【由無し事】マイナンバー個人番号カード

【由無し事】マイナンバー個人番号カード
2016年02月02日(火) 晴れ 

 マイナンバー個人番号カードの受け取り案内が届き、昨日、夫婦で早速、三島市役所に受け取りに行ってきた。
まあ、個人情報に対しては厳重な管理をしている様であり、受け取りに行くに当っては事前に市役所に電話予約が必要との事。一応、13時〜14時の予約を取ってから出掛けた。出掛けるに当っては色々と準備したものを持参する必要があるそうである。以下がその内容。
交付通知書 ・・・ 市役所から郵送された案内ハガキ
通知カード ・・・ これは昨年中に全国民に郵送されてきたマイナンバー通知のカード(紙)
本人確認書類
 書類の種類がA、Bの2グループに分かれていて、Aグループの書類なら1点、Bグループの書類なら2点必要なのだそうである。Aグループには運転免許証が含まれていたので、それを持参することにしたのだが、運転免許証の暗証番号が必要だと言う。偽装免許証を疑ってのことなのだろう。暗証番号が分からない場合は、Bグループから更に1点必要とのこと。まさに厳重警戒である。私は、暗証番号は分かっていたが、面倒くさいのでBグループの健康保険証も持参することにした。
住民基本台帳カード ・・・ これは、過去に住基カード発行手続きをして取得した人だけ必要
個人番号カード・電子証明書に設定する暗証番号を予め決めて、所定の用紙に記入したもの
 これがまた面倒くさくて、4種類の暗証番号を設定する必要があり、一つは6文字以上〜16文字以内の英数字混在の文字列、残り三つは4桁の数字である。三つとも同じ数字でも構わないらしい。カミさんは、難しいパスワードにしたらキーボードがちゃんと打てるかと行く前から心配していた。まあ、パソコンを余り使わない人にとってはキーボード配列から文字を探すのは一苦労かもしれない。

書類グループ 書類
運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、住民基本台帳カード障害者手帳在留カード特別永住者証明書
健康保険証、介護保険証、各種年金証書、本人名義の預金通帳、民間企業の社員証、学生証 (氏名、生年月日、住所が記載されているものに限る)

 市役所に入り個人番号通知カード受け取りのコーナーへ。コーナーは市民サービスのエリアに急遽作られたらしい仕切りのある小部屋であり、その前に順番待ちの椅子が設置されていた。座って待っていると係の女性が近づいてきて、準備して来たものを出せと言われた。一式渡すと、女性は小部屋の前にある机のところに移動し書類に過不足がないか確認し始めたのだが、座った椅子の方から見ていると、何と暗証番号を書いた用紙を無造作に見ているのである。これには呆れてしまった。あれもこれもとセキュリティ保護のためにやらされた割には無造作過ぎないか。その後書類を持って小部屋に入ってしまい、しかも小部屋のドアを締めてしまった。渡した運転免許証と健康保険証が小部屋の中でどの様に取り扱われているのかは確認することもできない。
結構な時間(5分以上)待たされてから呼ばれて小部屋に入って行くと、パソコンの前に座らせられた。そこの向こう側には別のパソコンらしき機器が背中合わせに置かれており、その向こう側から担当の男性が暗証番号を入力して下さいと指示を出した。まずは6文字〜16文字の長い暗証番号を2回入力。キーミスしていないかのために2回入力させ、2回とも同じ文字が入力されたのかの確認をしている訳である。ここまでは世の中のパソコンの各アプリケーションでも取られている方法である。ところが、通常なら入力ミスがなければ先に進み、ミスがあればエラーメッセージが出て再入力を促す事になるのだが、パソコンの画面には何も出て来ない。そして向こう側にいる担当者が入力ミスが無い旨の声を掛けて来た。これまた重大なセキュリティ問題である。パソコン(機械)が入力チェックしているのでは無く、向こう側の担当者が入力チェックしている訳である。何が問題かと言うと、恐らく、こちらのパソコンから入力した暗証番号が、担当者の前のパソコン画面に表示され、担当者が表示された二つの文字列が同じ文字列かどうかを目視で確認している様なのである。目視と言う方法が人間に頼る方法なのでミスに繋がるという問題は勿論だが、それ以上に私が問題だと思っているのは、暗証番号が担当者に見られてしまうという点である。通常、セキュリティシステムでは、暗証番号(パスワード)と言うものは、本人以外には決して見えない様な設計になっているものである。だから、本人以外の人間は例えシステム管理している側の人間ですらも見ることが出来ない様な作りになっているのである。だから、万一、暗証番号(パスワード)を忘れた場合は、システム管理をしている会社側に問い合わせても絶対に教えてくれない。向こう側では絶対に見えない様に機械で管理されているため、教えようにも教えることが出来ないからである。それがセキュリティシステムの常識である。だから、暗証番号(パスワード)を忘れた場合には、無効にして新しい暗証番号(パスワード)を再度設定して貰う方法をどのシステムでも取っている。勿論、依頼者が本人かどうかの確認(氏名、住所、生年月日、電話番号を言わせての本人認証、メールによるコールバック(本人のメールアドレス宛てにメール発信し、返信があるかの本人認証)は必ず取られるが。暗証番号の中身はシステム側の人間には見えないが、登録してある暗証番号の登録そのものを削除する方法はシステムとして整備しているのである。
次に入力する暗証番号は4桁の数字である。ところが、パソコン画面に書かれている入力すべき暗証番号の名称が、準備して来た用紙に書かれている4個の暗証番号の名称のどれとも違うのである。担当者に「何の暗証番号を入力するのですか?」と尋ねたところ、「どれでも良いです」と言う答えが返って来た。「今、適当に4桁の数字を入力すればいいですか?」と聞くと、「準備してきた4桁の数字を入れて下さい」と言う答え。「3個あるうちのどの暗証番号ですか?」と尋ねると、また、「どれでも良いです」との答え。どうやら、三つとも同じ数字を設定するものだという前提に立って「どれでも良いです」と言っているらしい。何というセキュリティ意識の低さ。これだからお役所が一番心配なのである。マイナンバーを国民の多くが心配するのは、正にこれである。とにかく、役人というものは民間企業と比べてセキュリティ意識が低すぎる。危機感がない。困ったものである。
 帰宅してから気がついたのだが、通知カードを渡したまま返して貰っていない。すぐに市役所に電話しようかと思ったが、一応、インターネットで通知カードの扱いを調べてからにすることにした。調べた結果、個人番号カードを作った場合は、個人番号カードと引き換えに通知カードは回収することが分かった。それにしても一言説明くらいして欲しいものである。私と同じ疑問を持つ人は多いと思う。何しろ個人番号を悪用されるのが一番心配なのだから。