カナディアン・ロッキー旅行2013 (7) 〜バンフ散策(終日フリー)・帰国〜


カナディアン・ロッキー旅行2013 (7) 〜バンフ散策(終日フリー)・帰国〜
2013年10月2日(水)〜10月8日(火)
更新:2023年12月27日(水)
 
■10月6日(日) 晴れ
 
【16】バンフ散策
 
観光の最終日は、終日フリーである。
出発時間を気にする必要もなく、朝もゆっくり出来るので、ホテルの朝食を取ることにしており、朝食クーポンを事前に購入している。
 
バンフスプリングスホテルの朝食は、「ボウバレーグリル」と言うレストランで取ることになっているが、「人気があって混むので、少し遅い時間の方が良い」と口コミで聞いていたため、終日フリーの日に、時間を気にせずに食べたいと思っていたのである。
 
朝食の前に、朝のテレビを見ていると、ちょうどテニスの決勝を中継していた。これなら英語が分からなくても関係ない。
そこで中継を見ていると、試合会場の壁に見慣れた「カップヌードル」の文字が書かれていることに気付いた。
そう言えば、観客も日本人の様に見える。よくよく見ると、会場は有明コロシアムだと分かった。試合は、「楽天ジャパンオープン2013」の決勝戦であった。
何のことはない、カナダまで来て、日本でのテニス中継を見ていた訳である(笑)。
 
決勝戦が終わり、8時頃にレストランに行くと、結構空いていたが、食べ始めるうちに混み始めた。
周りを見ると、9割方は東洋系の客であった。殆どが日本人だったのかもしれないが。
料理は、ビュッフェ形式であったが、品数は思ったほど多くは無かった。その中でも、ドイツソーセージとマッシュルームのシチューがとても美味しく、お代わりしたために食べ過ぎてしまった。
 
1 ホテルの朝食(ボウ・バレー・グリルにて)
 
 
朝食のあと、ホテル内を散策し、本館から別館、会議棟まで続いているという通路を探検。
さすがに、この通路は「迷路」と言っても過言でないくらいの難解なコースだったが、無事会議棟まで辿り着くことが出来た。
 
3 ホテルのテラスから見える朝焼け
 
4ランドル山を背景に記念撮影
 
5 甲冑と一緒に記念撮影
 
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8 壊れた時計?
 
9 宴の会場?
 
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部屋に戻り、支度をして10時過ぎにホテルを出て、バンフの街に歩いて出掛けた。
明日は、朝から日本への帰途に着くので、観光できるのは本日が最終日。
 
まずは、ボウ橋の近くにある「バッファロー・ネーションズ博物館」を訪れる。
入口で、「チケット2枚」と英語で言ったのに、相手の年配の女性から、いきなり「日本人の方ですか?」と聞かれた。どうやら、バンフ在住の日本人の方が働いていた様で、私の下手な発音で日本人だと分かったのだろう。
 
18 ボウ川の流れ (バッファロー・ネーションズ博物館の前より)
 
博物館の中に入ると、コヨーテや犬、バイソン(牛)、鹿の剥製が、日常の生活シーンを再現した格好で展示されていて、「今にも動き出すのではないか」と思わせるリアルさと迫力があった。
また、等身大で作られた先住民族の人形の表情が、またリアルで、不気味さを感じさせるものであった。
 
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28 犬の剥製 (バッファロー・ネーションズ博物館)
 
29 先住民族の生活の展示 (バッファロー・ネーションズ博物館)
 
次に訪れたのは、ガイドブックに「バンフにある唯一のデパート」と紹介されていた店である。
確かに、ブランドの服を売っていると言う点で、現地の産物を売る他の店とは違う店であったが、地下1階〜地上2階と3フロアあるものの、各フロアの広さは、他のお土産屋さんと変わらず、また、女性の店員も、商品を奨めるでもなく、店員同士がお喋りしている有様であり、日本人が持つデパートのイメージとは、かけ離れていた。
 
