8) 元箱根〜三島宿(10:箱根宿、11:三島宿)


東海道ふたり旅(8) 元箱根〜三島宿(10:箱根宿、11:三島宿)
2008年7月26日(土) 晴れ
更新:2020年6月22日(月) 雨
 
三島駅前から、東海バスで芦ノ湖湖畔の元箱根へ。
 
まだ9時過ぎとあって、観光地芦ノ湖にも人影はまばら。元箱根の赤い鳥居下から旧東海道の旅を再開。
 
すぐに左手に箱根の一里塚の石碑が現れ、その先から車道を左に逸れて並木の旧街道が伸びている。
太くて真っ直ぐに伸びる杉並木。昔の街道の面影をそのまま残しているところである。ここは、箱根に訪れる観光客が必ずと言って良いほど訪れる観光スポットになっている。
 
数百メートルの杉並木を通り抜けると今度は右に入る道があり、しばらく進むと箱根関所がある。
3年前に「国1の旅」で訪れた時は、関所は工事中であったが、今回はきれいにリニューアルされていた。
 
1 元箱根の赤い鳥居(2008.07.26撮影)神奈川県箱根町
 
2 江戸から24番目の一里塚「葭原久保一里塚」(2008.07.26撮影)神奈川県箱根町
 
3 箱根杉並木(2008.07.26撮影)神奈川県箱根町
 
 
 
 
 
8 箱根関所跡(2008.07.26撮影)神奈川県箱根町
 
 
10
 
関所から国道に出て、本日の唯一の難所である箱根峠を目指す。
 
国道が登りとなる直前の交差点を右折。国道の方は緩やかな登り道が蛇行する形となるが、旧東海道の方は、直線的に急勾配の石畳を登る。
朝一番の元気な身体なので何とか登って行けるが、これが午後の疲れた身体だったら大変な思いをするところであろう。
そして国道に出る直前の最後の登りは急な階段。これはさすがに効いた。
 
国道との合流点は、道の駅「箱根峠」の少し上である。目の前には箱根新道(有料道路)と国道1号線の合流箇所が見える。
横断歩道が無いので、車の流れに気をつけながら道を渡る。
 
旧東海道は一旦国道を左に外れてゴルフ場入口の道路を登り、途中から右に分岐して箱根峠交差点に降りる形となる。
国道をそのまま箱根峠まで直進した方が全然近いし、登り道を歩くことも無かったのだが、旧東海道の道筋がそうなっている以上、遠回りでも登り道でも行くしかなく、カミサンと目を合わせて苦笑い。
 
11 道に埋め込まれた道標(2008.07.26撮影)神奈川県箱根町
 
12 箱根峠に向けて急勾配の登り坂が始まる(向坂)(2008.07.26撮影)神奈川県箱根町
 
13 向坂(むこうさか)の石碑(2008.07.26撮影)神奈川県箱根町
 
14 挟石坂(はさみいしさか)の石碑(2008.07.26撮影)神奈川県箱根町
 
15 箱根峠(2008.07.26撮影)神奈川県・静岡県
 
箱根峠。いよいよ静岡県である。
 
旧東海道は、国道と並行して伸びている。道の右側に何体かのオブジェが並んでいたので近づいたところ、橋田壽賀子さん、黒柳徹子さん、橋本聖子さんといった有名人の名前が付いていた。何かの記念なのだろう。
オブジェを過ぎると、旧東海道は国道から右に分岐する旧道となる。
 
旧道をしばらく進むと、茨ケ平(ばらがだいら)と書かれた説明パネルがあり、そこから旧東海道は旧道から左に分かれて険しい下りの山道となる。
笹のトンネルの中を下る旧東海道、空気がひんやりしてとても気持が良い。
 
しばらく坂道を降りていると、先を歩いていたカミサンが「キャーッ」と叫び立ち止まる。遂に蛇が出たかと思いきや、大きなガマカエルであった。
前回と今回、蛇除けのために富士登山の時に使った金剛杖を持参しているのだが、これでガマを追い払う。
 
接待茶屋跡のところで一旦国道に出て、再び山道に入るとすぐ、右手に兜の形をした大きな石が現れる。
何でも、秀吉が小田原城攻めの際に兜を置いた石だとか。兜石跡と書かれた石碑が横に立っていた。
 
しばらくは、石畳の下り坂と国道1号が右に左に交差する形で絡まりあって伸びる。
途中、山中城跡と山中の集落を通り、いよいよ三島の街が眼下に広がるところまで降りてきた。
 
そろそろお腹が空いてきたので、休息の場を探しながら歩く。
富士見平の芭蕉句碑の辺りが良いかと思っていたのだが、日陰がなくて断念。
さらに降りて行くと、笹原一里塚の下が日陰となっていたので、そこで昼食を取ることにした。
今回も途中に食事処が無いことを見込んで、お握りを持参。
ところが、前回とは異なり流れる沢もなく、おまけに蚊の大群がつきまとう始末であり、落ち着いて食を取る気分にもならない。僅か10分ほどて急いで食事を済ませ出発。
 
