上高地の秋


上高地の秋
2011年10月28(金)~10月29日(土) 晴れ
更新:2023年9月23日(土)
 
16年ぶりに秋の上高地へ行って来た。上高地へは、高校の修学旅行(1971/10)家族旅行(1995/10)に続き、3回目となる。
元々は、先週末に行く予定であったのだが、あいにくの雨模様だったため1週間ずらしたのである。
 
金曜の夜、会社から帰ったあと、22時前に車で三島の自宅を出発。
御殿場から東富士五湖道路で河口湖ICまで進み、精進湖(しょうじこ)沿いに甲府側に降りて、甲府南ICから中央自動車道に乗って松本へ。
松本ICを下りてからは、1時間弱で沢渡(さわんど)の駐車場に到着。深夜の2時頃である。
 
駐車場には、既に数十台の車が止まっており、夜明けを待っている様であった。
ご存じと思うが、上高地は自然保護のために一般車両の乗り入れが禁止されているので、車で上高地に行く場合は、ここ沢渡か平湯温泉の駐車場に車を置いて、バスかタクシーで上高地まで登るしかないのである。
 
1 早朝5時の沢渡(さわんど)駐車場。車には霜が降りている
 
 
車で数時間仮眠したあと、外を見たら灯りと何人かの人影が見えたので、様子を見に外に出る。夜空には満天の星が輝いており、本日は絶好の行楽日和になりそうである。
人影は、駐車場の人とタクシーの運転手さんであった。始発のバスが到着するのは5:40なのだが、タクシーなら釜トンネルのゲートが開く4:55から上高地に登れるし、4人集まれば一人当たり1,000円なので、1,200円のバス代より安くなるとのこと。
ちょうど二人の人がバスを待っていたので、タクシーに相乗りして上高地に出発。
 
タクシーの中では、運転手さんが上高地の最新情報をガイドしてくれるし、同乗のお二方も上高地には何度も足を運ばれている(つう)の方らしく、上高地のことを良くご存じで、会話を聞いているだけで色々な情報を得ることができた。
それによると、今年の紅葉は全く駄目だったらしく、私は、一週間ずらしたので紅葉ピークが過ぎたかと悔やんでいたのだが、結局、先週来ていたとしても同じだった事が分かり、サッパリした。
また、上高地では、先日の大型台風の影響により、土砂崩れと土石流が発生し大変だったらしく、釜トンネルが土砂で埋まって上高地には登れなかったらしい。
 
我々夫婦は、大正池のところでタクシーを降り、大正池の湖畔へ。
早朝5時半の大正池は、夜明け前で真っ暗であったが、湖畔には既に数十名の来訪者が集まっており、三脚にカメラを構えて夜明けを待っていた。
 
やがて、焼岳(やけだけ)の頂上部分がかすかにブルーに変わり始め、日の出が近づきつつあるのが分かった。
 
3 焼岳(やけだけ)の頂上がかすかに明るくなって来た
 
 
5 夜明けを待つ大正池
 
そして、徐々に辺りが明るくなり、大正池の水面からは朝靄(あさもや)が立ちのぼり始めた。何とも神秘的で美しい光景であり、何度シャッターを切ったか分からない程である。
水際にはカモが歩き回っており、人を警戒する気配が全くない。毎日の様に訪れる観光客に慣れてしまったのだろう。
 
6 朝靄が立ちのぼる大正池
 
 
8 湖面に映る夜明けの焼岳
 
 
10 水際を泳ぐカモ
 
11 大正池より夜明けの涸沢(からさわ)カールを望む
 
夜明けの大正池を堪能したあと、自然探勝路を河童橋に向けて歩く。
 
12 自然探勝路を進み河童橋を目指す
 
13 自然探勝路から見える焼岳
 
探勝路の途中には田代池があるが、タクシーの運転手さんが「樹氷が美しい」と言っていたとおり、田代池の近辺は、木々に霜が降りて白い世界が広がっていた。ここでも何枚かの写真を撮る。
 
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15 梓川の流れ
 
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17 白く霜化粧した自然探勝路
 
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ところが、ここでショッキングな事態が発生してしまった。構えたカメラのシャッターが何度押しても降りないのである。
何かトラブルでも起きたのかと液晶表示パネルを見たところ、何と電池切れのサインが・・・。
電池の充電は先日行ったばかりなので、今回はまだ大丈夫だろうと思い、出発前には充電しなかったのであるが、まさかこの絶景の地・上高地に来て、しかも絶好のビューポイントである河童橋まで行く前に電池切れとは、大ショックである。
幾ら悔やんでも悔やみ切れないが、仕方がないので以降はカミサンのカメラに頼ることに。
  
19 電池切れの瞬間。ショック!
 
20 田代池
 
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23 ウェストン碑
 
ウェストン碑を過ぎて、ようやく河童橋に到着。
河原に下りて、カミサンに正面から河童橋を撮って貰う。撮影ポイントは私が指定する。自分で好きなアングル、好きなズームで撮ることはできないが、ここから撮ってと言うだけでカミサンが撮影してくれるので楽ちんで良い。ちなみに、写真家の篠山紀信さんも、最近は指示を出して弟子に撮らせることがあるとか。
 
24 河童橋
 
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26 河童橋からの涸沢カール
 
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河童橋近くの店で、アップルパイとコーヒーを注文して一息入れたあと、3キロ奥にある明神池まで足を延ばすことに。
この明神池には16年前にも訪れたのだが、その節に、明神池の傍にある嘉門次小屋と言う休憩処で、3人の子供達が、岩魚の塩焼きを何匹も貪り食べたのが思い出される。
 
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30 穂高神社奥宮参道
 
31 穂高神社奥宮
 
32 明神橋
 
33 嘉門次小屋
 
34 上條嘉門次レリーフ
 
35 明神池
 
明神池を散策したあとは、今度は梓川の反対側の岸の道を通って河童橋まで戻る。
こちら側には、木道が所々整備されている。
 
大正池から河童橋までの探勝路に加えて、明神池〜河童橋の往復6キロのウォーキングはさすがに疲れた。トータルで10キロは超えたと思うが、膝はガクガクであり、気温が上昇して来たので、最後は上着を脱いでのウォーキングとなった。
深夜の沢渡駐車場は恐らく氷点下2〜4度まで下がったと思われる寒さであったが、昼間の上高地は15度を超える気温まで上がったのではなかろうか。
 
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午前中で上高地の散策を終え、復路は12:00発のバスで沢渡まで降りる。
 
沢渡で手打ち蕎麦の昼食を取ったあと、近くにある日帰り温泉で汗を流す。真っ昼間の観光地の駐車場地区と言うこともあり、温泉は我々夫婦の貸切状態であった。
入浴料金はJAF割引が効いて500円と言う安さであり、露天風呂からは山々の紅葉を眺めることができ、なかなかのものであった。
 
37 沢渡の日帰り温泉
 
38 駐車場の番犬
 
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14時過ぎに沢渡を出発して、帰途に着く。
三島の自宅に到着したのは、夕方の18時頃であった。高速道路を使うと、上高地は結構近いと言うことを再認識した。これからも、時々は訪れたいものである。
 
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41 帰り道の河口湖ICから見える富士山