伊勢志摩の旅 2010
2010年2月12日(金)~2月14日(日)
❏2月12日(金) 晴れ
飛び石連休の中日、本日は用事があって年次休暇を取っている。
朝一番で用事を済ませたあと、10:30に出先から直接旅に出る。今回の旅は、定年退職記念として、会社から贈られた旅行券5万円を使っての旅である。但し、旅行券とは言っても、グループ会社のマイナーな旅行券なので、利用できる施設は多くない。会社の保養所でなら使えるので、今回は鳥羽(三重県)にある会社の保養所に2泊する旅を企画した訳である。
夫婦で連泊して、宿泊費がちょうど5万円程度。交通費と昼食代は家計からの出費である。
沼津ICから東名高速に乗り、三重県の鳥羽へ。
途中、浜名湖SAで休憩した後、予定より早く15時前には鳥羽に到着した。
時間に余裕が出来たので、最終日に予定していたミキモト真珠島の観光を前倒すことにした。
真珠島へは橋で繋がっていて車で行けるものと思っていたのだが、行ってみると、島へは高架の連絡通路しかなく、本土側の入口で入場券を買ってから連絡通路を渡る様になっていた。
島には、世界で初めて真珠の養殖に成功した御木本(みきもと)幸吉の銅像や、真珠博物館、パールプラザ(展示販売場)などがある。
3時より海女(あま)さんの実演があると言うので、見学する事にした。
かなり寒い日であったが、海女さんたちは、船から海中に飛び込み、アワビを採る実演をしてくれた。
そのあとは、パールプラザを見学。私は真珠の美術工芸品を見るのが目的だったのだが、どうやらカミサンの目当ては宝飾品の方らしい。
男の私は、これまで、真珠と言えば白と黒しか知らなかったのだが、オレンジやピンクもあることを初めて知った。
カミサンを見ると、目を輝かせて見学モードから既に購入モードに入っている様に思われ、それではと、私もモードを切り替えてジックリと品定めを始める。
せっかく本家本元で買うのだから、清水(きよみず)の舞台から飛び降りる覚悟でと思い、小市民には少しお値段の張るクラスから選んだ結果、そこそこの粒の大きさでピンク色のネックレスで良いのが見つかった。
ここ真珠島では、東京のミキモトとは別に「真珠島」ブランドと言うのがあるそうであり、ミキモトの方は全国統一価格が決まっているのに対し、真珠島ブランドの商品は値段も商品も真珠島独自に決められているそうである。
良い真珠が沢山獲れた年の商品は値付けが安くなるし、逆に少ない年は高い値付けになるとか。
私が選んだのは、店員さんが奥から出してきた非展示品であり、展示品より品質が良くて値段が少し安いものである。どうしてその様な値段の逆転現象が起こるのかと尋ねた時に、教えてくれたのが、前記の値付けの内情(各年の獲れる量に紐付けされて値段も変動する)との事である。
私は、もう殆どそれを買う気になっていたのだが、カミサンがイマイチ渋り、ウンと言わない。
結局、カミサンが選んだのは、最近人気が出ているという淡水真珠のネックレスである。値段は、私が選んだのよりも1桁安いのだが、それでも5万円台。
通常の真珠は、丸いタマ(核)をアコヤ貝などの貝に植え付けて造るのだそうだが、淡水真珠は核を入れないそうであり、従って形もまん丸ではない。
ちなみに、店を出たあと、「あっちの方が良かったんじゃない?」とカミサンに聞いたところ、ダイヤなど自然石の宝石なら思い切って散財する気になるかもしれないけど、たかが人工で造った真珠に何十万も散財するのは勿体ないとのこと。
ナルホドと納得してしまった。
それにしても、ミキモト真珠島は、駐車場料金を取って、入場料を取って、そして高い買い物をさせるのだから、全くイイ商売をしている。
4時過ぎに、鳥羽の安楽島(あらしま)にある会社の保養所にチェックイン。
部屋からの鳥羽湾の眺望は抜群であり、ずっと見ていても飽きない眺めであった。
❏2月13日(土) 晴れ
本日は、二見浦と伊勢神宮を観光する。
最初に二見浦を訪れた。
風の冷たい日であったが、良く晴れて気持ちの良いお天気である。名物の夫婦岩の前では、観光客が交互に写真撮影をしている。
次に訪れたのは、今回の観光のメインである伊勢神宮である。
伊勢神宮は、外宮(げくう)と内宮(ないくう)の二つがあり、外宮と内宮の間は何㎞か離れている。
お参りする順番は、外宮から内宮の順番なのだそうである。
まずは外宮の方へ。
運良く、余り待つことなく車を駐車場に入れることができ、早速、参拝。
さすが神社の総本山と言う事で格が高いのか、通常の神社の様に神殿のすぐ前まで入るというのは許されておらず、門の外からお参りすると言う形である。
写真撮影も禁止である。
外宮をあとに、車で内宮へ。
ところが、こちらは、手前の交差点のところで「神宮前駐車場は満車」のパネルを持った係員が立っており、簡単に駐車場に入れそうにない。