そんな中でも、カミサンは、1点、気に入ったボトムズを見つけたらしく、試着した上でGET。ルンルンであった。
ただ、「試着室は、掃除してなくて汚い」と言っていたが。
 
久しぶりに、ラーメンが食べたかったので、お昼は「茶屋」と言う店で食べることにし、バンフ最後の夜の夕食は、前日取り止めたピザの店にすることにした。
 
まずは、地図を見ながら、メイン通りから一つ外れた通りにあるピザの店の場所を確認。
すぐに見つかったが、「同じ通りに、日本食料品の店がある」と、JTBから貰った地図に載っていたので、どんな品物が置いてあるのか興味が湧いて、立ち寄ることにした。
ところが、地図の場所にあったのは全く別の店であり、日本食料品の店は見つからなかった。
 
「まあ別にいいか」と思ったのだが、時間はたっぷりあるし、昨日、鷲尾さんが「JTB事務所にも寄ってみて下さい」と言われていたのを思い出したので、日本食料品店がどうなったのかを聞くと言うのを口実にして、「JTB事務所が、どんな所なのか寄って見よう」と言うことになり、地図を見ながらJTB事務所へ。
 
事務所は、ビルの中の1階テナントとして入っていたが、事務所の前に来てみると、部屋の真ん中で、中年の女性が植木の手入れをしていた。
「こんにちは」と言って入って行くと、女性は一瞬ビックリした様であったが、すぐに応対モードになったので、用意してあった質問をした。
女性スタッフの説明によると、「日本食料品の店と言うのでは無く、地図の位置にある店の中の、右奥の棚に日本の品物が陳列されているだけ」とのことであった。
早速、行ってみたところ、確かに、「カップうどん」など日本の品物が置いてあった。
 
そろそろ、お腹が空いて来たので、1時半頃に「茶屋」に行ったところ、店は満席であり、「45分待ち」だと言われてしまった。
仕方がないので、予約券を貰い、外に出て、バンフの通りのベンチに座って、通行人の様子を眺めながら時間を過ごす。
 
日曜日とあって、人通りは多かったが、カミサンは、道行く女性のファッションを見ていて、「よくもまあ、あんなにお尻の形がはっきり見える服を着るなあ」と言う感想を漏らしていた。
日本では、チュニックと言う長めのトップスを着ることで、お尻が隠れる様な着こなしをする人が多いそうなのだが、バンフの街では、チュニックを着ている女性は殆ど目に入らなかった。
逆に、タイツの様なボトムズを着用している女性が多く、ヒップラインがそのまま出ている人が多かった。
 
夫婦で話をしながら通行人を見物していると、意外に早く時間が過ぎ、予約時間になって再び茶屋へ。
ラーメンは、それなりに美味しかった。
隣の席にカナダの男性2人が座って、カレーうどんを注文したので、「ちゃんと、箸を使えるのかなぁ」と気になったのだが、うどんが出て来て食べ始めると、確かにぎこちないながらも、箸は使えていた。
ただし、箸で掴んだ麺を、口に運んですするのではなく、掴んだ麺を高く持ち上げて、麺の下端から口に収めようと悪銭苦闘していた。
まあ、箸は使えるようになっても、「音を立てて、麺をすすり上げる」と言う、東洋人独特の食習慣に馴染むところまでは、簡単には行かない様である。
何しろ、西洋では、「食事中に音を立てるのは、マナーが悪い」とされているそうなので。
 
30 「茶屋」のラーメン
 
さて、食後はどうするかであるが、バンフは狭い街であり、さすがに5日目ともなると、もう見るところがない。
夕食までは、とても間が持ちそうになかったため、結局、夕食に代えて、また、「部屋でワインを飲もうか」と言うことで、夫婦の意見が纏まった。
 
