東海道ふたり旅(6) 国府津〜箱根湯本(9:小田原宿)


東海道ふたり旅(6) 国府津〜箱根湯本(9:小田原宿)
2008年6月28日(土) くもり
更新:2020年6月21日(日)
 
JR国府津駅で電車を降りる。
駅前交差点のところで、前回工事中のため歩けなかった道を見たところ、工事は終了して歩ける様になっていた。この部分は100メートル足らずの区間であるが、国道1号から旧東海道が分離している区間であるため、拘る性格の私としては歩けるなら外せない区間である。
カミサンは「また〜?」と言う顔をしているが、とにかくその道を前回工事中で通行止めになっていた地点まで逆行し、旧東海道の旅を再開。
 
1 JR国府津駅前にある蒸気機関車の記念碑(2008.06.29撮影)小田原市国府津
 
国府津の街は、3年前に歩いた時にも感じたが、何か活気のある街である。人通りが多く、道沿いの店々にも活気を感じる。国府津の街には魚屋さんが多い。また、明治時代以前からあったのではないかと思われる古い家屋が、建て替えられることなく大事に使われていて沢山残っている。歴史を感じさせる街並みである。
 
親木橋交差点。左手には西湘バイパスの国府津IC出口があり、その向こうは太平洋である。
交差点の少し先に「小八幡一里塚」の跡を示す説明パネルが立っている。江戸から19番目の一里塚であり、約75キロ(1里=約3.93キロ)を歩いて来たことになる。
 
2 江戸から19番目の一里塚「小八幡一里塚」(2008.06.29撮影)小田原市
 
国道沿いに暫く歩くと、緩やかな登りとなり酒匂川(さかわがわ)に差し掛かる。
川幅は結構広く水の澄んだ静かな流れの川である。この川を渡ると小田原の中心街となる。
 
旧東海道は、実はこの酒匂川は「渡し」となるので、今の国道1号の「道」ではない。しかしながら、幾ら拘る私でも、旧東海道を忠実に再現するために渡し舟をチャーターするという訳には行かないので、ここは国道1号の「道」を歩く事で妥協する。(既に、多摩川、相模川でも妥協済)
 
酒匂川を渡りきったあと、右側の路地を探して「渡し場」があったと思われる地点に向かう。
途中、酒匂川土手の近くで思いがけず二宮金治郎表彰の地碑を見つけた。小田原藩主が働き者の金治郎をこの地で表彰したとか。
ちなみに、二宮金治郎は後に「金次郎・尊徳」と名を変え、全国の農村復興、藩の財政再建に貢献したそうだ。
 
3 酒匂川(さかわがわ)(2008.06.29撮影)小田原市
 
4 二宮金次郎表彰の地碑(2008.06.29撮影)小田原市
 
「渡し場」のあったと思われる地点から旅を再開。
 
旧東海道は、城東高前交差点で国道1号を横切り、旧道を100メートルほど進んでから再び国道に合流する。
やがて山王橋を渡ると旧小田原宿である。
 
一里塚の場所に江戸見付があったらしく、「江戸見付一里塚」と書かれた石碑が立っている。
 
新宿(しんしゅく)の交差点で旧東海道は国道を左に折れ、数十メートルで右に折れる。この通りには蒲鉾屋の老舗が並ぶ。
道の両側には、本陣脇本陣が沢山あったらしいのだが、他の宿場にある様な 跡を示すパネルは立っておらず、場所は分からず仕舞いであった。
 
旧東海道は、本町交差点で再び国道と合流。しばらく行くと道の右側にお城が現れる。小田原城ではない。「ういろう(外郎)」と言う名前の室町時代から続く由緒ある薬屋である。
 
箱根路に入る前に小田原市内のガストで昼食。寒がりのカミサンには冷房が効き過ぎていたので、食事を済ませて即出発。
 
JR東海道線のガードを潜り、新幹線のガードの手前のところで旧東海道は旧道に入る。その分岐点のところに小田原宿上方見付がある。
 
旧道から国道へと続き、小田原厚木道路のガードを潜った辺りで再び旧道に入る。この辺りから箱根方面は国道1号がいつも渋滞しており、抜け道として事情通の車が沢山旧道に流れ込んで来ている。
 
