アナログからデジタルへ (6) 勝道上人が教えてくれた


アナログからデジタルへ (6) 勝道上人が教えてくれた
2015年2月26日(木) 雨
更新:2024年2月27日(火)
 
本日は、朝から雨が降っている。
昨日、頼んであったメガネが出来上がったので、受け取って来て早速掛けているのだが、困ったことに、テレビを見ようとしたら韓流ドラマの字幕がクッキリと見えない
まあ、読めるには読めるが、今までクッキリ見えていたので、何かスッキリしない。
 
登場人物の顔も、アップされれば見えるが、身体全体が画面に映る程度に引いた映像だと、顔は潰れて見えない。
世の中の平均的な視力の人達は、みな、本当にこんなモヤっとした映像を見ているのだろうか。
 
でもまあ、眼科医が、「目のためには、こうするのが良い」と診断して書いてくれた「メガネの処方箋」を基に作ったメガネなのだから、我慢して慣れるしかない。
確かに、「一日掛け続ける」という事を考えれば、目に対する負担は少なそうだし、今、パソコン画面を見ている時も、メガネを掛けたままで問題なく使えている。
とにかく、使い続けて慣れるしかなさそうである
 
1 新しく出来たメガネ
 
ただ、録画してあった旅番組で、私の好きな「北海道の景色」が映った時には、さすがに、ボケた映像を見るのは忍びなく、今まで使っていたメガネに掛け替えてしまった。
今後も、旅行する時や、写真を撮るときだけは、クッキリ見える従来のメガネを掛けないと、納得できない様な気がする。
 
さて、「アナログからデジタルへ」の第6弾は、私が初めてカメラを買って撮影した写真である。
就職して2年目(24歳)の1978年10月1日、この日は、職場の先輩と一緒に、車で日光に日帰りで行って来た。
私が買ったカメラは、キャノンAE-1。当時のカメラは、まだオートフォーカスでは無かったので、自分でピントを合わさなければいけなかったのだが、カメラ撮影初体験の私は、「ピントが合っている」と言うのが、どの程度の綺麗さ(クッキリさ)に見えている状態を言うのか?」が分からず、「果たして、これでピントが合っているのかどうか」と悩みながらシャッターを押す状態だったので、出来上がった写真は、ピンボケのオンパレードであった。
 
まあ、それはいいとして、この時のフィルム(ネガ)を、プリンタのフィルムスキャナ機能を使ってデジタル化したのは、実は、10年前である。
当時のプリンタは、「高機能化」がどんどん進んでいた時代であり、「印刷」以外にも、「コピー」が出来たりとか、「CDメディアの面への印刷」が出来る様になったりとか、いろんな付加価値が追加されていたが、ちょうど世の中でデジカメが勢いを増して来た時期でもあって、写真を「フィルム」ではなく「画像データ」としてパソコンで保存する人が増えて来ていた。
 
それに伴い、従来の、フィルムに焼き付けられている昔の写真も、「画像データ」に変換して統一管理したいと言うニーズが高まり、アナログのフィルム(ネガ)をスキャンしてデジタルの「画像データ」に変換する機能を備えたプリンタが登場したのである。
私も、2001年にデジカメ(デジタルカメラ)を買っていたので、写真はデジタルの「画像データ」としてパソコンで管理する様になっていたが、フィルムに入っている古い写真(アナログデータ)もデジタル化して、パソコンで統一管理したいと言う思いが高まり、フィルムスキャナ機能の付いたプリンタを買って、手持ちのフィルム(ネガ)を片っ端からスキャンしてデジタル化したものである。
 
ただし、その当時は、パソコンの能力(MIPS。CPU処理速度)が今ほど進化していなかったので、スキャン+画像データ変換の処理時間が物凄く掛かり、手持ちの全フィルム(ネガ)をデジタル化するのには、数年掛かってしまった。
そのフィルムスキャン作業の最初のフィルムが、日光に行った時の写真である。
 
さて、話を現在に戻すが、今回始めたデジタル化は、「フィルム(ネガ)からのデジタル化」ではなく、アルバムに貼ってある「紙の写真をスキャンしてのデジタル化」である。
人から貰った写真など、ネガは無くて、紙の写真しか残っていないもののデジタルである。
幼児期から1978年9月までの写真は、全てこのパターン(紙の写真→スキャン→デジタルデータ化)である。
 
これらの写真は、だいたいデジタル化が完了したので、このあとは、いよいよ1978年10月以降に「人から貰った写真のデジタル化」の段階に入ったのだが、日光の写真の中にも、自分のカメラで撮影したもの以外に、同行した先輩から貰ったものがアルバムに混じっていたので、追加のデジタル化を今回実施した。
 
そして、このブログに掲載するに当たり、各写真にコメントを付けようとして、デジタル化した写真をPC画面で見ながら、写っている建造物の名前をインターネットで調べていた。
その中の一つが、勝道上人(しょうどうしょうにん)(下の2番の写真)である。
 
2 日光を開山した勝道上人像(日光山輪王寺東参道入口)
 
勝道上人は、日光を開山した人だそうである。
ただし、私は、勝道上人と言う名前を前々から知っていた訳ではなく、今回、「写真」と「インターネット検索で見つかった日光の色んな場所の写真」とを比べた結果、写真の僧侶が、勝道上人という方だった事に辿り着いたのである。
 
しかしながら、一つだけ引っ掛かる点があった
それは、インターネットで見つかった写真の勝道上人が持っている錫杖(しゃくじょう)の手が右手なのに、私の持っている写真(上の2番の写真)では左手なのである。
その上、周りの景色も少し違う様に感じる。
この違いがあるので、「99%、勝道上人像に間違い無い」と思いつつも、最後の1%を埋める証拠が欲しかったのである。
そこで、『勝道上人像というのは、日光の地でも数カ所にあって』、「私が撮影した場所の写真も、インターネットで見つかる筈だ」と思い、更に探し続けた。
しかしながら、これが見つからない。
 
だとするならば、「私が撮影した1978年10月以降に、像を作り直したのかもしれない」と思い、「勝道上人像を作り直した」と言う記事が、インターネットで見つからないかと検索を始めた。
ところが、幾ら探しても こちらの記事も見つからない
「そんな筈は無い。日光を開山した有名なお上人さんの情報が、無い訳がない。」 そう思うのだが、どうしても見つからない。
 
困り果てているうちに、一つの事に気が付いた。
上の2番の写真の中で、勝道上人像の前で写っている職場の先輩の髪の分ける方向が右から左であり、他の写真(下の3番の写真)とは逆方向なのである。
 
3 職場の先輩。三人とも、髪は左から右に分けている。
 
ようやく間違いに気付いた。
念のために、私が写した勝道上人像の写真を、画像ソフトを使ってミラー変換(左右反転)してみた。
結果は予想どおり。違うと思っていた「周りの景色」が、インターネットで見つけた写真と同じに変わっていた(下の4番の写真)。
 
4 2番の写真を画像ソフトで左右反転させた写真
 
そういう事である。
10年前に、私が「フィルムスキャン→デジタルデータ化」した際に、どうやら、フィルム(ネガ)を裏返しにして、スキャンしてしまった様である。
そのフィルム(ネガ)に写っている他の写真も確認してみたら、やはり、先輩の髪の分ける方向が、全ての写真で逆になっていた。
勝道上人像のことを、今回調べていなかったら、多分、一生、自分の作業ミスに気が付かなかったと思う。
 
勝道上人が、私の間違いを教えてくれたのである。
 
と言う事で一件落着! あ〜疲れた。