【由無し事】久々の東京

【由無し事】久々の東京
2016年05月23日(月) 晴れ

 どうやら、お天気も今日までらしい。明日からはまた雨模様だそうであり、このまま梅雨に入るのだろうか。
 さて、昨日は久しぶりに東京に出た。先月も東京に出たとは言えバスツアーだったので、自由に散策したと言う意味では前回の西鋭夫さん講演会(11月)以来であり半年ぶりである。3年前までは13年半 毎日新幹線通勤をしていたとは言え、久しぶりに自由気ままに新幹線に乗ると車窓からの風景も違って見えるから不思議である。品川で山手線に乗り換えて渋谷で降りる。何年ぶりかの渋谷である。講演会まで時間があるので、紀伊国屋書店にでも立ち寄ってみようか思ったのだが、何と、渋谷駅西口の紀伊国屋のビルが消えていた。工事中だったので、何か新しいビルでも出来るのかも知れない。東口は数年前にヒカリエが出来、東急東横線は地下に潜り地上2階にあった東横線渋谷駅も無くなり、そして、昨日は、東京メトロ銀座線の渋谷駅の場所が移動すると書いてある看板も目にした。若者の街・渋谷もどんどん変わって行く様である。相変わらず忠犬ハチ公の前だけは沢山の待ち人の姿があり、昔と変わってなかった。それにしても、昨日は至る所で警察官の姿が見られた。伊勢志摩サミットの影響だと思われる。
 さて、午後2時から始まる西鋭夫(にしとしお)先生の講演会、受付開始の1時に会場であるベルサール渋谷ファーストに到着すると、座席は既に1/3程度が埋まっていた。西先生の講演会の特徴であるが、男性の年配者が殆どである。私もその1人ではあるが。(笑) 「誇りある教育」と題した講演会の内容は、まあ、今までにも他の講演会や映像レポートなどで一度は聴いている内容なので目新しいものは余り無かったが、とにかく、以下の事を力説されていた。
●国民が自国に誇りを持てと言ったって自国の歴史を知らないのだから誇りの持ちようがない。ちゃんと自国の歴史を教えろ。(ジャーナリストの青山繁晴さんも「ぼくらの祖国」と言う本の中で、「誇り」と言う言葉の代わりに「祖国」と言う言葉で全く同じ事を力説されていた)
●アジアに行けば、日本人が如何に好かれているかが分かる。マレーシア、インドネシアベトナム、インド、トルコもそう。こんな話がある。ベトナムの街中でちょっとしたトラブルが発生し日本人が警察に捕まった。警察がしかめっ面をして、チャイニーズ?と聞き、NO。コリアン?と聞き、NO。そしてジャパニーズ?と聞きYESと応えると、急に表情が和らぎ「もう行っていいよ」と言ったそうな。
文部科学省は早く無くなれ。こんな省庁は要らない。米国だって勿論こんな組織は無い。今時、国家が教科書を作って、かつ、学校に押し付けているなんてナンセンス。民間が自由に作り、教師が自由に選んで使えば良い。日本は平均的な人間(金太郎飴)を作る事を目的にしている。だから、天才は切り落とされる。そもそも、大学入試がマークシートマークシートを読むのは機械、総合点での合格ラインの1点差で合格・不合格が決まる。そんなもんで例えば、数学の天才、物理の天才、化学の天才と言った抜きん出た人達が選ばれる訳がない。スタンフォード大学には中学生くらいの飛び級で入学した天才少年達が闊歩しているが、日本では、そんな光景はまず見られないだろう。教授たちは一体何をしているのか。一人ひとり面接して、人間を見よ。
●だから、日本教育だけしか受けてない人の中からはノーベル賞受賞者は出ず、日本人のノーベル賞受賞者と言ったら、全員、米国に渡って研究した経験のある人ばかり。米国は、とにかく教育に金を使う(投資する)。日本は教育に金を使わない国だと言うのは世界中で有名な話。自衛隊ジェット機1機減らせば何百億円も教育予算に回せるではないか。米国の大学は、どこも年間授業料は700万円くらい。それくらい高い。それだけ質が濃い。そして、米国の大学には入試(日本の様な筆記試験の入試)と言うものは無い。高校の成績と自分が大学に入ってやりたい事の論文を願書に添えて出し、あとは教授が一人一に面談して入学を決定する。門戸は広いが入ってからが濃いので3割(だったかな?)は落伍して去って行く。世界で2位にランキングされているスタンフォード大学には、日本人の学生は残念ながら1人もいない。中国人、インド人などはいる。
●だけど、少子高齢化で17歳くらいの日本人がどんどん減っている。日本の殆どの大学では定員割れが発生。そのうちに大学の数は半分になると思うし、今の様な大学入試は無くなると思う。それが明るい兆し。
●日本で子供の留学について、親からいつ頃から留学させたら良いかと相談された場合は、「明日から留学させなさい」と言う。「誰に、どうやってお願いすればよいか?」と聞いてくるので、「そんなもん、自分で調べろ!」と応えている。
●子供を育てるなら叱るな、まずは褒めよ。叱っても何も身につかない。人は褒められた時にこそ伸びる。
●自分は、大阪の桃山高校という私立の男子校で生徒の1/3はヤクザの息子だった。夢は原爆を作る事だった。数学は全く勉強しなかったので高校3年間、数学のテストは全て0点だった。しかし、物理のテストは全国で3位だった事もある。関西学院大学を卒業したあと、1964年に米国に渡りワシントン大学に入った。とにかく英語など全く話せなかったが、英単語の辞書は全部丸暗記した。英会話を勉強するなら、駅前留学なんかやっても駄目。CNN放送などを字幕を表示せずに毎日聞き流す。そうすれば聞き取れる様になる。ただし、聞き取れても単語の意味が分からないから何を言ってるのかは分からない。だから、とにかく英単語を覚えるのが大事なんだ。日本語の単語にはアクセントなど無いが、英単語には必ずアクセントがある。アクセントさえ覚えられらば、聞き取れる様になるし、会話でも、ちょうどカタコトの日本語を話す外人が何を言いたいのか日本人には分かるのと同様に、アクセントさえ正しく発音していれば言い回しは正しく無くても意味は分かって貰える。