道は緩やかな登りとなる。小田急風祭駅の裏手あたりに21番目の一里塚である風祭一里塚がある。のどかな旧道の佇まいである。
 
5 小田原宿の入口付近にある町標(2008.06.29撮影)
 
6 小田原宿江戸見附跡と江戸から20番目の一里塚「小田原一里塚」(2008.06.29撮影)
 
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8 小田原宿の街角に立つ石の町しるべ(2008.06.29撮影)
 
9 町標の側面には町の当時の様子が説明されている(2008.06.29撮影)
 
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11 ういろう(外郎)(2008.06.29撮影)小田原宿
 
12 小田原宿上方見附跡(2008.06.29撮影)
 
13 江戸から21番目の一里塚「風祭一里塚」(2008.06.29撮影)小田原市
 
小田急入生田(いりうだ)駅の先で踏み切りを渡り、国道に合流。この辺りになると両側は箱根の山々であり、いよいよ天下の険・箱根路の始まりである。
 
視界が広がり、先の方に小田急箱根湯本駅ホームが見えた地点にある三枚橋T字路。
旧東海道はここで左折して橋を渡り、険しい山道となるのだが、ここから先は交通手段が無く、元箱根(芦ノ湖湖畔)まで一気に歩き切るか、途中で三枚橋まで戻ってくるかしかないため、少し早いが本日の旅はここで終了。
 
次回は、いよいよ旅の最大の難所・箱根越えである。
 
箱根湯本の街は週末の土曜日とあって、もの凄い人出である。駅に電車が到着するたびに沢山の行楽客をはき出している。
小涌谷、強羅などに向かうために箱根登山鉄道に乗り継ぐ乗客の長蛇の列、駅の外では電車を諦めてタクシーを使う行楽客のこれまたタクシー待ちの長蛇の列。
箱根は、東京から手軽に来れる行楽地とあって、とにかくもの凄い人出であった。
 
14 小田急・箱根湯本駅が見えて来た(2008.06.29撮影)神奈川県箱根町
 
15 早川に架かる三枚橋(2008.06.29撮影)神奈川県箱根町
 
箱根湯本駅から小田急、JR東海道線と乗り継ぎ、三島へ。
 
今回は、駐車場に止めてある車に着替えとタオルを乗せてあるので、三島市内の日帰り温泉「極楽湯」に直行。
歩いた後の温泉は、やっぱり最高!
 
【データ】
■東海道歩行距離

今回 11.8km(国府津駅前〜箱根湯本)
通算 91.0km

■利用交通機関

区間 交通機関
三島〜国府津 JR東海/JR東日本・東海道本線(三島〜国府津)
箱根湯本〜小田原 小田急(箱根湯本〜小田原)
小田原〜三島 JR東日本/JR東海・東海道本線(小田原〜三島)

■費用

用途 金額
JR東海道本線 三島〜国府津(1名は通勤定期券を利用)
740円
JR東海道本線 小田原〜三島(1名は通勤定期券を利用)
650円
小田急 箱根湯本〜小田原(2人分)
600円
駐車場代(三島駅前)
900円
飲料
150円
昼食(小田原・「ガスト」)(2人分)
2,003円
蜂蜜入りソフトクリーム(2人分)
500円
合計
5,543円
累計
52,765円

■立ち寄りポイント
小八幡一里塚(小田原市)
二宮金治郎表彰の地碑(小田原市)
小田原宿 江戸見付並びに一里塚
小田原宿 上方見付
風祭一里塚(小田原市)
 
■通過した宿場
(9)小田原宿
 
【用語】
郷宿(ごうやど)
村人が公用で町に出て来た時に泊まる定宿のこと。
 
【地図】