東海道ふたり旅(16) 金谷宿〜掛川宿(25:日坂宿、26:掛川宿)


東海道ふたり旅(16) 金谷宿〜掛川宿(25:日坂宿、26:掛川宿)
2008年10月18日(土) 晴れ
更新:2020年6月24日(水)
 
先週末は町内会の秋祭りで旧東海道の旅をお休みしたので、今日は2週間ぶりの旅である。
JR東海道線で金谷へ。金谷宿一里塚より旅を再開。本日は登り坂があるので結構疲れそうである。
 
東海道線のガードを潜ると、早速、道は登り坂となる。背後の大井川鉄道金谷駅では、SLが発車の汽笛を鳴らしている。
 
両側が民家の坂道を登り切り、広い通りに出ると、そこに石畳の入口がある。箱根路以来の石畳である。
使われている石は、箱根路のものよりは丸みがあり、足の裏に馴染み易そうだ。
 
それほど登らないうちに、右手に茶屋が現れた。石畳茶屋という名の茶屋であり、中には、江戸時代に使われた駕籠を始めとして、色々なものが展示されている。
「すべらず地蔵尊合格祈願お守り」と言うのが売っていたので、カミサンと顔を見合わせて即購入することにした。下の息子が大学受験の年なのである。
 
1 金谷のガードを抜けると登り坂が始まる(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
2 金谷坂石畳の入口(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
 
 
5 石畳茶屋(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
 
7 金谷坂石畳(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
再び石畳を登り始めると、やがて右手にお堂があり、中には二人のお地蔵様が寄り添っているのが見える。すべらず地蔵尊である。
夫婦でお参りして、息子の合格を祈願する。
「すべらず」と言うのは、元々は、この石畳が滑らないという意味であったそうなのだが、それが商売や受験で失敗しない様にという意味に広げられたとか。
 
8 庚申堂(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
 
10 すべらず地蔵尊(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
石畳を登り切ると、見晴らしの良い茶畑エリアに出た。多分、牧之原台地と呼ばれている茶畑地帯である。
 
茶畑の道をしばらく行くうちに、諏訪原城跡の案内板が出ていた。旧東海道からは少し奥に入る様だ。
立ち寄るか少し迷ったが、登り坂で疲れているので止めにして、先を急ぐことにした。
 
しばらく進むと、今度は下りの石畳が現れた。石畳である。
石畳を降りて行くと、下の方に集落が見えて来た。間宿・菊川の里である。車の往来も殆どなく、のどかな里である。
 
11 金谷坂石畳も頂上までもう少し(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
12 茶畑と、向こうに見える山の「茶」の文字(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
13 今度は下りの菊川坂石畳(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
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16 間宿・菊川の里(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
石畳の坂道を上り下りして ひと山越えたので、あとは、日坂(にっさか)宿まで のどかな旅が続くのだろうと、その時は思ったのだが、これが甘かった。
菊川の里を抜けた途端、半端じゃない急勾配の道が目の前に出現。しかも、かなり上の方まで続いており先が見えない。
エッチラオッチラ、一歩ずつ足を先に進めて登って行くと、向かいの山の斜面にお茶の段々畑が現れた。見事な風景である。
しかしながら、急勾配の道はまだまだ続く。道の端に「通学路」の看板があった。こんな急勾配の坂道を、毎日上り下りするのかと思うと、この辺りの子供達は大変である。
 
ようやく坂を登り終え、平らな道となった。道の両側は綺麗に並ぶ茶畑である。
この辺りは、佐夜(さや)の中山と言う。
西行法師の歌碑芭蕉の句碑、その他にも沢山の歌人の歌が石碑として道端に残っている。
この険しい道は、かなり昔からあったと言うことなのだろう。
 
17 急勾配の青木坂(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
18 向かいの斜面に広がる見事な茶畑の風景(2008.10.18撮影) 静岡県島田市
 
19 久延寺(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
20 夜泣き石(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・久延寺境内
 
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22 徳川家康お手植えの松(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・久延寺境内
 
23 茶亭跡(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・久延寺境内
 
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26 佐夜の中山・扇屋(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
27 西行法師歌碑(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・佐夜の中山
 
28 江戸から56番目の一里塚「佐夜鹿一里塚」(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・佐夜の中山
 
29 鎧塚(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・佐夜の中山
 
30 馬頭観世音菩薩(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・佐夜の中山
 
31 涼み松広場(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・佐夜の中山
 
32 芭蕉句碑(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・佐夜の中山
 
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34 久延寺に移された夜泣き石があったところ(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・佐夜の中山
 
