勘違いの還暦


勘違いの還暦
2012年1月22日(日) 雨
更新:2023年9月28日(木)
 
金曜日は、定期健診で会社を休んだので、今週末も3連休。ただし、三日ともあいにくの雨模様である。
 
今日は年齢の話をする。
 
私だけかもしれないが、つい最近まで、還暦のことを間違って認識していた。還暦は、満60歳の誕生日に迎えるものだと思い込んでいたのである。これは大きな誤りであった。
正しくは、数え年の61歳で迎えるのが還暦である
 
ご存じの様に、数え年出産日が1歳である。
そもそも、「生命」と言うものは、母親の胎内からオギャアと出て来た時に誕生する訳では無く、母親の胎内で誕生するものである。そして、俗に言う十月十日(とつきとうか、28日×10ヶ月+10日=290日)の間、母親の胎内で成長したあと、オギャアと胎内から出て来るのである。
だから、「数え年」では、出産時を1歳と考えるのである。
以降の加齢は、誕生日ではなく元日(1月1日)、即ち、暦(こよみ)が変わる日である。従って、還暦とは、分かり易く言うと、
 
 ❏誕生日が1月1日(元日)以外の人 :満59歳で迎えた元日が還暦である。
 
 ❏誕生日が1月1日(元日)の人 :満60歳で迎えた元日(即ち、誕生日)が還暦である。
 
還暦」の意味を考えてみれば当たり前のことで、(こよみ)が一周する、即ち干支(の組合せ)が一周するのが還暦なのだから、暦の変わり目である元日が還暦を迎える日なのである。
1954年生まれの私の同級生は、早生まれ(1955年/1月1日〜4月1日生まれ)の人を除き、全員が同日(2014年/1月1日)に還暦を迎えるのである。
 
ついでに、年齢に名前の付いたものは、還暦と同様、すべて数え年であり、元日に迎えるものである。分かり易く満年齢に換算すると以下のとおりである。
 
還暦[かんれき](数え年の61歳)
    誕生日が1月1日以外の人 → 満59歳の元日
    誕生日が1月1日の人   → 満60歳の元日
 
古稀[こき](数え年の70歳)
    誕生日が1月1日以外の人 → 満68歳の元日
    誕生日が1月1日の人   → 満59歳の元日
 
【2023/9/28追記】
私は、今年の元日、めでたく古稀を迎えた。(1954年の夏生まれ、満69歳。元日時点は満68歳)
 
喜寿[きじゅ](数え年の77歳)
    誕生日が1月1日以外の人 → 満75歳の元日
    誕生日が1月1日の人   → 満76歳の元日
 
    名前の由来:「喜」の漢字を草書体で書くと上から下に七十七と書くため。
 
傘寿[さんじゅ](数え年の80歳)
    誕生日が1月1日以外の人 → 満78歳の元日
    誕生日が1月1日の人   → 満79歳の元日
 
    名前の由来:「傘」を略して書いた時に八十に似ているため。
 
米寿[べいじゅ](数え年の88歳)
    誕生日が1月1日以外の人 → 満86歳の元日
    誕生日が1月1日の人   → 満87歳の元日
 
    名前の由来:「米」は文字を上から分解すると八十八となるため。
 
卒寿[そつじゅ](数え年の90歳)
    誕生日が1月1日以外の人 → 満88歳の元日
    誕生日が1月1日の人   → 満89歳の元日
 
    名前の由来:「卒」の略字がと書く。
 
白寿[はくじゅ](数え年の99歳)
    誕生日が1月1日以外の人 → 満97歳の元日
    誕生日が1月1日の人   → 満98歳の元日
 
    名前の由来:算数。百から一を引いたら
 
ついでに言うと、厄年(やくどし)や亡くなった時の年齢(享年、行年)も数え年で言う。ただし、厄年については、元日ではなく節分(旧暦の正月)で入ったり明けたりすると言う説もあるらしい。
 
三つ目のついでであるが、干支は以下の60年で一周する。以下の十干、十二支の組み合わせである。全組み合わせが一通り終わるのが60年である。
 
 ●十干
    甲(きのえ)
    乙(きのと)
    丙(ひのえ)
    丁(ひのと)
    戊(つちのえ)
    己(つちのと)
    庚(かのえ)
    辛(かのと)
    壬(みずのえ)
    癸(みずのと)
 
 ●十二支
    子(ね)
    丑(うし)
    寅(とら)
    卯(う)
    辰(たつ)
    巳(み)
    午(うま)
    未(ひつじ)
    申(さる)
    酉(とり)
    戌(いぬ)
    亥(い)
 
十干と十二支の組み合わせなので、「甲子」から始まり「癸亥」で終わるのに60年掛かる訳である。
昔、数学の順列組合せで習ったが、
順列は、順序が違えば別物として数えるので10×12=120通り。
組合せの方は、順序は関係ないので、例えば「甲子」と「子甲」は同じだから10×12÷2=60通りである。従って干支は60年で一回りする。
 
甲子園は、甲子の年(1924年)に出来た野球場、辛亥革命は辛亥の年(1911年)に起こった革命、戊辰戦争は戊辰の年(1868年)に起こった戦争と言うことである。
 
今日は、歴史に数学と、なかなか格調高いブログであった。[自画自賛](^^;)