東海道ふたり旅(22) 藤川宿〜宮宿(38:岡崎宿、39:池鯉鮒宿、40:鳴海宿、41:宮宿)


東海道ふたり旅(22) 藤川宿〜宮宿(38:岡崎宿、39:池鯉鮒宿、40:鳴海宿、41:宮宿)
2009年5月16日(土)~5月17日(日)
更新:2020年6月27日(土)
 
足掛け二年目に入った東海道ふたり旅
日帰り×2回(2往復分の交通費)と1泊2日旅行(1往復分の交通費+1泊分の宿泊費)を天秤に掛けて検討した結果、今回より、日帰りではなく宿泊行程での旅に切り替える事とした。
 
❏5月16日(土) 雨
7:59発の「こだま」で三島駅を出発。豊橋から名鉄名古屋本線に乗り換え、本日の出発点・藤川宿へ。
 
無人駅の藤川駅に降り立った時には、どしゃぶりの雨であった。リュックとカメラにカバーを付け、傘をさして旧東海道の旅を再開。
 
藤川一里塚を過ぎたところに、名鉄の踏切がある。
この田舎道の踏切と言うのに、何と立て続けに3本の電車が通過。あの「あかずの踏切・JR東海道線 戸塚駅踏切」に匹敵する交通量である。
 
藤川の並木を過ぎて、美合(みあい)の町に入る。
ここには、岡崎ゲンジボタル発祥地があるのだが、雨の道を進む鬱陶しさの中で、どうやらポイントを見過ごしてしまったらしい。
それにしても、雨中の旅と言うのは何とも厄介である。一里塚や芭蕉句碑などのチェックポイントがある度に、カバーの中からカメラを取り出し、傘の柄を首と肩で挟みながらシャッターを切って、またカバーの中に仕舞うという手順が必要になる。それでなくても、胸から下は雨でびしょ濡れ、靴の中はグジュグジュの状態である。
昔の人は傘や簑を携帯して旅をした訳でも無かろうに、雨が降った時はさぞ大変だったことだろう。
 
1 名鉄電車の座席。座椅子に傾きが着いていて慣れないと座りにくい。(2009.05.16撮影)
 
2 むらさき麦栽培(2009.05.16撮影) 藤川宿
 
3 藤川宿西棒鼻跡(2009.05.16撮影)
 
4 十王堂(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市藤川
 
 
6 芭蕉句碑(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市藤川
 
7 江戸から79番目の一里塚「藤川一里塚」(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市藤川
 
8 吉良道道標(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市藤川
 
 
10 藤川の松並木(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市藤川
 
大平橋を越えて大平の町に入ると、西大平藩陣屋跡がある。
あの大岡越前守忠相が、72歳の時に藩主となり建てた陣屋である。屋根瓦にはあの渦巻きの紋様が入っている。
 
大平一里塚を過ぎて、しばらく進むと岡崎宿である。
徳川家康の本拠地であった岡崎城の城下町でもある岡崎宿では、旧東海道の道筋は「二十七曲がり」と呼ばれるジグザグの道になっている。
石の標柱に従って、二十七曲がりを辿り終わったところで昼食を取ることに。
 
11 大岡越前守陣屋跡(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市
 
 
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14 江戸から80番目の一里塚「大平一里塚」(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市
 
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16 岡崎宿二十七曲がりの碑(2009.05.16撮影) 岡崎宿
 
17 二十七曲がり入口の冠木門(2009.05.16撮影) 岡崎宿
 
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19 二十七曲がりの角々にある道標(2009.05.16撮影) 岡崎宿
 
20 常夜灯跡(2009.05.16撮影) 岡崎宿
 
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24 西本陣跡(2009.05.16撮影) 岡崎宿
 
25 岡崎城対面所跡(2009.05.16撮影) 岡崎宿
 
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27 松葉総門跡(2009.05.16撮影) 岡崎宿
 
食事のあと、中岡崎の交差点から旅を再開。
名鉄のガードを抜けたところが、あの八丁味噌の生産地区であり、大きな倉が並んでいる。
何年か前に、宮崎あおいさんが主演したNHK朝の連ドラ「純情きらり」は、ここが舞台であったとか。
街の一角に、宮崎さんの手形が記念碑として残されていた。
 
28 八丁味噌蔵(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市
 
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30 「純情キラリ」桜子役・宮崎あおいさんの手形(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市
 
