東海道ふたり旅(19) 浜松宿〜新居町(30:舞坂宿)


東海道ふたり旅(19) 浜松宿〜新居町(30:舞坂宿)
2008年11月29日(土) 晴れ
更新:2020年6月27日(土)
 
9:26発の「こだま」で三島駅を出発し浜松へ。
今日は青空の良い天気であるが、富士川の鉄橋からは、冠雪している富士山は雲が掛かって見ることができない。
思えば、歩いて富士川を渡った時は、まだ半袖の夏姿であった。つい、この前の様に思うのだが、季節は半袖の夏からコートを着込む冬へと移ってしまった。
 
新幹線は更に安倍川大井川天竜川と大河を越え浜松へ。どの川も、歩いた時の記憶はまだ新しい。思えば遠くに来たもんだ。(海援隊のパクリ)
 
浜松駅を出発し、本日の旅の再開点・伝馬町交差点へ。
ところが、前回の、最終地点から浜松駅までの帰り道とは違う道を歩いたのが災いして、再開地点までの道に迷ってしまった。どうやら、頭の中では、碁盤の目の様に描いていた道筋が、実は緩やかにカーブしていた様で、方向感覚が狂ってしまったらしい。
ようやく伝馬町交差点に到達し、旧東海道の旅を再開。
ところが、JR東海道線のガードを潜って、しばらく歩いたところで、地図と違う道を歩いていることを確信。高架から遠ざかる筈の道が、しばらく歩いても高架に沿って伸びているのである。
本を取り出して確認したところ、ガードを潜る手前で右折するのを見落としていた。今日はどうも道に迷う運命にある様だ。歩いてきた道を戻り軌道修正。
 
ガード手前で国道を右折し、数百メートル進んでから左折。これが旧東海道の道筋である。
JR東海道線のガードを潜ったところで、先程間違えて歩いていた道(国道257号)と合流。
目的地に到着するのが目的のウォーキングではなく、目的地までの旧東海道の道筋を忠実に歩くのが目的なので、結果的に同じ地点に到達したところで、それは目的未達成なのである。だから、道を間違えたならば、戻るしかないのである(笑)。
 
新幹線のガードを潜りしばらく進むと、道は右斜めにカーブするが、その地点に若林一里塚二つ御堂がある。
二つ御堂と言うのは、道の両側にある二つのお堂のことである。
北側(右側)のお堂は、藤原秀衡の愛妾が、京に出向いている秀衡死去の知らせ(誤報)を聞いて、菩提を弔うために建てたものであり、南側のお堂は、京からの帰りにその話を聞いた秀衡が、愛妾への感謝の気持をこめて建てたものであるとか。
何とも心温まる話である。
 
この西に真っ直ぐ延びる国道で、面白い事に気づいた。
例えば、ある箇所にホンダ、スズキ、日産、トヨタ、ベンツと言った自動車の販売店が密集しているのである。また、ある箇所では「洋服の青山」と「紳士服はるやま」がぴったり隣接して並んでいるのである。
 
1 江戸から66番目の一里塚「若林一里塚」 (2008.11.29撮影) 浜松市
 
 
3 二つ御堂 (2008.11.29撮影) 浜松市
 
 
 
6 高札場跡 (2008.11.29撮影) 浜松市
 
7 領界石 (2008.11.29撮影) 浜松市
 
 
しばらく西に進むと、国道の方は左斜めにカーブするが、旧東海道は国道から分岐して直進する。
やがて篠原一里塚を過ぎ、しばらく進むうちに、道の両側には店舗が殆どない民家だけの通りとなる。
正午を回り、そろそろランチを取りたいのだが、行けども行けどもファミレスどころか飲食店すら全くない通りが続く。
 
1時半になり、舞阪の町に入ったところで、「うなぎ」の看板が目に入る。
旧東海道を外れ、100メートルほど右に入った住宅街にその店はあった。「山本亭」という名前の店である。
住宅街にあるのに、駐車場には結構な数の車が駐車してある。評判の店なのかもしれない。
前回の浜松では食べそびれたが、これでようやく浜名湖のうなぎを味わえる。
天然のうな重定食(並)を注文。店内に「せいご天ぷら」という張り紙があったので、店の人に聞いたところ、鱸(すずき)の小さい頃の名前とのこと。
珍しいので注文したら、これが美味かった。うなぎの方も、柔らかくて実に美味かった。この店は「当たり」である。
 
