東海道ふたり旅(12) 由比宿〜江尻宿(17:興津宿、18:江尻宿)


東海道ふたり旅(12) 由比宿〜江尻宿(17:興津宿、18:江尻宿)
時期:2008年9月13日(土) 晴れ
更新:2023年1月15日(日)
 
9:00、JR東海道線で本日の出発点・由比(ゆい)駅に到着。
お天気は良いのだが、うろこ雲が出ており薩った峠からの富士の姿を拝めるかどうかは微妙。
取りあえず、駅前から西に向かって旧東海道の旅を再開。
 
左手に駿河湾を臨む通りを200メートルほど進み、右折して旧道に入る。
緩やかに蛇行する旧東海道の道筋の両側には、格子戸のある家並みが続く。この辺りは間宿(あいのしゅく)である西倉沢宿であり、本陣脇本陣、富士山の眺望が良いために「望嶽亭」と呼ばれた休み処などが残っている。
 
やがて、道は二またに分かれ、分岐点に一里塚の石碑が立っている。右側の細い急勾配の登り道の方が旧東海道である。
山道の両側には蜜柑畑が続いており、収穫した蜜柑を運ぶ小型トロッコの単レールが何本も敷かれている。坂道にはトロッコから転げ落ちたと思われる夏蜜柑があちらこちらに潰れた状態で落ちている。
 
高度が上がり、眼下にはキラキラ光る駿河湾の海や東名高速の由比PAなどが見える。
 
やがて、薩った峠の駐車場に到着。そこから先は、蜜柑畑の中を伸びる、人が歩けるだけの細い道となる。
しばらく進むと展望台の櫓(やぐら)があり、あの有名な富士山、駿河湾、立体交差する国道1号と東名高速道の絶景が眼前に広がる。
歌川広重が描いた東海道五十三次の「由井薩った嶺」もこの辺りから描かれたものと言われている。
しかしながら残念なことに、今日はガスが掛かって富士山を拝むことは出来なかった。ここからの絶景は、澄んだ空気、富士の白雪という意味でも、秋か冬がお薦めだろう。
 
1 由比の通り(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
 
3 西長沢宿の道筋(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
4 小池邸(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
5 海側の風景。手前から東海道本線、国道1号、東名高速道路(2008.09.13撮影)静岡市清水区
 
6 間宿本陣跡(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
7 脇本陣柏屋跡(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
8 右の道が旧東海道。薩った峠へと登る。(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
9 望嶽亭藤屋跡(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
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11 江戸から40番目の一里塚「西倉沢一里塚」(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
12 併走する東名高速道と国道1号(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
13 薩った峠(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
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15 歌川広重の絵にもなった薩った峠の絶景。しかしながら富士山はガスで見えない。(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
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【2023/1/15追記】
ガスが掛かって無ければ、下の様に富士山が見える。(2010/11/27撮影)
 
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19 道端の蜜柑の木(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
20 晴れていれば富士山がこんなに綺麗に見えたのに(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
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23 暗い階段の道(正面の階段)を降りて抜けると墓地に出た(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
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26 どちらに曲がっても旧東海道(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
階段が整備された細い道を降りて行くと、旧東海道はやがて墓地に出る。墓地を抜けたところで十字路に出るのだが、標識を見ると右に進んでも興津(おきつ)、左に進んでも興津と書かれている。
果たしてどちらが旧東海道なのか、初めて行く人は悩むところである。私も事前に道を調べた際に悩んでしまった。
と言うのは、私の持っている旧東海道の本では右折、インターネットで調べた旧東海道マップでは左折となっており、どちらが本当なのか分からないのである。
しかしながら、さらに色々と調べた結果、問題は解決した。要するに、どちらも正しいのである。薩った峠からの道は、上道、中道、下道の三とおりの道が順次作られたそうであり、左折するのが下道、右折するのが中道なのだそうである。
我々は、敢えて遠回りである中道(右折)を選択した。ところがこの後、下った先の分かれ道で何度も迷い、二度、三度と進んだ道を戻ることになってしまった。
 