早速、リキュールショップに行って、赤ワインを1本買い、スーパーマーケットで、おつまみとミネラルウォーターを調達した。
 
ホテルに戻るべく、バス停に向かっていたのだが、後ろから着いて来ている筈のカミサンの姿が見えないことに気付き、少し戻ってみたところ、「時計を落とした」と言って、カミサンが辺りを探しているところであった。
色々とカミサンに聞いてみたが、「自分では時計は外してない」と言うので、考えられるのは、ベルトが切れたかどうかして、落ちてしまったと言うことくらいである。
そこで、「最後に時計を見たのが何処か」を振り返ってみたところ、ラーメンの予約時間が来た時に、「私の時計では、まだ5分前」と言う様な会話をしたのを思い出した。
 
まずは、予約時間を待っていたベンチに戻り、そこから、歩いた道をトレースし始めた。
ベンチの周りには無し、「茶屋」の店内にも無し、リキュールショップに向かう道にも無し、リキュールショップ内にも無し、次に向かったスーパーまでの道にも無し、スーパーの中の歩いたコースにも落ちて無かった
カミサンが、「スーパーの店の人に、念のために確認してくる」と言うので、カミサンが持っていたワインの手提げを預かって、私は、外の歩いた道を再度探すことにした。
 
ここで、「まさかとは思うが、歩いている途中で、ベルトの切れた時計が、カミサンが持っていた手提げの中に、偶然滑り落ちたりしてないか」と言う思いが頭を過(よ)ぎった。
普通なら、こんな発想は絶対にしないのだが、1年前に似た様なことがあって、幾ら探しても見つからなかった車の鍵が、運転した時に履いていたズボンを掛けているクロゼットの中の、ズボンの隣に掛かっていた上着のポケットに入っていた事があったのである。
車の鍵が、ズボンのポケットから滑り落ちて、偶然にも隣に掛かっていた上着のポケットの中に落ちたと言うことである。
そこで、駄目元で、手提げの中を覗いたところ、何と、手提げの中に腕時計が見えた
スーパーの中にいたカミサンに、「あった、あった」と伝えて、手提げの中を確認させた。もの凄い偶然であるが、これで一件落着である。
 
こうして、旅の5日目も、最後にドタバタしたが何とか収まり、ホテルで乾杯と相成った。
 
■10月7日(月) 快晴 [日本時間 10月8日(火)]
 
【17】帰国
 
いよいよ、帰国の日である。
 
朝食のあと、最後の荷造り。
キャリーケースは、8:30までに部屋の外に出しておくと、ホテルの人がロビーまで運んでくれる。
出発時刻は9:45のため、しばし部屋でテレビを見て過ごし、30分前に部屋を出る。
 
精算金が発生して無いことは、テレビのリモコンを操作して、テレビ画面で確認済であり、フロントでのチェックアウトは、カードキーを返すだけで終了。
 
31 チェックアウト
 
この日のお迎えは、「コロンビア大氷原観光」の時のガイドを勤めてくれた嘉山さんであった。
観光ツアーの時とは違い、この日は、背広姿の正装でのお迎えであった。
 
バンフスプリングスホテルからは、我々の他にも2組の帰国客があり、3組を載せて、車はカルガリー空港に出発。
車中では、また嘉山さんのガイドにより、カルガリーまでのカナディアンロッキーや、大草原の説明を受けながらの道中であった。
 
11時半には、カルガリー空港に到着。
搭乗券の発行手続きは、端末を使って嘉山さんがやってくれたので、あとは、受託手荷物を預けて、手荷物検査へと進むだけである。
 
カナダでは、出国手続きが無いため、手荷物検査が終わったあとは、搭乗ゲートから搭乗するだけである。
嘉山さんは、手荷物検査場から先には入れないので、嘉山さんとはここでお別れである。
 
今回は、NGランプが点くこと無く、セキュリティゲートを通過。
搭乗ゲートに向かう通路を歩いていると、一部ガラス張りの間仕切りの所があり、もう会社に戻ったと思っていた嘉山さんが、ガラス越しに手を振って見送りをしてくれた。本当に律儀な方である。
 
