東海道ふたり旅(23) 佐屋街道(宮宿〜桑名宿 42:桑名宿)


東海道ふたり旅(23) 佐屋街道(宮宿〜桑名宿 42:桑名宿)
2009年5月23日(土)~5月24日(日)
更新:2020年6月28日(日)
 
❏5月23日(土) 晴れ
 
7:59発の「こだま」で三島駅を出発、名古屋から東海道本線に乗り換え熱田へ。
 
本日の旅は、宮宿にある東海道/佐屋街道の分岐点(T字路)からの開始である。
T字路の角には石の道標が残っており、左折すれば先週行った宮の渡し、右折すれば佐屋街道であることが分かる。
右折して本日の旅を開始。
 
因みに、佐屋(さや)街道とは、宮宿(現:愛知県名古屋市熱田区)と桑名宿(現:三重県桑名市)を結ぶ街道であり、名古屋市の郊外を一周する環状道路の様なイメージで配備されている陸路である。
勿論、「東海道」では無い。東海道は、宮宿~桑名宿の間は海路(七里(約28km)の渡し船)になっており、道は無い。
船が苦手な人もいる事から、宮宿~桑名宿を結ぶ別の陸路を配備しているのである。そのうちの、宮宿~佐屋の区間が佐屋街道である。
 
我々は、別に海路が苦手な訳ではないが、「七里の渡し」が現存しない以上、宮宿~桑名宿の間を電車で移動するか、別の道を歩いて移動するしかない訳である。
ウォーキング、完歩を目指す我々としては、陸路を選択するのは当然であり、佐屋街道を選んだ訳である。
 
1 東海道と佐屋街道の分岐点にある道標(2009.05.23撮影) 宮宿
 
 
歩道橋で国道1号を渡り、熱田神宮方面に進むと、神宮の手前に「あつた蓬莱軒」という店がある。
先週、宮の渡しに行く途中にも、この店の別の支店があったが、店の前には車と人の行列が出来ていた。その時には、何の店なのか分からなかったのだが、帰って調べたところ、名古屋名物「ひつまぶし」で有名な店らしい。
今日もまだ11時前だと言うのに、開店前の店の前には既に行列が出来ていた。
 
熱田神宮の西側の通り(伏見通り)を北上し、金山駅方面に進む。
途中でタオルを忘れたことに気づき、サークルKに寄ってタオルを購入。
それにしても、名古屋のコンビニは、サークルKで独占されているかの様に思われ、セブンイレブンやファミマを見かけることは殆どない。
 
金山駅前を左折し、佐屋街道は西に伸びる。
ここで、沢山のおじさん達が、歩道をぞろぞろ歩いている光景が目に入った。少し進んだところで理由が分かった。電柱にJRAの文字の入った看板が掛かっており、どうやら近くに場外馬券売り場がある様である。
 
道を更に進むと、新幹線と交差する。新幹線は佐屋街道とほぼ垂直に交差しており、南北に走っているため、北方向が名古屋駅なのは分かるが、南方向が大阪方面なのか東京方面なのか分からない。
多分、東京方面だろうと言うのが私の推測である。
 
更に進むと、JR関西本線、近鉄名古屋線と交差する。この辺りの町名は烏森である。「からすもり」ではなく「かすもり」と読むそうである。
お昼近くになったが、辺りは段々と郊外の様相を呈して来たため、食事処があったら入ることにした。
やがて、「きしめん」の幟を出した店があったので、昼食を取る。
 
3 佐屋街道・五女子(ごにょうし)一里塚 (2009.05.23撮影) 名古屋市
 
 
 
6 長良橋より名古屋駅方面を望む (2009.05.23撮影) 名古屋市
 
 
万場大橋、砂子橋と渡って西に進むと、名古屋市を越えて大治町(おおはるちょう)に入る。田植えを終えた田んぼが広がる農村の風景に変わって行く。
七宝(しっぽう)焼き七宝町を過ぎ、佐屋街道は津島市に入る。
この辺りから、佐屋街道の道筋は住宅街で分断され完全には残っていないため、旧佐屋街道の道筋に近い現在の道を、ジグザグに選びながら進む。
 
