東海道ふたり旅(24) 桑名宿〜関宿(43:四日市宿、44:石薬師宿、45:庄野宿、46:亀山宿、47:関宿)


東海道ふたり旅(24) 桑名宿〜関宿(43:四日市宿、44:石薬師宿、45:庄野宿、46:亀山宿、47:関宿)
2009年6月6日(土)~6月7日(日)
更新:2020年6月28日(日)
 
❏6月6日(土) 晴れ
7:27発の「こだま」で三島駅を出発。この時間だと、新幹線はガラガラである。
 
名古屋から近鉄名古屋線に乗り換え、桑名の次の駅・益生(ますお)へ。
 
本日は各駅停車の電車であるが、近鉄は停車時間が非常に短い。ドアが開いたかと思うと、10秒足らずで閉まってしまうので、乗り降りは迅速に行う必要がある。もっとも、先を急ぐ乗客にとっては有り難いことである。
それに引き替え、新幹線こだま号の停車時間は、何とかして欲しいものである。三島を出た新幹線は、名古屋に到着するまでの殆ど全ての駅で、5分の通過待ちが入る。
殆どと言うのは、掛川以外の全ての駅(新富士、静岡、浜松、豊橋、三河安城)のことである。もう勘弁して欲しい。
 
さて、話を戻して、益生の駅を降り立ち、踏切を渡ろうとしたところ、いきなりJR関西本線の上下、近鉄線の上下の計4本の電車に引っ掛かってしまった。戸塚駅(横浜)並みの開かずの踏切である。
2週間前に旅を中断した矢田立場跡の地点まで進み、旅を再開。ここからの旧東海道は住宅街の道であり、南に延びている。
 
道を進むうちに、道はやがて員弁川(いなべがわ)にぶつかる。
ここから先には橋があったのかもしれないが、現在は、対岸まで旧東海道は分断されているため、迂回して町屋橋を渡り、対岸の旧東海道地点に戻る。
 
JR関西本線とほぼ並行して南西に延びる旧東海道の景色は、やがて田園地帯となり、やがて富田(とみだ)の町へと入って行く。
 
1 江場松原跡 (2009.06.06撮影) 桑名市
 
2 伊勢両宮常夜灯 (2009.06.06撮影) 桑名市
 
 
4 員弁(いなべ)川 (2009.06.06撮影) 桑名市/朝日町
 
5 江戸から97番目の一里塚「縄生一里塚」 (2009.06.06撮影) 三重県朝日町
 
6 多賀大社の常夜灯 (2009.06.06撮影) 三重県朝日町
 
7 鏡ヶ池 (2009.06.06撮影) 四日市市
 
 
 
10 江戸から98番目の一里塚「富田一里塚」 (2009.06.06撮影) 四日市市
 
富田一里塚を過ぎた所で、久々に道を間違ってしまった。
事前に調べておいた地図では、右に折れる一本道の筈が、実際には三つ角(T字路)であったために、右折ポイントを見逃してしまったのである。
間違いに気づき、引き返してきたら、確かに電柱に東海道は右という表示がされていた。これからは、電柱の文字も気にしなくてはならない様である。
 
国道1号の一本裏通りとなる旧東海道は、車の通りも少なく、静かな住宅街の道である。
 
正午を回ったため、旧東海道を一旦外れ、国1沿いのサイゼリアに出て昼食を取る。晴れた暑い日なので冷えたビールが実に美味い。
 
11 八幡神社址 (2009.06.06撮影) 四日市市
 
12 八幡神社の力石 (2009.06.06撮影) 四日市市
 
13 この電柱の文字を見落としたために道を誤る (2009.06.06撮影) 四日市市
 
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旅を再開し、海蔵橋を渡ると四日市の街である。ここから、旧東海道は国道1号を左に折れる。
 
しばらく進むと、「日永のなが餅」で有名な笹井屋がある。
立ち寄って、7本入りの包みを買い求める。
 
18 江戸から99番目の一里塚「三ツ谷一里塚」 (2009.06.06撮影) 四日市市
 
19 日永のなが餅の老舗「笹井屋」 (2009.06.06撮影) 四日市市
 
やがて、旧東海道は国道1号を横切って、商店街のアーケードの中へと続く。珍しい光景である。
この辺りが四日市宿の中心であったと思われるが、本陣跡などの旧跡は何も残っていない。
 
