北海道サイクリング 1984
1984年7月29日(日)~8月5日(日)
更新:2022年6月19日(日)
5月の近畿サイクリングの時に、最後に泊まった美杉村の宿で風呂に浸かりながら話した北海道サイクリングの構想。これが実現し、同僚と二人で8日間の北海道ツアーへ。飛行機を使う輪行は、今回が初体験である。
早朝、自転車で沼津のアパートを出発し、国鉄)沼津駅まで走る。
沼津駅で自転車を分解し輪行袋に詰めて、6:38発の電車にて隣の三島駅まで進み、7:10発のこだま310号で東京へ。いよいよ、8日間の北海道サイクリングツアーの始まりである。
日程 | コース | 宿泊地 |
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7月29日 | 沼津→(東海道線)→東京→羽田→(空路)→千歳→(国鉄)→深川→旭川サイクリングロード→宿 | 旭川 「越路荘」 |
7月30日 | 宿→(国鉄)→富良野→(サイクリング)→麓郷→麓郷の森→富良野小学校→喫茶店「時計台」→宿 | 「富良野プリンスホテル」 |
7月31日 | 宿→ワインハウス→富良野駅→(国鉄)→稚内→宿 | 稚内 「喜登旅館」 |
8月1日 | 宿→稚内港→(フェリー)→利尻島(鴛泊)→(サイクリングで島を一周)→宿 | 利尻島民宿 「ホテル北国」 |
8月2日 | 宿→鴛泊港→(フェリー)→稚内港→(サイクリング)→宗谷岬→鬼志別→(国鉄)→稚内→(国鉄) | 車中泊 |
8月3日 | 札幌→北大→大通公園→道庁→時計台→羊ヶ丘→真駒内公園→豊平川サイクリングロード→札幌→サッポロビール園→宿 | 「札幌プリンスホテル」 |
8月4日 | 宿→中島公園→円山公園→藻岩山→すすき野(つぼ八で夕食)→宿 | 「札幌グランドホテル」 |
8月5日 | 宿→札幌→(国鉄)→千歳→(空路)→羽田→東京→(新幹線)→三島→沼津 |
以下は、会社(事業部)の季刊誌に掲載された紀行文である。
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グロワール号 道北を走る
1984年7月29日(日) 深川 〜 旭川
石狩川に沿って函館本線が走る深川の町。8日間にわたるサイクリングの旅は、この地・深川から始まる。
旧函館本線の跡にできた旭川サイクリングロードは,神納橋から神居古潭(かむいこたん)を経て旭西橋までの約20キロのコースである。
道の両側には花々が咲き、時には右手に石狩川の流れを臨むことができる。
二時間余りの軽快な走りを終え旭西橋を渡ると、旭川の街並が広がる。
道北の都・旭川。歌で言うなら、『北の宿から』
7月30日(月) 富良野
富良野線で旭川から一時間、ラベンダーとワインの町・富良野は まさに北海道のど真中(へそ)に位置する。
お腹に顔を描いて街をねり歩くあの“へそ祭り”は昨日終わったとか。
10年前までは過疎化の一途を辿っていたこの町、スキーワールドカップで「フラノ」の名が全国に知れわたり、テレビドラマ『北の国から』では、富良野の四季の美しさ、大自然の雄大さが茶の間の人々を感動させた。
富良野の町を後に、麓郷(ろくごう)に向けてグロワール号は東へと進む。布部(ぬのべ)橋を過ぎてしばらく行くと右手に広大な丘陵が開けてくる。じゃがいも畑、トウモロコシ畑、麦畑と、色とりどりの風景に思わず立止ってしまう。
見わたす限りの丘陵とバックにそびえる十勝岳。
麓郷の森の丸太小屋と冷たい水。
ワインハウスのラベンダー畑と空知(そらち)川の流れ。
そして、“大麓そば”のかしわそば。