9 江戸から67番目の一里塚「篠原一里塚」 (2008.11.29撮影) 浜松市
 
10 舞坂の松並木 (2008.11.29撮影) 浜松市
 
11 舞阪駅前「山本亭」 (2008.11.29撮影) 浜松市
 
食事を終えて旅を再開。
しばらく行くと、道の両側に並木のある道となる。
カミサンが松ぼっくりを拾い始めた。持ち帰って何やら作るらしい。
 
数百メートルの松林を抜けると、国道との交差点となる。国道を横切って直進するといよいよ舞坂宿である。
 
江戸見付(東側入口)には見付石垣が残っている。と言っても、どうやら新しく作り直されたものの様だ。
さらに一里塚常夜灯、と続き、本陣がある。
このうち、脇本陣については、平成の最初まで医院として使われていたものを、浜松市が買い取って脇本陣として無料公開しているので、中に入って当時の様子を伺うことができる。
 
この宿場通りの先は、浜名湖である。
昔は、この舞坂宿と対岸の新居宿の間は船で渡っていたので、この間は旧東海道は無い。
従って、ここから新居宿までは、どの道を歩くかは自由。
 
12 舞坂の松並木 (2008.11.29撮影) 浜松市
 
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14 浪小僧 (2008.11.29撮影) 浜松市
 
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16 見付石垣 (2008.11.29撮影) 舞坂宿
 
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18 江戸から68番目の一里塚「舞坂一里塚」 (2008.11.29撮影) 舞坂宿
 
19 常夜灯 (2008.11.29撮影) 舞坂宿
 
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21 舞坂宿の道筋 (2008.11.29撮影) 舞坂宿
 
22 伝左衛門本陣跡 (2008.11.29撮影) 舞坂宿
 
23 脇本陣跡 (2008.11.29撮影) 舞坂宿
 
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26 西町常夜灯 (2008.11.29撮影) 舞坂宿
 
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28 本雁木跡 (2008.11.29撮影) 舞坂宿
 
港には沢山の漁船が繋留されており、土曜日とあって、堤防には釣り糸を垂らしている人達が多い。
海岸沿いに歩き、弁天島に渡る。砂浜では子供達が遊んでいる。のどかな休日の風景である。
 
橋を渡って新居町に入る。浜名湖の奥(北)の方は残念ながら東海道線の鉄橋の陰となって良く見えない。
ちなみに、この正月には九州から親兄姉が出てきて、浜名湖湖畔の舘山寺温泉で正月を過ごす予定になっている。
 
新居宿には関所が残っており、見るところが多いのだが、そろそろ暗くなって来る頃なので、見物は次回に回し、本日の旅は手前にあるJR新居町(あらいまち)駅までにした。
 
新居町駅から東海道線で浜松まで出て、新幹線で三島に帰還。
 
29 浜名湖(弁天島より海側)の風景 (2008.11.29撮影) 浜松市舞阪町
 
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33 弁天島より舞坂宿方面を望む (2008.11.29撮影) 浜松市舞阪町
 
34 水際で遊ぶ子供たち (2008.11.29撮影) 浜松市舞阪町
 
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36 東海道線鉄橋の奥に広がる浜名湖 (2008.11.29撮影) 浜松市舞阪町
 
37 舞坂の松並木で拾って来た松ぼっくりを使って、カミサンが作った作品。(2020.6.27追加写真)
  
 
【データ】
■東海道歩行距離

今回  12.2km(浜松宿〜新居町)
通算 277.9km

■利用交通機関

区間 交通機関
三島〜浜松 JR東海・東海道新幹線(三島〜浜松)
新居町〜浜松 JR東海・東海道本線(新居町〜浜松)
浜松〜三島 JR東海・東海道新幹線(浜松〜三島)

■費用

用途 金額
JR東海道新幹線(三島〜浜松)(2人分)
8,380円
JR東海道本線(新居町〜浜松)(2人分)
640円
JR東海道新幹線(浜松〜三島)(2人分)
8,380円
駐車場代(三島駅前)
1,000円
飲料(2人分)
260円
昼食(うな重)、ビール(舞阪町「山本亭」)(2人分)
5,500円
合計
24,160円
累計
206,115円

■立ち寄りポイント
若林一里塚(浜松市)
二つ御堂(浜松市)
領界石(浜松市)
篠原一里塚(浜松市)
見付石垣(舞坂宿)
舞坂一里塚(舞坂宿)
伝左衛門本陣(舞坂宿)
舞坂宿脇本陣(舞坂宿)
本雁木跡(舞坂宿)
 
■通過した宿場
(30)舞坂宿
 
【地図】