から返済額を減算するだけ。 返済額だけ減少
(3) 【創造】民間銀行からの資産(国債等)の購入 日銀のコンピュータシステム上で「無」から創造する。具体的には、日銀のコンピュータシステム上の帳簿データベースに購入額を記入し、同時に、日銀に開設した売り手の銀行の当座預金口座データベース残高に購入額を加算するだけ。 購入額だけ増加
(4) 【消滅】民間銀行への資産(国債等)の売却 日銀のコンピュータシステム上の帳簿データベースに売却額を記入し、同時に、日銀に開設した買い手の銀行の当座預金口座データベース残高から売却額を減算するだけ。 売却額だけ減少
(5) 紙幣日本銀行券) 【創造】民間銀行からの紙幣への交換要求 日銀独立行政法人国立印刷局に発注。紙幣の印刷費用は日銀負担。 交換要求額の紙幣を民間銀行に渡し、日銀に開設した交換要求元銀行の当座預金口座データベース残高から紙幣への交換要求額を減算する。 交換なので、流通する通貨量は変わらない。
(6) 貨幣(日本国硬貨) 【創造】民間銀行からの貨幣への交換要求 日本国政府独立行政法人造幣局に発注。硬貨の製造費用は政府負担。 日銀日本国政府から額面で買取り後、交換要求額の貨幣を民間銀行に渡し、日銀に開設した交換要求元銀行の当座預金口座データベース残高から貨幣への交換要求額を減算する。額面と製造費用の差額(粗利)は政府の収入。 交換なので、流通する通貨量は変わらない。
(7) 民間銀行のコンピュータ(データベース)上の数値データ(銀行口座の残高。実体のない無形物) 【創造】企業や個人への融資 民間銀行のコンピュータシステム上で「無」から創造する。具体的には、民間銀行のコンピュータシステム上の帳簿データベースに融資額を記入し、同時に、民間銀行に開設した融資先の企業や個人の預金口座データベース残高に融資額を加算するだけ。 融資額だけ増加
(8) 【消滅】企業や個人からの融資の返済 民間銀行のコンピュータシステム上の帳簿データベースに融資の返済額を記入し、同時に、民間銀行に開設した融資先の企業や個人の当座預金口座データベース残高から返済額を減算するだけ。 返済額だけ減少
(9) 【創造】資産(国債等)の購入 民間銀行のコンピュータシステム上で「無」から創造する。具体的には、民間銀行のコンピュータシステム上の帳簿データベースに購入額を記入し、同時に、販売元企業が開設している銀行の預金口座に購入額を振り込む 購入額だけ増加
(10) 【消滅】企業への資産(国債等)の売却 民間銀行のコンピュータシステム上の帳簿データベースに売却額を記入し、売却先企業が開設している銀行の預金口座から売却額を受け取る。これで購入額と売却額が相殺される。 売却額だけ減少

 上記は、簡単のために丸めて書いたが、実際には複式簿記(「資産」と「負債」、バランスシート)を使って通貨の創造、消滅を管理している。

【多くの人が勘違いしている事】

番号 特記事項/多くの人が勘違いしていると思われる事項 補足
    (1) 世界の中央銀行の殆どは、民営の銀行であり、国営銀行ではない。また、政府とは独立している(政府の支配を受けない  
(2) 日銀民営の銀行であり、JASDAQに上場している。ただし、日銀の場合は株式の55%は日本政府が保有する事、残り45%の株主は非公開であることが法律で決まっている。 恐らく、45%の大部分をユダヤ金融資本保有していると思われる。
(3) 日銀による民間銀行への融資の原資民間銀行からの資産(国債など)購入時の原資「無」から創造する。日銀の保有資産から切り崩すのではない。  
(4) 民間銀行による企業や個人への融資の原資資産(国債など)購入時の原資原資「無」から創造する。民間銀行の預金ユーザの預金には1銭たりとも手を付けない。 民間銀行は、日銀の自行の当座預金残高を準備預金制度により規定されている預金準備率で割った金額までは融資できる。例えば、自行の日銀当座預金残高が1兆円で預金準備率が1%なら、100兆円まで元手無しで(コンピュータ上の数字を加算するだけで)け融資出来る。この元手無しでお金を創り出す(コンピュータ上の数値を加算する)事を信用創造という。
(5) 紙幣や貨幣の発行は、市中に流通する通貨量の増加にはならない。よく、「政府の予算が足りなければ紙幣を刷れば良い。」と言うが、あれは比喩であり、実際は正しく無い。 予算が足りない時は、紙幣の印刷ではなく国債の発行。 

 黒田日銀が実施している金融緩和は、(3)のパターンである。国債と言う資産(債権)を日銀が買い取って、購入代金分の通貨を「無」から創造している。
 多分、一番誤解していることは、銀行が融資する時の原資には、ユーザの預金を流用していると思い込んでいる事だと思う。しかしながら、銀行が預金獲得に熱を上げる理由は、以下の様な目的であって、融資の原資集めでは全然ない。
●預金ユーザが預金を引き出す時に現金が必要になるため。ある程度の現金を手持ちにしておく必要がある。
準備預金制度に基づいて、日銀の当座預金口座に預金しておく必要があるため。
●株式などの資産性商品を買うための現金が必要なため。

【用語解説】

用語 開設
マネタリーベース 日銀が供給する通貨のこと。具体的には、市中に流通している現金(紙幣+貨幣)の合計と日銀に開設されている当座口座の預金残高の合計
マネーストック 政府と金融機関を除く国内の民間非金融部門(一般法人、個人、地方公共団体等)が保有する通貨の合計。
信用創造 民間銀行が「無」から通貨(貸し出し金)を作り出すこと。もっと具体的に言うと、例えば、A企業に100億円の融資をする場合、民間銀行のバランスシートの「資産」の欄に「貸出金100億円」、「負債」の欄に「借入金100億円」が同時に創造される。