とにかく、富良野は素晴らしいところである。
北海道のへそ・富良野。歌で言うなら、『魅せられて』
7月31日(火) 富良野 ~ 稚内
旭川から宗谷本線を北上して2時間余り、列車は音威子府(おといねっぷ)に到着。ここから天北(てんぽく)線に入る。
あれほど暑かった空気も、冷たくさえ感じられる。北の果てに近づきつつあるのだ。
窓の外も、ここまで来ると観光地・北海道といった面影はなく、閑寂な家並が冬の厳しさを連想させる。
浜頓別のあたりから視界が開け、牧場が続く。オホーツクの風が冷たい。
稚内。北端の町。毛ガニがうまかったナァ。
最果ての町。稚内。歌で言うなら、『津軽海峡・冬景色』
8月1日(水) 利尻
稚内を出航して1時間半、利尻島に近づいてきた。あいにく、利尻富士には雲がかかっている。
ペシ岬を皮切りに、左回り利尻島一周60キロのサイクリングスタート。海風が強くペダルが重い。
礼文島の眺めと夕陽の美しさで知られる沓形岬。
御崎公園から姫沼までの海岸線は、海が青く快適なコースである。
風光明媚な利尻島。歌で言うなら、『岬めぐり』
8月2日(木) 宗谷岬 ~ 鬼志別
稚内から30キロ、日本最北端の地・宗谷岬。
宗谷海峡を隔てて、晴れた日には樺太が遠望できる。
丘を越えると、オホーツクの海に出た。冬には、このあたりで流氷が見られるのだろう。
オホーツクには灰色の空が似合う。
知来別から、オホーツクに別れを告げて猿仏(さるふつ)村の原野に入る。
見渡す限りの原野の中を、一本のじゃり道が鬼志別(おにしべつ)に向かって続いている。鬼志別までの間に僅か三台の車にしか合わなかった。
オホーツクの海と猿仏原野。歌で言うなら、『この広い野原いっぱい』
8月3日(金) 羊ヶ丘、真駒内、ビール園 ~ 札幌
涼しかった稚内から、一夜のうちに暑い札幌に戻ってきた。
北大のポプラ並木には、朝のうちから観光客がいっぱいである。
暑さに負けじと郊外の羊ケ丘展望台へ。放し飼いの羊たちよりも、クラーク博士の銅像よりも、木陰での昼寝が最高。
オリンピックスタジアムのある真駒内公園。雨あがりの緑が美しい。
豊平川の河原に降りてサイクリングロードを走る。藻岩山を過ぎると札幌のビル街が近づいてくる。
札幌のビール園。一日汗をかいた後のビールとジンギスカンがうまい。
木陰で昼寝の羊ケ丘。歌で言うなら、『どうぞこのまま』
8月4日(土) 藻岩山、すすきの ~ 札幌
北海道での最後の一日、今日は札幌市内の公園めぐり。
中島公園から円山公園へ。
藻岩山(もいわやま)の展望台からは札幌市街が全望でき、遠く石狩湾が見える。
大通り公園に戻ってくると、“札幌夏まつり”の神輿で大賑わいである。
今夜は最後の夜、薄野(すすきの)に繰り出して、北海道の味覚を肴に大いに飲むとしよう。
夜の街・薄野。歌で言うなら、『北酒場』
つづく(続きは翌年)
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グロワール号 道北を走る
1984年7月29日(日) 深川 〜 旭川
石狩川に沿って函館本線が走る深川の町。8日間にわたるサイクリングの旅は、この地・深川から始まる。
旧函館本線の跡にできた旭川サイクリングロードは,神納橋から神居古潭(かむいこたん)を経て旭西橋までの約20キロのコースである。
道の両側には花々が咲き、時には右手に石狩川の流れを臨むことができる。
二時間余りの軽快な走りを終え旭西橋を渡ると、旭川の街並が広がる。
道北の都・旭川。歌で言うなら、『北の宿から』
7月30日(月) 富良野
富良野線で旭川から一時間、ラベンダーとワインの町・富良野は まさに北海道のど真中(へそ)に位置する。