20 道標 (2009.06.06撮影) 四日市宿
 
21 アーケード街となった旧東海道 (2009.06.06撮影) 四日市宿
 
22 アーケード街の店先に旧東海道の表示が (2009.06.06撮影) 四日市宿
 
旧東海道は、近鉄四日市駅前の大通りを横断するのだが、地下道の入口が目に入ったので階段を下りて行ったところ、何と、横断する地下通路が無い。
仕方なく、そのまま階段を上がって、同じ側の歩道に出てしまった。一体、この地下道は何のためにあるのだろうか。
 
再び、旧東海道は静かな住宅街の中を走る。
日永の一里塚日永の追分と進み、近鉄内部(うつべ)線の追分駅踏切を渡ると、静かな集落の中に入って行く。
この辺りは、昔の街道の雰囲気を残す佇まいである。
 
そして、内部線の終着駅・内部駅に到着。
 
ここから先に進んだとしても、本日の宿泊地である四日市に戻るためには、また内部駅まで歩いて戻ってくる必要があり、効率が悪い。
キリの良いところで、本日の旅は、ここ内部で終了することにした。
 
単線の近鉄内部線で近鉄四日市駅まで戻り、ホテルにチェックイン。
ホテルはレオパレス四日市。朝食付で3,750円の安さである。
 
ホテルで一服したあと、繁華街に出て、ビールとワインの夕食を取る。
4月の札幌の夜以来、夕食は居酒屋でと言うのが定番になってきた。
 
それにしても、三重県の方には申し訳ないが、三重のドライバーは運転マナーが悪く、歩行者を軽視する傾向が強い。
一日歩いていると、弱者の立場の歩行者としては、それがヒシヒシと肌で感じられる。
何しろ、普通なら、車が歩行者 の横を通り過ぎる際には、減速するなり、少し中央に寄って歩行者と距離を取ったりするものなのだが、三重のドライバーは、歩行者が電柱と同じであるかの様に、歩行者のすぐ横を、減速もせず通り過ぎるのである。
交差点では、歩行者が横断し始めているのに、オレの方が主道(優先)だと言わんばかりに、止まろうともせず突っ込んでくる。
三重県の自動車学校では、「歩行者優先」と言う大原則を教えていないのだろうかと疑いたくなる。全く困ったものだ。
 
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24 江戸から100番目の一里塚「日永一里塚」 (2009.06.06撮影) 四日市市
 
25 名残の一本松 (2009.06.06撮影) 四日市市
 
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27 日永の追分 (2009.06.06撮影) 四日市市
 
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❏6月7日(日) 晴れ
7:20にホテルをチェクアウイトし、近鉄四日市駅へ。
ちょうど7:30分発の内部行きがあったので、飛び乗る。
 
内部駅を降りて旅を再開。
杖衝(つえつき)」と名付けられた短いが急な坂道を上ると、静かな集落に出くわす。
集落を抜けたところで、旧東海道は国道1号と合流。
合流点近くに、采女(うねめ)一里塚の碑が建っている。
 
30 近鉄四日市駅前 (2009.06.07撮影) 四日市宿
 
31 杖衝坂 (2009.06.07撮影) 四日市市
 
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35 江戸から101番目の一里塚「采女一里塚」 (2009.06.07撮影) 四日市市
 
しばらく国道と合流・分離を繰り返す旧道を進むうちに、国道の右手に石薬師宿に入る分岐がある。
ここは、歌人・佐佐木信綱生誕の地である。
家々には彼の歌を記したパネルが貼付されている。
 
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37 石薬師宿の街並み (2009.06.07撮影) 石薬師宿
 
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38 小澤本陣址 (2009.06.07撮影) 石薬師宿
 
