運送業の人手不足、その原因である低賃金に政府が漸く腰を上げる


運送業の人手不足、その原因である低賃金に政府が漸く腰を上げる
2016年8月21日(日) 晴れ
更新:2024年6月15日(土)
 
私も運送屋の息子なので、運送業に関する情報には目が行く。
 
私の父は、徳島県の生まれであり、若い頃(戦地からの復員後)は、遠洋漁業の基地でもあり、徳島の出身者も多く集まっていた福岡(博多港)に出て来て、漁船に乗っていたそうである。
 
福岡で母と出会い、結婚して兄、姉が生まれた後、当時、韓国による日本海での漁船拿捕(だほ)事件が頻発する様になったのを機に、漁業に見切りを付けて、心機一転、大阪に出て働いたそうであるが、大阪時代に取得した自動車の運転免許を活かして、福岡に戻ってからは、オート三輪と呼ばれていたオートバイに荷台を付けた様な貨物自動車で、港に陸揚げされる鮮魚を、福岡市内の魚屋さんに配達する仕事をしていた。
多分、私が生まれたのも、その頃だと思う。まあ、これがウチの家系の運送屋の始まりである。
 
そして、私が幼稚園児の時(1959年)に、義父(母の父)と共同で、運送会社を創業し、現在に至っている。
その父は、19年前(2005年)に他界し、現在は兄が社長である。
 
【2024/6/15追記】
兄も5年前(2019年)に他界し、現在は、甥(兄の長男)が、社長を継いでいる。
 
株式は非上場なので、株主は全員親族であるが、ここ数年、株主総会で話題になるのが、人手不足である。
NHKの「クローズアップ現代」でも、昨年、”ヤマト運輸(クロネコヤマト)が深刻な人手不足”というテーマを扱っていたので、運送業界での人手不足は、大手から中小まで共通した課題になっている様である。
 
運送業での主要な経営課題は、原価に占める比率が大きい燃料の価格変動と、人手不足だそうである。
 
燃料については、化石燃料(いつかは枯渇する燃料)と言う触れ込みで、意図的に原油価格を操作して、世界の石油産業を支配して来たロックフェラー財閥だったが、
 ●嘘がバレて、石油は化石燃料ではなく、現在も地下で新たに生成され続けていることが判明した事、
 ●米国のシェールオイル産業の台頭を阻止するために、中東が、意図的に原油価格を引き下げて来た事、
 ●核開発問題で制裁を受けていたイランが、昨夏に米国と和解して、原油の供給を再開させた事
などにより、原油価格は、ひと頃に比べて格段に下がって来ていて、今後も、過去の様な原油価格高騰はもう無い
と言われているので、運送業界としては、現在一番大きな悩みの種は、人手不足である。
 
10年以上デフレ(需要供給)が続いている日本であるが、運送業に限っては、インフレ(需要供給)状態らしい
 
今年の株主総会でも説明があったが、
 ●とにかく、注文はあっても人手が足りないので、全車両を稼働させる事ができず
  傭車で対応しているとの事。
 
結果、自社のトラックを遊ばせる事になり、1台当たり●●(金額は忘れた)の損失なのだそうである。
 
インフレ(需要供給)であれば、理屈から言って、普通は価格が上がるものだが、運送業においては、その理屈が通らないらしい。
つまり、
 ●荷主さんと運送業者の力関係、
 ●適正価格を保障する様な国の基準整備が遅れている事などの様である。
 
以下の記事は、こうした
 ●運送業界の人手不足と、
 ●その原因の一つである低賃金について、
政府が、ようやく腰を上げて検討会を立ち上げるそうである。
 
検討会の座長は内閣官房参与の一人である京都大学の藤井聡教授である。
藤井聡さんと言えば、デフレ脱却のための各種の提言をされている方であり、
経済学者ではないが そこいらの経済学者よりも経世済民(経済)に明るい方である。
成果を期待したい。
 
とにかく、「荷主さんが、適正な運賃を払いたがらない」と言うのが、根本原因らしく、そこを法制等でブレークスルーして戴きたいものである。
 
 快適な日常生活の「大黒柱」である運送サービスについて考える
 
【2024/6/15追記】
上の、国による法整備(低賃金問題等)の一環なのかも知れないが、今現在で運送業界で最大の課題は、人手不足にも関係すると思うが、労働時間の問題(物流の2024年問題)であるらしい。
 
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