消費電力騒動で一つ賢くなった
2015年4月1日(水) くもり
更新:2024年2月29日(木)
以下の記事(の元記事)は、9年前に投稿したものであるが、本日、読み直したところ、全く内容は忘れてしまっていたが、電力料金の考え方について詳しく解説されており(私が、9年前に解説を書いており)、我ながら感心してしまった(笑)。
「電力料金の考え方」について、興味のある方が、どれほど居られるかは分からないが、「元記事」を、もう少し分かり易く纏め直してみた。
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消費電力騒動で一つ賢くなった
今日から4月、新年度(2015年度)の始まりである。
あいにくの曇り空で、スッキリしないお天気ではあったが、まあ、雨も降らず、お花見をするには、まずまずの天候であったと思う。
さて、本日は電気の話をする。
ことの発端は、東京電力の3月分の電気使用量明細である。
先週の中頃、いつもの様に、郵便受けに東京電力からの「電気ご使用量のお知らせ」が入っていた。
我が家は、夫婦二人暮らしなのだが、
●電化製品が多いのか、ブレーカーの数は10個あるし、
●夏場の「クーラー」、冬場の「炬燵」と「電気ストーブ」で、結構な電力を消費するらしく、
●電気料金の方も、バカにならない。
●特に、冬は、毎月2万円を超える請求が届く。
▽私が、自分の部屋でパソコンを使っている時間は、電気ストーブを点けているし、
▽居間にある1畳サイズの電気掘り炬燵は、夕方から翌朝まで電源ONの状態なので、仕方がないのだが。
▽電灯は、半分以上省エネのLEDに変えたのだが、焼け石に水といったところである。
話を元に戻すが、
先週届いた「3月分の電気使用量の請求額」が、何と、1万7千円台に減っていたのである。
2月の請求額は2万3千円台だったのだから、実に、▲6千円(▲26%)も減った訳である。
しかしながら、
●2月と3月で使った電気量が、そんなに違ったかとう言うと、そんな筈はない。
●1/4(26%)も減るなんて、全く心当たりが無い。
一つだけ思い当たるとしたら、3月になって暖かい日が増えたので、私の部屋の電気ストーブを点けない日が増えたと言うことくらいである。
しかしながら、6畳用の小さな電気ストーブ1個で、月の電気使用量の1/4も使っていたとは信じ難く、
さりとて、他に思い当たることが全くない。
そうなると、電気ストーブを疑うしかないので、使っている電気ストーブを眺めていたら、何と「Made in China」と書いてある。
もう随分前に買ったストーブであるが、「安売り」していたものを買ったので、確かに中国製だったのかもしれない。
正直、最近では、「中国製」と言われると、まずは品質を疑ってしまう習慣が身に付いてしまっている。
「中国が、省エネなんて考えて、モノを作っているとはとても思えない」と考えてしまうのである。
単純な私としては、「毎月の電気代が6千円も余分に掛かるのなら、国産の新しい省エネタイプのストーブを買ったとしても、1年でモトが取れる」と計算してしまった。
それに、「電気屋さんも、時期的には冬物在庫処分の時期なので、安売りしているに違いない」と確信してしまい、早速、近くの家電量販店に駆け付けたのである。
結果は、私の期待を裏切らず、半値前後の安売りをしていた。
平日と言う事で、店員さんも暇を持て余していたのか、我々夫婦のところに近寄って来て、蘊蓄(うんちく)を語り始めた。
私が一番聴きたかったのは、省エネ(使用電力)のことなので、その点を質問したところ、
店員さん曰く、
●電気ストーブは、だいたい、どの製品も、消費電力は1,000W~1,500Wくらいで、大きく変わらない。
とのことだった。
「省エネ」と言うキーワードは、店員さんの口からは、まず出て来なかったのである。
と言うことは、暖房器具に関しては、「熱を発するのが役割」なので、
●「単純に、熱量分だけ電力を消費する」ものらしい、
●「省エネ」なんて、暖房器具には無縁なんだ
と悟ってしまった。
「確かに、冷房機は、熱を下げるものなので、色々な工夫次第では、省エネが実現出来るのかもしれない」と悟ってしまった。
偏見で決めつけてしまい、中国さんには悪い事をしてしまった様である。
そうなると、少なくとも電気代の削減目的の観点からは、新しいストーブを買う意味は無くなった訳である。
あとは、「早く暖まる」とか、「触っても熱くない」とか言った別の観点から、安売りを狙って来シーズンのためのストーブを買っておくかどうかである。
店員さんが、色々と親切に説明してくれたので、手ぶらで帰るのも申し訳なく、半額以下になっていた小型のセラミックヒーターを買ってきた。
買値は、2,500円である。
これ(2月→3月の電気料金が3/4にダウンした件)と並行して、東京電力の請求書で分からない点があったので、問い合わせメールを東京電力に送っていたのだが、数日後に回答メールが届いた。
分からなかったのは、料金の内訳の意味である。
請求書に書かれてあった料金の内訳は、以下のとおりであった。比較できる様に、2月分と3月分を並記している。
内訳 | 料金(2月分) | 料金(3月分) |
---|---|---|
ご使用量 | 716KWh | 531KWh |
基本料金 | 1,404円00銭 | 1,404円00銭 |
1段料金 | 2,331円60銭 | 2,331円60銭 |
2段料金 | 4,663円80銭 | 4,663円80銭 |