39 石薬師文庫 (2009.06.07撮影) 石薬師宿
 
静かな住宅街の石薬師宿を通り抜け、国道に架かる陸橋を渡ると石薬師宿も終わり、次の庄野宿へと道は続く。
 
40 国道1号線 (2009.06.07撮影) 三重県鈴鹿市
 
石薬師一里塚の前を左折して田圃道に入る。
この道は、途中が途絶えてしまった旧東海道の迂回路として整備された道の様である。
 
41 江戸から102番目の一里塚「石薬師一里塚」 (2009.06.07撮影) 三重県鈴鹿市
 
再び国道1号と合流して数キロ進み、庄野町北の信号を右折して50mほど入った所を左折すると、庄野宿の通りとなる。
こちらも、今では静かな住宅街である。
左手に旧小林家(庄野宿資料館)があったので、中を覗いたところ、中年の女性が出てきて、3分間で済むから是非、説明を聞いて行って下さいとの事。
現存する5枚の高札の説明をしてくれた。当時の高札が残っているのは、ここ庄野宿だけだと力説されていた。
 
42 庄野宿の街並み (2009.06.07撮影) 庄野宿
 
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44 旧小林家(庄野宿資料館) (2009.06.07撮影) 庄野宿
 
45 問屋場跡 (2009.06.07撮影) 庄野宿
 
46 本陣跡 (2009.06.07撮影) 庄野宿
 
47 高札場跡 (2009.06.07撮影) 庄野宿
 
48 脇本陣跡 (2009.06.07撮影) 庄野宿
 
49 郷会所跡 (2009.06.07撮影) 庄野宿
 
庄野宿を出て国道1号の地下道を潜り、田園地帯を伸びる旧東海道を黙々と歩く。
 
途中、中冨田一里塚、和泉橋と過ぎて、JR井田川駅の踏切を渡ってしばらく行くと、亀山市に入る。
最近では、シャープ液晶テレビの「亀山モデル」という名前で良く耳にする様になった亀山である。
 
JR関西本線と国道1号の間の小高い丘の上を伸びる旧東海道。亀山宿東入口の手前ではあるが、昔の宿場の様な家屋が通りの両側に続く。
そして左に緩いカーブを描いた先に、亀山宿の江戸口門跡(東の入口)がある。
 
お昼の時間になったので、地図にあるガストで昼食にしようと思ったのだが、ガストに行くには坂道を降りて行かなければならないことが、現地に来て初めて分かった。
食後に、坂を登って戻って来るのは辛い。夫婦で顔を見合わせて「止めよう」との意識で合意。
ところが、ほかに食事処があると思ったのが甘かった。旧道の通りの両側には店が並んでいるのだが、日曜日はどの店もお休みであり、通りを歩く人影も疎らな町であった。
亀山の中心街はどうやら、ほかの地区に移ってしまったらしい。
食事のために坂を下りて寄り道する気力は残っていなかったため、休憩所で昨日買った長餅の残りを夫婦で食べて繋ぎ、次の関宿での食事処に期待することにした。
 
50 江戸から103番目の一里塚「中富田一里塚」 (2009.06.07撮影) 三重県鈴鹿市
 
51 旧井田川小学校跡 (2009.06.07撮影) 三重県亀山市
 
52 江戸から104番目の一里塚「和田一里塚」 (2009.06.07撮影) 三重県亀山市
 
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54 亀山宿江戸口門跡 (2009.06.07撮影) 亀山宿
 
55 樋口本陣跡 (2009.06.07撮影) 亀山宿
 
56 高札場跡 (2009.06.07撮影) 亀山宿
 
57 西町問屋場跡 (2009.06.07撮影) 亀山宿
 
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59 亀山宿京口門跡 (2009.06.07撮影) 亀山宿
 
60 江戸から105番目の一里塚「野村一里塚」 (2009.06.07撮影) 三重県亀山市
 
61 鈴鹿川 (2009.06.07撮影) 三重県亀山市
 
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静かな田舎の道を5キロほど黙々と歩き、1時半頃にようやく関宿の入口に到達。
 
関宿は、昔の宿場の面影がそのまま残っている地区であり、観光客の姿も見られる。
今回の旅は、ここ関宿がゴール。
次回、はいよいよ、旧東海道2番目の難所と言われる鈴鹿峠越えである。
山賊が出なければ良いが・・・(^^;)
 