やがて、搭乗時刻となり、機内に乗り込む。5日間滞在したカナダとも これでお別れである。
定刻の13:45、エア・カナダ009便は、カルガリー空港を飛び立ち、アラスカ経由で日本に向かった。
 
機内では、2回の食事が出たが、復路はずっと昼間なので、昼食とか夕食とかの区別は分からない。
 
32 復路の機内食(1食目)
 
途中、少し眠ったが、目が覚めて窓のブラインドを開けると、アラスカと思われる氷原の上を飛行していた。
とにかく、真っ白な氷原だけしか見えないのだが、川と思われる部分が光って見え、これも、なかなか神秘的な眺めであった。
 
33 アラスカ(?)の氷原。光っているのは、多分、河川。
 
34 アラスカ(?)の氷原。湖が見える。
 
35 嘗ては日本領であった樺太の海岸線
 
36 復路の機内食(2食目)
   
そのうちに、飛行機はアラスカからベーリング海を経て、樺太の上空を飛び、稚内付近と思われる北海道の北端から日本上空に入って来た。
ただ、樺太上空までは晴れて、陸地や海岸線が良く見えていたのに、北海道上空に入った途端、厚い雲に覆われて、地上が見えなくなったのは残念であった。
 
成田着陸は、定刻より若干遅れ、夕方の4時頃。
 
受託手荷物を受け取り、JRの乗り場に来たところ、16:44発の成田エクスプレス38号が、出発3分前と言うところであった。
3分では、さすがに無理だと思ったのだが、カミサンが「間に合う」と言うので、券売機で急いで特急指定券を買い、改札に走り込む。
その際に、改札機で、一度NGランプが点き、「買った特急指定券だけを通す様に」と駅員に言われたので、変だとは思いながら、時間がないため、指示通りに切符を入れて改札を通過、発車間際の電車に飛び乗ることが出来た。
 
37 成田空港から東京に向かう成田エクスプレス
 
約1時間ほどで東京駅に着き、エキナカで夕食のお弁当を調達したあと、新幹線ホームに上がる。
 
そこで時間の余裕もあって、ふと、成田エクスプレスの特急指定券を見たところ、料金が結構高いことに気付いた。
良く見ると、特急指定席料金だけではなく、乗車賃まで含まれていることが分かった。
 
乗車券については、事前に成田空港〜三島の区間を買っていたので、成田では、特急指定席券だけを買うことを気にしていて、成田の券売機でも、「特急指定席券だけのボタン」を押したつもりであったのだが、急いでいたので、間違って乗車券付きの特急指定券を買ってしまったらしい。
だから、「成田空港〜三島の乗車券」と「特急指定券」を改札機に通した時に、NGランプが点いたのである。
 
最後の最後で、またミスってしまったが、何とかならないかと思い、時間の余裕もあったので、新幹線の改札まで戻って事情を話したところ、「JR東日本の窓口に行って、成田エクスプレスの方の切符を買い直す必要がある」と言われた。
そこで、改札を出さして貰い、JR東日本の窓口で交渉。
JR東日本側では、「一旦、新幹線の改札を抜けた後なので、JR東海側でしか処理出来ない」と言われたが、「ちょっと待って」と言われて待っていたところ、何とか、成田エクスプレス側の切符を、乗車券無しの特急指定席券に変えてくれた。しかも、「今回に限り、手数料は不要」と言うことにして貰えた。ラッキーである。
 
思えば、今回のカナダ旅行は、
 ●クレジットカードキャッシングが出来ないトラブルに始まり、
 ●トイレの水が流れないトラブル、
 ●マグネットの影響で、部屋の鍵が開かないトラブル、
 ●腕時計紛失トラブル
と続き、
 ●最後になり、JR切符買い間違い問題
まで発生したが、何とか切り抜けることが出来、却(かえ)って一つひとつが、良い思い出になった様にも思う。
 
とにかく、お天気にも恵まれ、最高に楽しい旅行であった。
                            <完>