【驚愕の事実】基地権と指揮権

【驚愕の事実】基地権と指揮権

 矢部宏治さんの著書「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」では、日米安保条約日本国憲法の上位に位置付けられる条約である、毎月2回の在日米軍と官僚エリートによる日米合同委員会で、憲法を超える密約が結ばれているし、最高裁もその件に関してはノータッチである(関与を放棄している)と言う衝撃の事実を知った。詳細は、以下の本ブログ記事を参照。
  ・【お勉強(歴史)】戦後の歴史、日本国憲法、ほか(1)
  ・【お勉強(歴史)】戦後の歴史、日本国憲法、ほか(2)

 そして、その第二弾とも言うべき本「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか」が、5月26日に発刊されたので、早速、注文したところであるが、発刊に際しての対談の映像を見つけたので、以下に紹介する。
  『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』刊行記念対談 矢部宏治・孫崎享
 これまた驚愕の事実が書かれているらしいが、対談を視聴して分かった事を以下にメモする。
●首都圏上空に厳然として設定されている日本国不可侵の空域「横田エリア or 横田空域」は、日米安保条約により日本が米国に渡した空域だと思われているが、実際は全く逆。サンフランシスコ講和条約によりGHQによる戦後の日本占領を終結する際に、横田エリアを含む米軍基地周辺の米軍占有空域以外の空域を日本側に解放したと言うのが正しいらしい。つまり、戦後の米軍による占領体制が、日本に解放した国土部分以外では今でも継続していると言う事である。
「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」では、米国の日本に対する基地権(=日本の領土を自由に使う密約)の事を書いたが、「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか」では、指揮権(日本の軍隊を自由に使う密約)の事を書いた。即ち、自衛隊の指揮権は米国にあると言う事である。自衛隊は、米軍の指揮下に置くために作った組織である。朝鮮戦争が勃発し、米軍が出動すると米軍基地の守備が手薄になる。それを補完するために作った守備隊が警察予備隊、後の自衛隊である。
朝鮮戦争においては、共産軍を朝鮮半島の南北から挟み撃ちにするために米軍は半島北部から上陸したが、その際に海の機雷を掃海したのが自衛隊。戦死者も多数出ている。従って、既にこの時点で憲法第9条は破られて日本は戦争に参加している。
日米合同委員会は、駐日米国大使館が出来る前から存在していた。米国側の代表は国務省(日本の外務省相当)ではなく軍部(国防総省)。国務省は、安保条約+密約が余りにも不平等な条約なので問題だと指摘しているが、軍部は、「日本は何も文句を言ってないから良い」と言って取り合わず、現在でも日米合同委員会はそのまま継続している。
●上記の密約は、「吉田・アチソン交換公文」と呼ばれ、旧日米安保条約の中の1項目として入っている。勿論、新日米安保条約に変わっても入っている。そもそも旧日米安保条約と新日米安保条約は、外からの見え方こそ違え、内容(米国の権利)は何も変わっていない。