結局、食事の代わりに、帰りの電車でビールを飲もうと言うことで夫婦の意見が一致し、JR駅前の道の駅で おつまみの薩摩揚げを買い込む。
ところが、上り電車の時刻は40分後と分かり、結局、駅の待合室で酒盛りと相成った。
 
帰りの電車の接続がまた悪く(と言うか、ローカル線ではこれが当たり前なのかもしれないが)、単線のディーゼルカーでから次の亀山まで進んだあと、そこで、名古屋行きの電車への乗換がまたもや40分待ちであった。
 
63 関宿の入口 (2009.06.07撮影) 関宿
 
64 関の小萬のもたれ松 (2009.06.07撮影) 関宿
 
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66 伊勢神宮一の鳥居 (2009.06.07撮影) 関宿
 
67 東の追分 (2009.06.07撮影) 関宿
 
68 江戸から106番目の一里塚「関一里塚」 (2009.06.07撮影) 関宿
 
69 関宿の街並み (2009.06.07撮影) 関宿
 
70 御馳走場跡 (2009.06.07撮影) 関宿
 
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73 JR関駅 40分待ってようやく電車が到着 (2009.06.07撮影) 関宿
 
74 JR亀山駅 ここでも40分待ち (2009.06.07撮影) 三重県亀山市
 
【データ】
■東海道歩行距離

今回  42.8km(桑名宿〜関宿)
通算 411.5km

■利用交通機関

区間 交通機関
自宅〜三島駅 タクシー
三島〜名古屋 JR東海・東海道新幹線(三島〜名古屋)
名古屋〜桑名 近鉄名古屋線(名古屋〜益生)
内部〜四日市 近鉄内部線(内部〜四日市)
四日市〜内部 近鉄内部線(四日市〜内部)
関〜名古屋 JR東海・関西本線(関〜名古屋)
名古屋〜三島 JR東海・東海道新幹線(名古屋〜三島)
三島駅〜自宅 タクシー

■費用

用途 金額
タクシー(自宅〜三島駅)
1,280円
JR東海道新幹線(三島〜名古屋)(2人分、回数券利用)
13,840円
近鉄名古屋線(名古屋〜益生)(2人分)
860円
近鉄内部線(四日市〜内部)(2人分 往復)
880円
JR関西本線(関〜春田)(2人分)
1,900円
JR関西本線、JR東海道新幹線(春田〜名古屋〜三島)(2人分、回数券利用)
13,840円
タクシー(三島駅〜自宅)
1,150円
飲料(2人分)
970円
昼食、ビール(四日市「サイゼリア四日市羽津店」)(2人分)
2,377円
夕食、ワイン(四日市「坐・和民 四日市駅前店」)(2人分)
5,511円
宿泊料(四日市「レオパレス四日市」(2人分)
7,500円
ビール(2人分)
1,000円
薩摩揚げ(2人分)
1,900円
日永のなが餅
630円
合計
53,638円
累計
429,684円

■立ち寄りポイント
富田一里塚(四日市市)
道標(四日市市城山町)
三ツ谷一里塚(四日市市)
笹井屋(四日市市)
道標(四日市市)
日永一里塚(四日市市)
日永の追分、道標(四日市市)
杖衝坂(四日市市采女)
采女一里塚(四日市市)
小澤本陣(石薬師宿)
佐々木信綱の生家(石薬師宿)
石薬師一里塚(石薬師宿)
問屋場(庄野宿)
旧小林家(庄野宿)
本陣(庄野宿)
高札場(庄野宿)
脇本陣(庄野宿)
郷会所跡(庄野宿)
中冨田一里塚(鈴鹿市)
和田一里塚(亀山市)
江戸口門跡(亀山宿)
樋口本陣(亀山宿)
高札場(亀山宿)
西町問屋場(亀山宿)
京口門跡(亀山宿)
野村一里塚(亀山市)
関の小萬のもたれ松(関宿)
東の追分(関宿)
一里塚(関宿)
御馳走場跡(関宿)
伊勢神宮一の鳥居(関宿)
 
■通過した宿場
(43)四日市宿
(44)石薬師宿
(45)庄野宿
(46)亀山宿
(47)関宿
 
【地図】