阿武隈急行


阿武隈急行
2010年6月25日(金) 晴れ
 
本日は、仕事で福島に出張してきた。
 
朝、自宅で時間調整して8時半に家を出る。東海道新幹線、東北新幹線と乗り継いで福島へ。東北新幹線に乗るのは、実に13年ぶりである。
10:20東京発の二階建てMAX「やまびこ」に乗り込む。毎日乗っている東海道新幹線の車両とは異なり、2階席からの眺めが目を楽しませてくれる。
それにしても、東北新幹線の高架は本当に高い。大宮まではこの高さがずっと続くのだが、4階建てのマンションを見下ろすくらいの高さである。
 
大宮を過ぎた辺りから、車窓は田園風景へと変わって行く。途中、那須岳山頂の茶色い山肌、郡山中心部の道路など、昔訪れたことのある懐かしい風景を楽しむうちに、2時間ほどで福島駅に到着。ここからは阿武隈急行に乗り換えて、出張先の保原(ほばら)へと向かう。
 
阿武隈急行のホームでまず驚いたのが、電車のドアを自分で開けなければならないと言うことである。以前、「東海道ふたり旅」の時に、JR身延線の柚木(ゆのき)駅で初めて同じ体験をし、「何故、ドアが開かないんだろう」と思ったものだが、今回が2回目の体験とは言え、慣れていないと、ついついドアが開くのを待ってしまう。
 
電車は、のどかな田園地帯をゆっくりと進む。数駅先での出来事であるが、サラリーマン風の男性が降りようとしてドアの開閉ボタンを押しているのに、何度押してもドアが開かない様なのである。結局、その男性はドアの開いている前の車両まで急いで走り、何とか降りる事が出来た様である。
そこで、次の駅の手前で流れる車内アナウンスに聞き耳を立ててみたところ、「ワンマン運転の場合は、先頭車両のドアしか開きません」という説明が流れていた。先頭車両を見ると、確かに運転士さんの横に料金箱が設置されているのが見えた。無人駅では、ここに切符を入れてから降りろと言う事なのだろう。だから、先頭以外の車両のドアは開かなくしていると言うことか。
 
保原駅に到着。私は先頭車両の一番前まで移動し、前のドアから下車。ところが、連れの同僚は2両目のドアから悠々と下車している。どうやら、ワンマン運転の場合でも、駅によって1両目しか開かない場合と全車両とも開く場合がある様である。初めて乗る人間には、なかなか分からない仕組みである。
 
保原の駅に降り立つと、もの凄い暑さ。盆地と言うこともあるのだろうが、この暑さはもう真夏である。恐らく30度は優に超えていることだろう。
駅から5分ほど歩いたところに、出張先のグループ会社の工場はあった。
今日は、仕事とは言っても、ここの工場見学が目的である。生産工場のラインとリサイクル工場を見学させて貰ったが、生産ラインにはトヨタのジャスト・イン・タイム方式が採用されており、在庫を最小限に抑えるために、ラインの生産能力に合わせてタイムリーに部品供給される様に、部品の入庫管理がされている。
また、コンピュータとバーコードを駆使して、人手の流れ作業を助ける各種の工夫が取り入れられており、これらの工夫は日頃から作業方法の見直しやカイゼン提案が継続的になされている結果であることが感じられた。まさに人の英知を結集した結果である。
 
16:29、保原駅から電車に乗り帰途に付く。
途中、福島の街にて一杯やってから帰る事になり、駅前の「天狗」で酒盛り。暑かったせいでビールが進む。
福島駅を出たのは夜の8時前であり、11時過ぎに三島の自宅に帰還。楽しい一日であった。