デフレが続くと預金もマイナス金利になる?

デフレが続くと預金もマイナス金利になる?
2015年03月01日(日) 雨

 本日は朝から寒い雨の一日である。今日から3月だと言うのに、なかなかパッと暖かい春になると言う訳には行かないようである。
 先週の金曜日、数ヶ月ぶりに今年初の蕎麦打ちをしたのだが、緊張感のない生活を続けているせいか、二八そば(割粉2:そば粉8)を打つつもりが、そば粉と割粉(小麦粉)の分量を逆にしてしまい八二そば(?)を打ってしまった。「水回し」の時にも「練り」の時にも違和感があり何か変だなとは思ったのだが、まさか分量を逆にしていたとは・・・。 案の定、せいろ蕎麦の方は余り美味しく無かったのだが、本日のお昼に残りの麺を暖かい蕎麦にしたら、ツナギが多い分、二日経過しても麺が切れることはなく、また食感がムチムチして結構行けた。怪我の功名と言うところか。(笑)
 さて、いつもの様に三橋貴明さんのブログを読んでいたら、スイスの国立銀行が遂に預金に対してマイナス金利を課し始めたとのニュースが出ていた。スイスでは、国立銀行のマイナス金利開始を受けて国内の各銀行も預金へのマイナス金利を検討し始めたそうである。通常、預金に対しては知ってのとおり利息(プラス金利)が付くのが当たり前である。何故かと言うと、預金と言うものは言い換えれば銀行がユーザ(預金者)から貸して貰ったお金であり、その借入金を原資にして金貸し業を営んでいる訳であるから、借入金(=預金)に対しては利子を払うのは当たり前である。金貸し業で得た利子と預金者に払う利息の差額(利ザヤ)が銀行の利益になる訳である。ところが、デフレが続くと需要<供給という関係になりモノ余り状態になるので、企業は生産を抑止するし当然ながら投資も抑制する方向に動く。その結果、銀行から金を借りる企業が減り、銀行の金庫に眠る金が増えることになる。当然ながら金庫に眠る金は預金者からの借入金なので、眠っていようがどうしようが利息はきちんと預金者に払い続けなければならない。何もしないと銀行は逆ザヤ(利子と言う収入がなくて利息という支出のみ)が発生し赤字になるので、何とかお金を貸し付けて利子を稼ぐ必要があり、国債を買う(=政府に金を貸す)ことになる。しかしながら、今の安倍政権はデフレ脱却対策とは真逆のインフレ脱却対策である緊縮財政を推進しており、新規に発行する国債の額をずっと抑えて(減らして)いるため、国債市場は国債不足となっており、いよいよ銀行の金庫に眠っているお金の貸出先がなくて困る状態に陥りつつある訳である。じゃあ、「お金は余っているからもう預金はして戴かなくても結構です」と銀行が預金者に対して言えるかというと、それは言えない。預金は預金者側の自由意志で行うものであり、銀行側は預金(=預金者からの借金)を拒むことは出来ないのである。そこでスイスの国立銀行は遂にマイナス金利を付け始めた訳である。預金は拒みませんが、利息はマイナスですよと言うことである。まあ、預かってやるから保管手数料を払えと言うことである。では、日本の銀行がこのマイナス金利を開始するかと言うと、多分、単独行動ではリスキーで踏み出せないのではないかと思う。マイナス金利を開始すると宣言しようものなら、預金者は元金割れするなどとんでもないと思い銀行に殺到して預金を引き出すに違いない。いわゆる取り付け騒ぎの発生である。こうなると金庫に眠っているお金の量では足りず、結果的に銀行は倒産することになる。だから、日本国内での預金のマイナス金利は難しい様に思う。あるとしたら、全銀協で申し合わせて全銀行一斉に0金利(利息なし)と言うことにするのが関の山だろうと思う。
 下図は、以前にこのブログにアップしたものであるが、上で書いた内容は、下図の中の「貯蓄分」部分の内訳である「民間貸出分」と「国債購入」の部分が減少して、「留保分」即ち銀行の金庫に眠るお金が増えると言うことを言っている。
 図を見れば分かるとおり、「民間貸出分」と「国債購入」の部分が減ると言う事は実体経済での投資・消費(赤文字の部分)の額が減ると言うことであり、即ち、日本のGDPが低下すると言うことである。GDPが低下すると言うのは国が貧乏になる(日本国民が貧乏になる)と言うのと同じ意味である。つまり、安倍政権は、知ってか知らでか一生懸命に日本国民を貧乏にする政策を推進している訳である。