 
9 佐屋街道・神守の一里塚 (2009.05.23撮影) 愛知県津島市
 
10 親亀の背中に子亀を乗せて、子亀の背中に孫亀乗せて (2009.05.23撮影) 愛知県津島市
 
11 埋田追分 (2009.05.23撮影) 愛知県津島市
 
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13 鳥居の柱 (2009.05.23撮影) 愛知県津島市
 
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20キロを過ぎたので、本日の旅はここで中断。名鉄尾西線日比野駅から電車に乗り、名古屋都心に戻る。
 
本日の宿は、伏見にある三交インホテル。何と、改装1周年記念とかで、一人当たりの料金が朝食付で2,950円という超低料金であった。
 
❏5月24日(日) 晴れ、時々、くもり
 
朝の8時にホテルを出発。名鉄で日比野に向かう。
ここで、とんだハプニング発生。
名鉄名古屋駅の地下ホームには、上下2本しか線路が無いため、各路線の電車が入り混じって、数分間隔で発着する。
我々が乗るのは津島方面・佐屋行きの電車なのだが、10分ほど待って、ようやく発車1分前になった。ここで、気になっていた「向かいのホームの側面に書かれてる文字列」の意味が分かったのである。
その文字列は「津島方面の電車は、2両、4両は(13)から」と書かれており、意味が全く分からなかったのだが、「2両・4両とは、2両目、4両目という意味ではなく、2両編成・4両編成と意味」だという事に気づいたのである。
その時、我々が立っていたホームの位置は(1)だったので、(13)はずっと後ろである。夫婦で慌ててホームを走り、間一髪で電車に乗り込む事が出来た。
もうちょっと親切に書いて欲しいものだ。「2両」、「4両」、「(13)」というキーワードの意味は、常連客には分かるのかも知れないが、一見(いちげん)さんの我々には、分かる筈がないと思う。
私だったら、「津島方面の電車は、2両編成、4両編成についてホームの(13)から後ろに停車します。」と書くけどナァ。
 
無人駅・日比野駅で降り、旅の二日目を再開。
しばらく歩いて佐屋の町に入った。佐屋街道由来の地である。
佐屋街道はここまでであり、ここから桑名宿までは川舟の水路であった。ここからは、佐屋川用水に沿って南下する。
 
15 佐屋街道址碑 (2009.05.24撮影) 愛知県愛西市
 
16 さや舟場道標 (2009.05.24撮影) 愛知県愛西市
 
17 佐屋代官所址 (2009.05.24撮影) 愛知県愛西市
 
18 佐屋川用水 (2009.05.24撮影) 愛知県愛西市
 
やがて、右側に木曽川の土手が見えて来たので、土手に登って尾張大橋を目指す。
 
尾張大橋を渡ると、三重県桑名市である。旧東海道の旅も、いよいよ三重県に入った。
しばらく進むと、今度は長良川揖斐(いび)の鉄橋である。
この鉄橋は実に珍しく、橋の真ん中に信号の付いた交差点があるのである。と言うのは、この鉄橋は長良川と揖斐川を一つの橋で横断しているため、中洲(?)から車が鉄橋に上がって来る交差点があるのである。
 
鉄橋を渡り、左折して川沿いに南下したところに桑名宿七里の渡し跡がある。
昔の東海道は、海路の七里(28キロ)であったが、我々は、佐屋街道+陸路を歩いてきたので、36キロの行程であった。
 