お腹に顔を描いて街をねり歩くあの“へそ祭り”は昨日終わったとか。
10年前までは過疎化の一途を辿っていたこの町、スキーワールドカップで「フラノ」の名が全国に知れわたり、テレビドラマ『北の国から』では、富良野の四季の美しさ、大自然の雄大さが茶の間の人々を感動させた。
富良野の町を後に、麓郷(ろくごう)に向けてグロワール号は東へと進む。布部(ぬのべ)橋を過ぎてしばらく行くと右手に広大な丘陵が開けてくる。じゃがいも畑、トウモロコシ畑、麦畑と、色とりどりの風景に思わず立止ってしまう。
見わたす限りの丘陵とバックにそびえる十勝岳。
麓郷の森の丸太小屋と冷たい水。
ワインハウスのラベンダー畑と空知(そらち)川の流れ。
そして、“大麓そば”のかしわそば。
とにかく、富良野は素晴らしいところである。
北海道のへそ・富良野。歌で言うなら、『魅せられて』
7月31日(火) 富良野 ~ 稚内
旭川から宗谷本線を北上して2時間余り、列車は音威子府(おといねっぷ)に到着。ここから天北(てんぽく)線に入る。
あれほど暑かった空気も、冷たくさえ感じられる。北の果てに近づきつつあるのだ。
窓の外も、ここまで来ると観光地・北海道といった面影はなく、閑寂な家並が冬の厳しさを連想させる。
浜頓別のあたりから視界が開け、牧場が続く。オホーツクの風が冷たい。
稚内。北端の町。毛ガニがうまかったナァ。
最果ての町。稚内。歌で言うなら、『津軽海峡・冬景色』
8月1日(水) 利尻
稚内を出航して1時間半、利尻島に近づいてきた。あいにく、利尻富士には雲がかかっている。
ペシ岬を皮切りに、左回り利尻島一周60キロのサイクリングスタート。海風が強くペダルが重い。
礼文島の眺めと夕陽の美しさで知られる沓形岬。
御崎公園から姫沼までの海岸線は、海が青く快適なコースである。
風光明媚な利尻島。歌で言うなら、『岬めぐり』
8月2日(木) 宗谷岬 ~ 鬼志別
稚内から30キロ、日本最北端の地・宗谷岬。
宗谷海峡を隔てて、晴れた日には樺太が遠望できる。
丘を越えると、オホーツクの海に出た。冬には、このあたりで流氷が見られるのだろう。
オホーツクには灰色の空が似合う。
知来別から、オホーツクに別れを告げて猿仏(さるふつ)村の原野に入る。
見渡す限りの原野の中を、一本のじゃり道が鬼志別(おにしべつ)に向かって続いている。鬼志別までの間に僅か三台の車にしか合わなかった。
オホーツクの海と猿仏原野。歌で言うなら、『この広い野原いっぱい』
8月3日(金) 羊ヶ丘、真駒内、ビール園 ~ 札幌
涼しかった稚内から、一夜のうちに暑い札幌に戻ってきた。
北大のポプラ並木には、朝のうちから観光客がいっぱいである。
暑さに負けじと郊外の羊ケ丘展望台へ。放し飼いの羊たちよりも、クラーク博士の銅像よりも、木陰での昼寝が最高。
オリンピックスタジアムのある真駒内公園。雨あがりの緑が美しい。
豊平川の河原に降りてサイクリングロードを走る。藻岩山を過ぎると札幌のビル街が近づいてくる。
札幌のビール園。一日汗をかいた後のビールとジンギスカンがうまい。
木陰で昼寝の羊ケ丘。歌で言うなら、『どうぞこのまま』
8月4日(土) 藻岩山、すすきの ~ 札幌
北海道での最後の一日、今日は札幌市内の公園めぐり。
中島公園から円山公園へ。
藻岩山(もいわやま)の展望台からは札幌市街が全望でき、遠く石狩湾が見える。
大通り公園に戻ってくると、“札幌夏まつり”の神輿で大賑わいである。
今夜は最後の夜、薄野(すすきの)に繰り出して、北海道の味覚を肴に大いに飲むとしよう。
夜の街・薄野。歌で言うなら、『北酒場』
つづく(続きは翌年)