3段料金 | 12,450円88銭 | 6,913円83銭 |
燃料費調整 | 1,825円80銭 | 1,502円73銭 |
再エネ発電賦課金 | 537円 | 398円 |
請求予定額 | 23,213円 | 17,213円 |
ここで分からなかったのは、「1段料金、2段料金、3段料金」と言う内訳である。
ユーザ側からすれば、家の中の「どの部分」で「どれだけ」使っているかの内訳が知りたい訳である。
1階/2階とか、居間/台所とか、ブレーカー番号別とかでも良いのだが、「1段料金」、「2段料金」、「3段料金」が、「電気を使ってる場所」と、どう対応付くのかが分からなければ、内訳の意味が無いのである。
どう考えても、この請求書の内訳が、「私が期待している区分け」と対応付くとは思えず、これは、東京電力内部での、何らかの管理のための区分としか考えられない。
「請求書を受け取るユーザ側にとって、こんな意味の無い「電力会社内部の内訳」を、ユーザに出すなよ
と言いたい気持ちもあって、その内訳の説明を求めるメールを送った訳である。
東京電力からの回答によると、
●そもそも、「電力料金は、使用量が少ないほど単価が安く、使用量が段階的に増えるに従って単価が上がる」そうなのである。
庶民の感覚では、
▽沢山使う(=買う)ほど、安くしてくれるんだろう
と思うのだが、電力会社は、そうは考えないらしい。
●使う量(=買う量)が少ない人ほど、優遇する(単価が安い)様である。
文句を言っても仕方無いが、まあ、そう言う事なんだそうである。
参考までに、回答メールの説明を、そのまま以下に掲げておく(色付け等の強調は、私が付加したもの)。
まあ、一つ賢くなりました。東京電力様、有り難うございました。
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私どもの福島第一原子力発電所の事故により、今なお、発電所周辺地域をはじめとした福島県のみなさま、
広く社会のみなさまに大変なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、改めて心より深くお詫び申し上げます。
このたびは「電気使用量お知らせ」の表記についてのお問い合わせを頂き恐縮でございます。
まず、「1段階から3段階」とは電気をご使用頂いた機器や場所を表すものではございません。
ご家庭の電気料金は使用量によって単価が変わって参ります。
昭和のオイルショックの時代に国の審議会等で議論され導入した制度でございます。
省エネルギーの普及を目指した考えで、使用量が少ないほど単価がお安くなっている制度でございます。
具体的には1段階から3段階までの料金がございます。
○○様の3月の電気料金では531KWhご使用頂いたので、
第1段階:120KWh(0〜120KWh)
第2段階:180KWh(120〜300KWh)
第3段階:231KWh(300〜531KWh)
となっております。
ご理解頂けると幸いでございます。
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東京電力株式会社
お客さま相談室
電話:050-3066-3033
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ところで、上の内訳の中で、再エネ発電賦課金と言うのをご存じだろうか。
これは、再生可能エネルギー(風力発電とか太陽光発電とかで発電した電力)について、発電した全量を固定価格で電力会社が無条件で一定期間買い取ると言う制度(略称FIT)に基づき、
電力会社が買い取る資金を電力のユーザに負担させているお金のことである。
電力需要量に関係無く、発電したら全て高額で買い取ると言う制度であり、そのツケを国民に押しつける制度である。
東北大震災の後に、民主党)菅政権が作った制度である。
菅首相は本当にロクでもない事をしてくれたものである。
私も最近まで知らなかったのだが、「電力」と言うモノは蓄電技術が確立していないそうであり、
➪従って、貯めておくことが出来ないそうであり、
➪発電した電力は、即消費しなければならないのだそうである。
従って、電力会社は、刻々と変化する「ユーザの電力需要量に合わせて発電量を調整している」のだそうである。
つまり、常に、「発電量=消費量」となる様に、人が、24時間365日、張り付いて発電量を調整しているのだそうである。
「発電した電力+買い取った電力」は、貯められない以上は、電線に流すしかなく、
➪この量が大きくなり過ぎると、各家庭の家電製品が壊れる危険性さえあるらしいのである。
九州電力などは、「もう耐えられない」と言うことで、再生可能エネルギーの買取をストップしているらしい。
要するに、蓄電技術が無い現在、発電量=消費量を守らざるを得ない時に、
発電量が、「風」や「お日様の照り方」に依存して変わり、
発電量をコントロール出来ない再生可能エネルギーなど、実用に耐えられない
のである。
こういう実態を知らない人達が、「脱原発」を唱え、「再生可能エネルギーにしろ」などと騒いでいるのだから、本当に日本と言う国は平和である。
「脱原発」を続けるのなら。火力発電のための原油を輸入し続けるしかないのである。
とまあ、今日は電気にまつわる話をしてみました。おやすみなさい。
[オマケ]
以下は、月曜日に歩いた時のウォーキングコースに咲く桜である。三島市の桜堤という場所である。