矢作(やはぎ)橋を渡り、旅を続ける。ここから先は、余り見るものがないので、雨の中を黙々と歩く。
 
尾崎一里塚永安寺の雲竜の松明治用水碑来迎寺一里塚と進んで行くと、やがて知立(ちりゅう)の町に入る。昔の宿場名の文字の方は「池鯉鮒」と書く。
 
5時過ぎ、知立古城跡の地点まで来たところで、本日の旅は終了。
 
今回からは、1泊2日の行程にしたので、今夜は知立のホテルに泊まる。ホテルクラウンパレス知立である。
 
31 誓願寺十王堂(2009.05.16撮影) 愛知県岡崎市
 
32 江戸から83番目の一里塚「尾崎一里塚」(2009.05.16撮影) 愛知県安城市
 
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34 永安寺・雲竜の松(2009.05.16撮影) 愛知県安城市
 
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37 明治用水の碑(2009.05.16撮影) 愛知県安城市
 
38 元禄の道標(2009.05.16撮影) 愛知県知立市
 
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40 江戸から84番目の一里塚「来迎寺一里塚」(2009.05.16撮影) 愛知県知立市
 
41 知立の松並木(2009.05.16撮影) 愛知県知立市
 
42 馬の像(2009.05.16撮影) 愛知県知立市
 
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44 引馬野爾歌碑(2009.05.16撮影) 愛知県知立市
 
45 馬市の址碑(2009.05.16撮影) 愛知県知立市
 
46 知立古城跡(2009.05.16撮影) 池鯉鮒宿
 
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❏5月17日(日) くもり、時々、雨
 
朝の8時にホテルを出発。こんなに早くから歩き始めるのは、初めてである。
二日連続のウォークは初めてなので、疲れ具合が心配だったが、一晩の睡眠で足並みは結構軽やか。
 
知立古城跡のすぐ先に、知立名物「あんまき」の元祖・小松屋本家を見つけた。
その小さな店は朝から開いていて、中では、お年寄りの夫婦と息子さんと思われる男性の3人が「あんまき」を焼いていた。
白あんと黒あんの詰め合わせ6個入りを買い求める。
 
知立神社に立ち寄り、多宝塔を見物。850年に建立され、五百年前の1509年に再建されたものであるが、その美しさは見事であった。
 
48 知立名物「あんまき」の元祖・小松屋本家(2009.05.17撮影) 池鯉鮒宿
 
49 知立神社・多宝塔(2009.05.17撮影) 愛知県知立市
 
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51 知立神社の朝(2009.05.17撮影) 愛知県知立市
 
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幸い、雨は降っていない。やはり、雨の中を歩くのと違い、気持が良い。
しばらくはチェックポイントが無いので、また黙々と歩く。
 
刈谷市の一里山の一里塚、豊明市の阿野一里塚と過ぎて、しばらく行くと、左手に桶狭間(おけはざま)古戦場跡がある。織田信長が、今川義元を破った戦である。
 
その少し先から、旧東海道は国道1号を右に折れ、間宿(あいのしゅく)有松(ありまつ)宿に入る。
ここは、昔の宿場の面影がかなり残っており、なかなか風情のある景観である。
有松は「有松しぼり」が特産であり、しぼり商品の店先には「ありまつ」と染められたしぼりの暖簾が掛かっている。
旅の記念に、しぼりのネクタイを一本買い求める。なかなかいい色が出たネクタイである。
 
53 江戸から85番目の一里塚「刈谷一里山一里塚」(2009.05.17撮影) 愛知県刈谷市
 
54 江戸から86番目の一里塚「阿野一里塚」(2009.05.17撮影) 愛知県豊明市
 
55 桶狭間古戦場跡(2009.05.17撮影) 愛知県豊明市
 
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57 有松宿(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
58 有松しぼりの暖簾(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
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61 有松宿の街並み(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
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有松宿を出て少し進むと、鳴海宿である。
しかし、こちらの方は、かつての宿場の建物は余り残っておらず、むしろ、間宿である有松宿の方が、今では観光客も多く本宿の様な賑わいを見せている。
 
63 江戸から87番目の一里塚「有松一里塚」(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
64 鳴海宿の東入口に建つ常夜灯(2009.05.17撮影) 鳴海宿
 
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66 芭蕉供養塔(2009.05.17撮影) 鳴海宿
 
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69 鳴海宿の西入口に建つ常夜灯(2009.05.17撮影) 鳴海宿
 
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71 鉾ノ木貝塚(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
72 千句塚公園(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
鳴海宿を過ぎ、天白(てんぱく)川を渡ると、いよいよ本日のゴール宮宿が近づいて来た。
 