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36 歌川広重の浮世絵にも描かれている夜泣き石(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市・佐夜の中山
 
やがて道は下り坂となり、段々と勾配がきつくなる。
そして国道1号の高架を潜ると、旧東海道、日本橋から数えて25番目の宿場・日坂(にっさか)宿に入る。
日坂宿は、昔の宿場街の佇まいが残っており、旅籠「川坂屋」高札場などが残っている。
 
37 坂を下ると日坂宿の集落(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
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39 本陣「扇屋」跡(2008.10.18撮影) 日坂宿
 
40 問屋場跡(2008.10.18撮影) 日坂宿
 
41 脇本陣「黒田屋」跡(2008.10.18撮影) 日坂宿
 
42 旅籠「萬屋」跡(2008.10.18撮影) 日坂宿
 
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44 旅籠「川坂屋」跡(2008.10.18撮影) 日坂宿
 
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46 高札場跡(2008.10.18撮影) 日坂宿
 
47 下木戸跡(2008.10.18撮影) 日坂宿
 
既にお昼の時間を回っているのだが、日坂宿にも、その先の道筋にも食事処はおろかコンビニすら全くなく、なかなか昼食を取ることができない。
地図を見たところ、旧東海道を少し外れたところに道の駅「掛川」があることが分かり、やむなく寄り道をして、ようやく昼食にありついた。
食事の後、本日のゴール、掛川宿へと向かう。
 
48 江戸から57番目の一里塚「伊達方一里塚」(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
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50 江戸から58番目の一里塚「葛川一里塚」(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
ランチでエネルギー補給したせいか、歩くペースがグンと上がり、3時前には掛川宿に着いてしまった。
 
掛川には山内一豊が築いたという掛川城が残っている。
と言っても、幕末の大地震で倒壊してしまった天守閣を、平成6年に再建したものである。
何でも、ある掛川市民の女性が5億円を寄付をして、市の予算と合わせて10億円で天守閣の再建が実現したそうである。何とも豪快な話である。
ちなみに、1988年に東海道新幹線の掛川駅を造った時には、市民から30億円の寄付を集めたそうである。
 
51 掛川・塩の道(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
52 掛川宿東番所跡(2008.10.18撮影) 掛川宿
 
53 掛川宿七曲り(2008.10.18撮影) 掛川宿
 
54 掛川城大手門(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
55 掛川城(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
56 掛川城天守閣からの眺め(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
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58 掛川城天守閣の中(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
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60 JR掛川駅(2008.10.18撮影) 静岡県掛川市
 
掛川駅より新幹線で三島に帰還。それにしても、片道・大人二人で8,600円、三島〜東京間の料金よりも高いとは予想外であった。この先、三島からどんどん遠くなる一方であり、相当の交通費を覚悟しなければならない。
 
【データ】
■東海道歩行距離

今回  14.2km(金谷宿〜掛川宿)
通算 232.2km

■利用交通機関

区間 交通機関
三島〜金谷 JR東海・東海道本線(三島〜金谷)
掛川〜三島 JR東海・東海道新幹線(掛川〜三島)

■費用

用途 金額
JR東海道本線(三島〜金谷)(2人分)
3,240円
JR東海道新幹線(掛川〜三島)(2人分)
8,600円
駐車場代(三島駅前)
900円
飲料(2人分)
410円
掛川城天守閣入館料(2人分)
600円
ソフトクリーム(2人分)
500円
昼食代わり(ビール、フランクフルトソーセージ、etc「道の駅・掛川」)
1,669円
合計
15,919円
累計
136,938円

■立ち寄りポイント
石畳茶屋(金谷坂石畳
庚申堂(金谷坂石畳
すべらず地蔵尊(金谷坂石畳
菊川坂石畳間宿菊川)
久延寺(佐夜の山中)
夜泣き石(佐夜の山中・久延寺)
徳川家康お手植えの松(佐夜の山中・久延寺)
茶亭跡(佐夜の山中・久延寺)
西行法師歌碑(佐夜の山中)
佐夜鹿一里塚佐夜の山中)
涼み松(佐夜の山中)
夜泣き石跡(佐夜の山中)
扇屋本陣(日坂宿)
脇本陣黒田屋跡(日坂宿)
旅籠萬屋跡(日坂宿)
旅籠川坂屋跡(日坂宿)
高札場(日坂宿)
下木戸跡(日坂宿)
伊達方一里塚(掛川市)
葛川一里塚(掛川市)
新町七曲がり(掛川宿)
掛川城(掛川宿)
 
■通過した宿場
(25)日坂宿
(26)掛川宿
 
【地図】