興津川に沿って南下し、東海道線のガードを潜ったところで大通りと合流。右折して興津川橋を渡る。
ちなみに、旧東海道では、ここは渡しで川を越えるので、道は途切れる。
 
橋を渡るとすぐに細い道に降りて民家の裏側を抜け、旧東海道の興津宿側の端点まで回る。
やがて旧東海道は国道1号(旧道)に合流する。
甲府に繋がる国道52号の起点交差点を渡ると興津宿の面影を残す広い通りとなり、江戸時代から残っていると思われる二階建ての古い家屋の店が並ぶ。
 
少し行くと、身延道の入口を示す石の道標が残っており、さらには一里塚本陣水口屋脇本陣と続く。
 
しばらく進むと、道の右手に清見寺の山門が現れる。
ここ清見寺は奈良時代に建立された由緒ある寺とのことであり、徳川家康が、まだ竹千代と呼ばれて今川の人質となっていた頃にも訪れた寺であるとか。
境内には芭蕉句碑、家康お手植えの梅「臥龍梅」、五百羅漢などがある。色々と見る物があると言うことで立ち寄ってみた。
 
27 土地改良の碑(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
28 [[川越(かわごし)]]遺跡(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
29 身延山道標(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
30 江戸から41番目の一里塚「興津一里塚」(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
31 興津宿の街並み(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
32 興津宿東本陣跡(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
33 脇本陣水口屋跡(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
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35 清見寺(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
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39 五百羅漢石像(2008.09.13撮影) 静岡市清水区清見寺
 
40 芭蕉句碑(2008.09.13撮影) 静岡市清水区清見寺
 
41 臥龍梅(2008.09.13撮影) 静岡市清水区清見寺
 
清見寺を出発し、更に道を西に進むと、やがて庵原(いはら)川にぶつかる。この川の向こう岸が江尻宿である。
 
興津宿と江尻宿の間は、僅か4キロしか離れていない。
本日のゴールは江尻宿と府中宿の中間くらいを考えていたのだが、その先の旅程と交通の便のことを考え直して、本日は江尻宿留まりにすることとした。(と言うのは建て前であり、実は、江尻宿(清水駅前)までで切り上げて、ビールを飲もうと言うことで夫婦の意見が一致したのである。)
 
JR清水駅前のレストランで昼食を取ったあと、駅の裏側にある清水港の魚市場に寄って買い物をしてから帰途に付く。
 
42 細井の松(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
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44 清水港(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
45 清水港の魚市場(2008.09.13撮影) 静岡市清水区
 
【データ】
■東海道歩行距離

今回  12.2km(由比宿〜江尻宿)
通算 171.2km

■利用交通機関

区間 交通機関
三島〜由比 JR東海・東海道本線(三島〜由比)
清水〜三島 JR東海・東海道本線(清水〜三島)

■費用

用途 金額
JR東海道本線 三島〜由比(2人分)
1,300円
JR東海道本線 清水〜三島(2人分)
1,640円
駐車場代(三島駅前)
1,000円
飲料(2人分)
260円
昼食、ビール(清水・「やすい軒」)(2人分)
3,960円
合計
8,160円
累計
86,218円

■立ち寄りポイント
本陣(西倉沢宿)
脇本陣柏屋跡(西倉沢宿)
望嶽亭藤屋跡(西倉沢宿)
西倉沢一里塚(西倉沢宿)
薩た峠(静岡市清水区)
身延山道標(興津宿)
興津一里塚(興津宿)
本陣(興津宿)
脇本陣水口屋跡(興津宿)
清見寺(興津宿)
細井の松原(江尻宿)
■通過した宿場
(17)興津宿
(18)江尻宿
 
【用語】
 
【地図】