笠寺一里塚笠寺観音と進んで、道は呼続(よびつぎ)地区に入る。静かな住宅街である。
 
さらに進んで、山崎川を渡ると街は一変、大都会・名古屋の街並みとなる。広い道幅、頭上には都市高速道路が走り、横断歩道は歩道橋へと変わる。
 
伝馬町交差点の一つ南側の通りである旧東海道。西に進むとT字路にぶつかる。
右折すると佐屋街道、左折すると東海道・七里の渡しである。
左折して七里の渡し方面へ。
 
七里の渡し。文字通り、宮宿桑名宿を結ぶ七里の渡しである。
旧東海道は、ここ七里の渡しの渡船場で中断、続きは桑名宿(現三重県)からとなる。この間は海路である。
 
ちなみに、海路が苦手な旅人のために、陸路で桑名宿まで迂回する道が佐屋街道である。
我々夫婦の旧東海道の旅は、次回、佐屋街道を歩いて桑名宿まで向かう予定である。何しろ、今では桑名までの航路が無いのだから仕方がない。
 
熱田神宮に参拝した後、名鉄で名古屋駅に移動。遅めの昼食を取ったあと、新幹線で三島に帰還。
 
73 江戸から88番目の一里塚「笠寺一里塚」(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
74 笠寺観音(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
75 宿駅制度制定四百年記念碑(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
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77 裁断橋跡(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
78 姥堂跡(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
79 都々逸発祥の地碑(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
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83 宮の渡し公園(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
84 七里の渡し(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
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88 熱田神宮(2009.05.17撮影) 名古屋市
 
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90 知立名物「あんまき」(2009.05.17撮影) 新幹線車内にて
 
【データ】
■東海道歩行距離

今回  42.1km(藤川宿〜宮宿)
通算 365.8km

■利用交通機関

区間 交通機関
自宅〜三島駅 タクシー
三島〜豊橋 JR東海・東海道新幹線(三島〜豊橋)
豊橋〜藤川 名古屋鉄道・名古屋本線(豊橋〜藤川)
熱田神宮〜名古屋 名古屋鉄道・名古屋本線(神宮前〜名鉄名古屋)
名古屋〜三島 JR東海・東海道新幹線(名古屋〜三島)
三島駅〜自宅 タクシー

■費用

用途 金額
タクシー(自宅〜三島駅)
1,280円
JR東海道新幹線(三島〜豊橋)(2人分、回数券利用)
9,840円
名古屋鉄道名古屋本線(豊橋〜藤川)(2人分)
880円
名古屋鉄道名古屋本線(神宮前〜名鉄名古屋)(2人分)
440円
JR東海道新幹線(名古屋〜三島)(2人分、回数券利用)
13,840円
タクシー(三島駅〜自宅)
1,070円
飲料(2人分)
510円
昼食、ビール(岡崎「サイゼリア岡崎上六名店」))(2人分)
2,575円
夕食、ビール(知立「白木屋知立駅前店」)(2人分)
6,775円
宿泊料(知立「ホテルクラウンパレス知立」(2人分)
11,800円
昼食、ビール(名古屋駅地下「カプチーナ名古屋」)(2人分)
3,485円
お土産(知立名物あんまき)
900円
お土産(有松しぼりネクタイ)
7,350円
合計
60,745円
累計
317,660円

■立ち寄りポイント
西棒鼻跡(藤川宿)
十王堂跡、芭蕉句碑(岡崎市藤川)
藤川一里塚(岡崎市藤川)
吉良道道標(岡崎市藤川)
藤川の松並木(岡崎市藤川)
大岡越前守陣屋跡(岡崎市大平町)
大平一里塚(岡崎市大平町)
岡崎城下二十七曲がり(岡崎宿)
常夜灯(岡崎宿)
西本陣(岡崎宿)
対面所跡(岡崎宿)
松葉総門跡(岡崎宿)
八丁味噌倉(岡崎宿)
純情きらり手形の道(岡崎宿)
誓願寺十王堂(岡崎市)
尾崎一里塚(安城市)
永安寺雲竜の松(安城市)
明治用水碑(安城市)
元禄の道標(知立市)
来迎寺一里塚(知立市)
知立松並木(知立市)
引馬野爾歌碑(知立市)
馬市之址碑(知立市)
知立古城址(池鯉鮒宿)
あんまき小松屋本家(池鯉鮒宿)
知立神社、多宝塔(池鯉鮒宿)
一里山一里塚(刈谷市)
阿野一里塚(豊明市)
桶狭間古戦場跡(豊明市)
有松宿(名古屋市)
有松一里塚(有松宿)
芭蕉供養塔(鳴海宿)
鉾の木貝塚(名古屋市)
千句塚公園(名古屋市)
笠寺一里塚(名古屋市)
笠寺観音、多宝塔(名古屋市)
名古屋十名所碑(名古屋市)
裁断橋址、姥堂(宮宿)
都々逸発祥の地(宮宿)
七里の渡し(宮宿)
熱田神宮(宮宿)
 
■通過した宿場
(38)岡崎宿
(39)池鯉鮒宿
(40)鳴海宿
(41)宮宿
 
【地図】