16 新箱根八里記念碑(2008.07.26撮影)静岡県
 
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19 江戸へ二十五里、京へ百里の道標(2008.07.26撮影)静岡県
 
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23 甲(かぶと)石(2008.07.26撮影)静岡県
 
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25 接待茶屋跡(2008.07.26撮影)静岡県
 
26 徳川有徳公遺跡碑(2008.07.26撮影)静岡県
 
27 三島市に入る(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
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29 山中城趾(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
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31 復元された石畳(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
32 箱根八里記念碑(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
33 芭蕉句碑(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
34 江戸から27番目の一里塚「笹原一里塚」(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
笹原一里塚を過ぎると、道は石畳からアスファルトに変わる。何とも急な坂道である。
 
やがて、三ツ谷の集落に抜けて旧東海道はバス通りとなる。
カミサンの歩くペースが少し落ちて来た。どうしたのか聞いたところ、急いで食べた後にすぐに歩き出したのでお腹が痛いとのこと。
少し歩くペースを落とす。段々痛み治まって来た様だ。
 
塚原新田の交差点で国道1号と合流。この辺りは、3年前に歩いた時から工事がまだ続いている。東駿河湾環状道路と言うのが、もう10年前から工事をしているのだが、一向に完成しないのである。
道路工事のお陰で、旧東海道の箱根路の碑も立入禁止区域となり、近くで見ることが出来ず。仕方がないので国道の反対側から写真だけ撮る。
 
錦田の町に入ると、国道沿いに再び石畳の道が現れる。この辺りは、もう三島市の市街地である。五本松の交差点で旧東海道は国道から右に分かれる。JR東海道線の踏切を渡り大場川の橋を渡ると、もう三島大社はすぐ。
 
35 三ツ谷新田の通りに出て来た旧東海道(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
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37 七面堂旧址(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
38 工事中で近寄れない箱根路の碑(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
39 江戸から28番目の一里塚「錦田一里塚」(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
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41 国道1号の松並木と併走する旧東海道の石畳(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
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43 三島大社に到着(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
三島大社にて旅の安全祈願をして、境内にある茶店で氷アイスを食べる。氷の冷たさに、またまた頭がツーン。
 
本日のゴールは、三島本町交差点までと決めていたのだが、本町から旧東海道を外れて駐車場に車を置いてある三島駅まで歩くより、少し先の広小路交差点まで旧東海道を歩いた方が近いし、歩かなくても伊豆箱根鉄道を使って三島駅まで行けるので、夫婦の意見が一致。下り道とは言え、登りと同様以上に疲労が脚に来ていたのである。
 
本町交差点を渡ると、右側に世古本陣、左側に樋口本陣が残っている。
と言うか、20年以上三島に住んでいるが、こんなものが残っていたとは今まで全く気が付かなかった。お恥ずかしい次第である。
 
しばらく進むと、道の左手に鰻の老舗「桜屋」がある。土用丑の日は過ぎたが、店の前には順番待ちの客の姿があった。
 
広小路駅から一駅であるが、電車で三島駅に移動し、車で日帰り温泉に向かう。
 
三島まで到達したので一区切りつけ、暑い夏はお休みし、8月下旬から旅を再開する予定である。
 
44 三島宿問屋場跡(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
45 世古本陣跡(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
46 樋口本陣跡(2008.07.26撮影)静岡県三島市
 
【データ】
■東海道歩行距離

今回  16.3km(元箱根〜三島宿)
通算 117.0km

■利用交通機関

区間 交通機関
三島〜元箱根 東海バス(三島駅〜元箱根)
三島広小路〜三島駅 伊豆箱根鉄道(広小路〜三島駅)

■費用

用途 金額
東海バス 三島駅〜元箱根(2人分)
2,000円
伊豆箱根鉄道 広小路〜三島駅(2人分)
260円
駐車場代(三島駅前)
1,400円
飲料(2人分)
430円
氷アイス(三島大社)(2人分)
1,000円
合計
5,090円
累計
64,405円

■立ち寄りポイント
葭原久保一里塚(箱根町 元箱根)
箱根杉並木(箱根町)
箱根関所(箱根町)
接待茶屋跡(静岡県)
(かぶと)(静岡県)
山中城趾(静岡県 三島市)
芭蕉句碑(静岡県 三島市)
笹原一里塚(静岡県 三島市)
箱根路の碑(静岡県 三島市)
錦田一里塚(静岡県 三島市)
三島大社(三島宿)
世古本陣(三島宿)
樋口本陣(三島宿)
■通過した宿場
(9)箱根宿
(10)三島宿
 
【用語】
関所
交通の要所に設置された施設。検問などを行う。江戸時代には、入り鉄砲、出女などを取り締まった。
 
【地図】