 こぼれ話として、一つ面白い話を聞いた。ある国会議員と一緒に焼肉定食を食べながら話をした時に、議員より、「北方四島を返して貰うための良いアイデアは何かないですか?」と言われたそうである。そこで、西先生は以下の事を伝えたそうである。勿論、冗談だろうが。
プーチン大統領は身体を鍛えていてよく肉体を見せる。彼は日本が好きだし柔道が好きである。安部首相とも相性が良いらしい。そこでだが、東京オリンピックの前年に柔道世界選手権を日本でやるでしょう。その時にプーチン大統領を招待しなさい。そして、エキシビションマッチとして、プーチン大統領と柔らチャン(田村亮子さん)を3本勝負で対戦させなさい。1本目はプーチン大統領に彩かな一本勝ちで買って貰い。二本目は柔らチャンが取る。そして三本目は大接戦を繰り広げた上でプーチン大統領に取らせる。そうしたら黙ってても北方四島は返してくれるでしょう。
 そうしたら、後日、その議員から電話があり、柔らチャンに相談したら、「日本のために私やります」と柔らチャンが応えたそうな。まあ、これは冗談話だとして、昔、ニクソン大統領が毛沢東との間で劇的な国交回復を実現した際には、前段階としてピンポン外交が功を奏したという話を西先生はされていた。


1 紀伊國屋書店が入っていたビルが消えた(渋谷駅西口)


2 渋谷駅前の忠犬ハチ公


3 有名な渋谷駅前のスクランブル交差点


4 渋谷駅前にある東急東横線(渋谷〜桜木町)の旧車両


5 西鋭夫先生の講演会場風景(休憩時間)