19 木曽川に架かる東名阪自動車道の鉄橋 (2009.05.24撮影) 愛知県弥富市
 
20 尾張大橋の手前にある井桁屋 (2009.05.24撮影) 愛知県弥富市
 
21 尾張大橋 (2009.05.24撮影) 愛知県弥富市
 
22 木曽川 (2009.05.24撮影) 愛知県弥富市/三重県桑名市
 
23 長良(ながら)川、揖斐(いび)川に架かる伊勢大橋 (2009.05.24撮影) 桑名市
 
24 長良川 (2009.05.24撮影) 桑名市
 
25 伊勢大橋の途中にある交差点 (2009.05.24撮影) 桑名市
 
26 桑名宿(七里の渡し跡)はもうすぐ (2009.05.24撮影) 桑名市
 
27 七里の渡し跡 (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
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32 大塚本陣跡(現船津屋) (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
33 脇本陣駿河屋跡(現山月) (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
34 歌行燈句碑 (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
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36 舟会所跡、問屋場跡 (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
七里の渡し近くのレストランで、蛤(はまぐり)料理のランチを取り、桑名宿のチェックポイントを追いながら旧東海道を進む。
 
37 桑名宿の街並み (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
38 春日神社・青銅の鳥居 (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
39 桑名城の城壁 (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
40 歴史を語る公園 (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
41 京町見附跡 (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
42 吉津屋見附跡 (2009.05.24撮影) 桑名宿
 
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44 矢田立場(たてば)跡 (2009.05.24撮影) 三重県桑名市
 
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近鉄益生(ますお)の近くで今回の旅は終了。電車で名古屋まで戻り、新幹線に乗り換えて三島に帰還。三島は雨であった。
 
【データ】
■東海道歩行距離

今回   2.9km(桑名宿)
通算 368.7km
その他歩行距離  35.8km(宮宿〜桑名宿 佐屋街道

■利用交通機関

区間 交通機関
自宅〜三島駅 タクシー
三島〜名古屋 JR東海・東海道新幹線(三島〜名古屋)
名古屋〜熱田 JR東海・東海道本線(名古屋〜熱田)
日比野〜名古屋 名古屋鉄道尾西線(日比野〜名古屋)
名古屋〜伏見 名古屋市営地下鉄(名古屋〜伏見)
伏見〜名古屋 名古屋市営地下鉄(伏見〜名古屋)
名古屋〜日比野 名古屋鉄道尾西線(名古屋〜日比野)
桑名〜名古屋 近鉄名古屋線(益生〜名古屋)
名古屋〜三島 JR東海・東海道新幹線(名古屋〜三島)
三島駅〜自宅 タクシー

■費用

用途 金額
タクシー(自宅〜三島駅)
1,150円
JR東海道新幹線、東海道本線(三島〜熱田)(2人分、回数券利用)
13,840円
名古屋鉄道尾西線(日比野〜名古屋)(2人分 往復)
1,760円
名古屋市営地下鉄(名古屋〜伏見)(2人分 往復)
800円
近鉄名古屋線(益生〜名古屋) (2人分)
860円
JR東海道新幹線(名古屋〜三島)(2人分、回数券利用)
13,840円
タクシー(三島駅〜自宅)
1,230円
飲料(2人分)
650円
昼食、ビール(名古屋・烏森「稲乃屋」)(2人分)
2,260円
夕食、ワイン(名古屋・伏見「タイガーカフェ伏見店」)(2人分)
8,600円
宿泊料(名古屋「三交イン伏見」(2人分)
5,600円
昼食、ビール(桑名「れすとらん あずまや」)(2人分)
6,000円
アイスクリーム
1,400円
タオル
396円
合計
58,386円
累計
376,046円

■立ち寄りポイント
道標(宮宿)
神守一里塚(津島市)
津島街道埋田追分(津島市)
佐屋街道址碑(愛西市)
さや舟場道標(佐屋宿)
佐屋代官所址(佐屋宿)
七里の渡し跡(桑名宿)
大塚本陣(桑名宿)
脇本陣駿河屋跡(桑名宿)
歌行燈句碑(桑名宿)
舟会所跡(桑名宿)
問屋場(桑名宿)
青銅製の鳥居(桑名宿)
桑名城城壁(桑名宿)
歴史を語る公園(桑名宿)
京町見附(桑名宿)
吉津屋見附(桑名宿)
矢田立場(たてば)(桑名市)
 
■通過した宿場
(42)桑名宿
 
【地図】