おはらい町の手前にある市営の大駐車場に入れようとしたが、こちらも入口に長蛇の列が出来ており、並んで駐車場に入ったものの、空きが無い。
駐車場を抜けて、五十鈴川の河川敷を利用した臨時駐車場に降りたが、こちらも満車に近い状態であり、一番奥の列にようやく空きを見つけて駐車。
内宮までは、おはらい町を通り抜けて20分以上は掛かりそうである。飛び石連休とあってか、おはらい町はもの凄い人出であった。
12時を少し過ぎていたが、お参りを先に済ませたいので、食事処を物色しながら内宮へと進む。
おはらい町を抜けると、左手に内宮への入口・宇治橋が見えてくる。
宇治橋は、神宮式年遷宮(20年周期)の4年前に架け替えられる習わしになっているそうであり、昨年、新しく架け替えられたばかりである。
こちらも、もの凄い数の人が渡っており、人の流れに押されて前に進むだけである。
こんもりとした木々の中を続く参道を奥に進んで行くと、御正宮(ごしょうぐう)への石段の下に到着。
何と、もの凄い人溜まりが出来ており、数分ごとにトコロテン式に一段ずつ階段を上に進むという状態であった。階段の下から正宮の前まで到達するのに30分は要したのではないか。
お参りを済ませたあとは、再び、おはらい町に戻り、腹ごしらえ。
色々と美味しそうな物が出ているので、ひと所で食事する考えは捨て、色んなものをつまみ食いすることにした。
まずは、松阪牛の串焼きと松阪牛コロッケを食す。
次に、海鮮串焼き、最後は名物伊勢うどんを食べる。これが美味かった。うどんの麺は福岡の「牧のうどん」に似た柔らか麺であり、これに甘口の味付けがされた醤油の様な汁が掛かっているというシンプルなうどんである。
伊勢うどんの店を出て少し進むと、店先で日本酒を飲ませている酒屋があった。灘の酒「白鷹」が出されていたが、これが伊勢神宮で使われている酒なのだそうである。
本日は車のため飲めないが、宿に帰ってから飲もうと思い、5合瓶とぐい飲み2個を購入。底に渦巻きが書かれた試飲用に使われるぐい飲みであり、1個9百円という結構なお値段。こういう立派なぐい飲みで飲むと、さぞかし酒が美味かろうと思っていたので、どちらかと言うと酒はオマケで、ぐい飲みを買うのが目的だった。
天ぷら(薩摩揚げ)屋さんで、お酒のつまみにタコ天、チーズ天、海老マヨ天を買い求める。
赤福は、ここおはらい町が本家だが、本店の前には長蛇の列が出来ていたので、最初からここに並んで買う気は毛頭ない。
最後に立ち寄ったのは、彫り物を売っている露店商。往きに気がついていたので、帰りに寄ろうと思っていたのである。
最近、七福神に懲り始めたのだが、恵比須さんと大黒さんの彫り物が特価で出ていたので、気になっていたのだ。
結局、これを買い求め、おはらい町を退散。『お土産は控えめに』と固く決意していたのに、現地に来てしまうと、つい気が大きくなってしまう悪いクセ。年中ふところが寂しい原因である。
伊勢街道を南下して志摩方面に進み、的矢(まとや)湾大橋の手前からパールロードに入って鳥羽方面に戻る。
パールラインからの眺めは素晴らしく、所々に整備されているパーキングに止まっては景色を楽しむ。
鳥羽の保養所に戻って、早速、天ぷらを肴に清酒白鷹を飲む。
この日は、夕食でもワインと清酒八海山を飲み、いささか飲み過ぎてしまった。
❏2月14日(日) くもり
本日は、予定していた真珠島もパールロードも前日までに回ってしまったので、お昼の予約以外に行くところが何処もない。
チェックアウト時間の10時まで部屋でのんびり過ごし、2時間ほど、再びパールロードを走ることにした。
的矢湾大橋からの眺望を楽しんだあと、道の駅「伊勢志摩」で買い物をしてから、浦村牡蠣の食べ放題を予約している浦村町「山安水産」へ。
狭い道を抜けて、海辺に出たところにある山安水産。行ってみると駐車場は満杯であり、百人は越えようかという人達が煙りを上げながら焼き牡蠣を食べていた。
12時半に予約していたのだが、団体さんが入ったとかで、食べ始めたのは13時を回っていた。
我々が選んだメニューは、「詰め放題」のメニューであり、一人2,100円でバケツに牡蠣を詰め放題である。詰めた牡蠣は、焼いて食べるなり、残りは持って帰るなり自由である。
煙が目に滲みるのは辛かったが、焼き牡蠣は、何も味付けしないのに塩味が効いて実に美味かった。
牡蠣ごはん、牡蠣味噌汁、牡蠣佃煮がサービスで付いていて、1時間掛けて焼き牡蠣を食べたが、15個前後で満腹。あとは袋に詰めて持ち帰ることにした。
復路は、鳥羽港から出ているフェリーを利用。55分の船旅で愛知県渥美半島の伊良子港に行ける。
ここから浜松までは、僅か70㎞の道のりである。
帰りに、浜松に住む二男のアパートに寄り、夕食を共にしてから三島に帰還。
伊勢志摩は、私にとっては初めての訪問地であったが、なかなか良かった。伊勢神宮、日本人なら一度は訪れたい地である。