お散歩五郎の徒然草 (15) 〜新旧お江戸めぐり〜
2007年5月1日(火)~5月2日(水)
ここ4〜5年、5月1日は夫婦で東京を散策するのが習慣になっている。今年は、昨年に続き1泊2日の散策を楽しむ。
5月1日の天気予報は、あいにく午後から雨。9時前の三島始発新幹線で東京へ。
■神楽坂(かぐらざか)
最初の訪問地・飯田橋に降り立った時には、早くも雨粒が落ちてきた。
JR飯田橋駅の前から伸びている神楽坂は、最近の人気スポットだとか。雨模様の平日だと言うのに、カメラを手にした観光客の姿をあちこちに見ることが出来る。
神楽坂の通りから狭い路地に足を踏み入れると、石畳の小径の両側には黒塀の料亭や小料理屋がひっそりと店を構えていて、なかなかの風情である。今日は、時間的に早過ぎて店がまだ開いていなかったが、今度来る時には、是非、懐石料理を肴に盃を傾けたいものだ。
■六本木
都営地下鉄大江戸線で次の訪問地・六本木へ。
防衛庁跡地に今年オープンしたという東京ミッドタウン。
お昼時であったためか、どのレストランも長蛇の列である。お腹の虫が待ってくれそうにないため、ミッドタウンでの食事は諦め、一旦外に出て、アマンド近くの店で昼食を済ませる。
六本木ヒルズの時もそうであったが、ここ東京ミッドタウンでも、初めての訪問では何処に何があるのか、パンフレットをいくら見ても分からない。レイアウト図は書かれているのだが、そもそも、自分の立っている位置がレイアウト図の何処なのかが分からないことには、パンフレットは何の役にも立たないのである。
2時間半ほど掛けて、タウン内の店を一通り回ってみたが、残念ながら気を引く店は殆ど無かった。
一つだけ印象に残ったのは、地下1階にあるフルーツの店での果物の展示の仕方である。あんなディスプレイの仕方があるのかと感心させられた。これから行かれる方は一度立ち寄ってみるのも良いかもしれない。
■お台場
大江戸線で六本木から汐留に回り、ゆりかもめに乗り継いで本日最後の訪問地・お台場へ。
アクアシティ3階のレストランに入り、冷たいビールで喉を潤しながら、ガラス越しに夕暮れ前のレインボーブリッジを楽しむ。
話は変わるが、ガラス越しと言えば、ガラス張りの店の前を通るたびに何時も思うのは、通行人から丸見えなのに、良く平気で外に向かって座り食事が出来るなあと言うことだったのだが、今日、自分がその立場になって初めて納得できた。
店の中にいる自分は、外から見物されているという意識よりも、自分の方が外の通行人を見物しているという意識でいる様だ。全く人間というものは、自己中心的な生き物である。
夜景が楽しめる時間帯になったので、5階に移動して夕食を取ることに。
本日の夕食は、夜景の綺麗なイタリアンの店「TO THE HERBS」である。この店を選んだ理由は、実は夜景の美しさではない。4月から、この店で長男(謙太郎)がバイトをしているので、夫婦で様子を見に来たのである。
「いらっしゃいませ」と迎えたあとに、我々だと気が付いた様だが、それでも、言葉遣いを変えることなく接待する息子に、我々の方が照れくさい様な嬉しい様な心持ちであった。
この店の売り物であるピザとパスタに加え、ワインをボトルで注文。ところが、ボトルの注文を受けたのは息子には初体験だったらしく、思うようにコルクが抜けない。見かねた店長が、助け船を出してくれた。
こうなると、何とか抜ける様になるのを手助けするのが親の勤め・・・と言う訳でもないが、何とボトル1本軽く空けて2本目を注文。この間、奥で店長から指導を受けた息子は、ぎこちないながらも、2本目は何とか開けることが出来た。
2時間ほど、料理とワインと息子の働きぶりを楽しんだあと、本日の宿・有明ワシントンホテルにcheck in.
■東京湾クルーズ
翌朝は、朝食を取ったあと、東京ビッグサイトから出ている水上バスに乗り、東京湾クルーズを楽しむという計画である。クルーズの終点は日の出桟橋である。
平日の始発便とあって、水上バスは我々夫婦だけの貸切状態であった。
少しガスの掛かった東京湾であったが、好天に恵まれ気持の良いクルーズであった。
日の出桟橋で隅田川ラインの船に乗り換え、今度は、浅草まで隅田川に架かる橋を巡る旅を楽しむ。
■浅草
浅草の街は、いつ来ても沢山の人出である。今日も仲見世通りは真っ直ぐ歩けないほどの混みようである。外国人観光客が多いのは予想していたが、高校生や若い女性が多いのは予想外であった。
昼食は、いつも列を作っているので諦めて未だ食べたことのない大黒家の天丼を食べることに決めていた。
天丼なんて、どこの店もそう変わりはしないだろうと考えていたのだが、ここの天丼は香ばしくて美味かった。この香ばしさは、ごま油を使っているのだろう。
しかし、カミサン曰く、ごま油は焦げやすいので、天麩羅に使うのは難しいとのこと。多分、揚げ方に隠された秘密があるのだろう。
■柴又・帝釈天
都営地下鉄浅草線、京成電鉄金町線と乗り継いで、葛飾柴又の帝釈天へ。
カミサンは、学生時代の4年間、東京暮らしをしていたのだが、浅草にも柴又にも行ったことがないと言うので、今回はこのコースを選んだ訳である。
柴又帝釈天・題経寺(だいきょうじ)から江戸川へと、寅さんの映画に出てくる場所を観光したあと、最後は「とらや」に寄って草だんごをお土産に買い求める。
今年は、神楽坂、東京ミッドタウン、お台場、浅草、柴又と、東京の新旧両方を散策するコースであったが、東京の色んな一面を見ることが出来て、カミサンには大満足の旅だった様だ。
最後は、日本橋三越でお惣菜を買って帰途に着く。