東海道ふたり旅(27) 枚方宿〜追分〜蹴上(56:淀宿、57:伏見宿)
2009年7月4日(土)~7月5日(日)
更新:2020年6月29日(月)
❏7月4日(土) 晴れ
6:50の始発の「こだま」で三島駅を出発。
京都から、JR奈良線で東福寺まで行き、京阪本線に乗り換えて枚方(ひらかた)公園駅へ。
実は、この枚方には、私の家族(両親と兄姉)が昔住んでいたことがある。末っ子の私が生まれる前の話であるから、昭和20年代のことである。
先週の中断地点から、旧東海道の旅を再開。
枚方市は、枚方宿のことに力を入れているらしく、あちこちに宿場に関する説明パネルや石柱が整備されている。
実は、東海道五十七次のルート情報も、枚方文化観光協会が発行しているイラストマップを入手して得たものである。
歩き始めて2㎞弱で、一つ先の駅・枚方市駅前に到着。
本日は、朝食を取ったのが4時半だったので、お昼には少し時間が早いが昼食を取ることにした。
駅前の「やよい軒」という店に入ったのだが、値段の安さには驚いた。定食が600円台、ビールの小ジョッキが250円という安さである。
食い倒れ大阪は食事が安い、と言うことは昔から知ってはいたが、改めて認識させられた。
昼食後、旅を再開。
東見附跡を過ぎると、それまで色々と整備されていた枚方宿の案内が、全く目に入らなくなった。
暑い日差しの中、黙々と先に進む。
楠葉(くずは)駅を過ぎた少し先の道が、事前に調べた地図には載っておらず、イラストマップを頼りに、現地で探しながら歩くしかないと覚悟していたのだが、地図に載っていない理由が現地に来て分かった。
田圃の畦道(あぜみち)だったのである。この道が昔の京街道(東海道)だったのだと思うと、ちょっとビックリである。
橋本駅の辺りから、京街道は淀川の土手の下の道となる。
そうして、八幡市駅のところで、木津川、宇治川に架かる御幸橋(ごこうばし)を渡ると、淀宿はもうすぐである。
ちなみに、木津川、宇治川、桂川が合流して淀川となる。
淀の街(淀宿)に入ったところ、街のあちこちに警備員が配置されていた。
いったい何を警備しているのだろうかと思っていたのだが、少し先に進んで疑問が解決した。
淀にある京都競馬場で、競馬が開催されていたのだ。警備員は、恐らく競馬場に詰めかけた人達の交通整理のために配置されたのだろう。
京都競馬場の横を通り過ぎ、宇治川の土手の道に出て北上するうちに、やがて道は伏見宿に入って行く。
肥後橋を渡っていると、橋の下を十石舟が観光客を乗せて通り過ぎて行った。
時間があれば、私達も十石舟で川遊びをしたい所ではあるが、本日は我慢。
坂本龍馬が襲撃された寺田屋事件の寺田屋、月桂冠の大倉記念館と回って、最後は黄桜カッパカントリーに入って日本酒の飲み比べを楽しむ。
飲み比べセットで軽く抑えるつもりで入ったのだが、酒肴に注文した賀茂茄子田楽が美味しくて、ついつい地ビールまで飲んでしまった。予定外の出費である。
ほろ酔い気分で伏見の街を歩き、京阪丹波橋駅の近くまで来たところで、本日の旅は終了することにした。電車で、本日のホテルがある清水五条(きよみずごじょう)駅へ。
ホテルにチェックインした後、木屋町通りに出て納涼床のある店を探す。
事前に調べていた おばんざいの店「和」という店に行ったのであるが、納涼床は満席とのこと。土曜の夜、しかも祇園祭の最初の週末とあっては、予約が必須であったらしい。
納涼床は諦めるしかないと思いつつ、少し先の「あと村本店」に入って聞いてみた所、空席があるとのこと。ラッキーであった。
この店では、メニューが無く、コース料理しか無いとの事だったので、提示された3コースのうちの真ん中、1万円コースを注文。
高い値段だけあって、鱧(はも)料理、加茂茄子、鱧寿司を始め、どの料理も実に美味かった。初体験の納涼床、美味しい京料理、大満足の夜であった。
[2020/6/29追記]
因みに、「納涼床」の読み方について、私は「のうりょうどこ」とずっと思っていたのだが、テレビを見ていて「のうりょうゆか」と言ってたので、自分の間違いに気付いた。
ところが、今、ネットで調べたところ、どちらもOKなのだそうである。
京都では、鴨川と貴船が納涼床(川床)が有名であるが、鴨川では川床(かわゆか)、納涼床(のうりょうゆか)と発音し、貴船では、川床(かわどこ)、納涼床(のうりょうどこ)と発音するそうである。
京都の人なら、誰でも知ってる事らしい。
❏7月5日(日) 晴れ
8時に宿を出発。電車で丹波橋まで移動したあと、旅を再開。
墨染駅の踏切を渡り、JR藤森(ふじのもり)駅の先から坂道を登って行くと、道は名神高速道路に沿う形となり、東へと延びる。
勧修寺(かじゅうじ)のところで名神高速道路とは別れを告げ、道は小野の町、奈良街道へと入って行く。
この小野と言う町は小野小町で有名な町である。
奈良街道を北上し、しばらく進むうちに、ようやく先週到達した「追分」に到着。
旧東海道のうち、京街道(高麗橋〜追分)は完歩である。
追分道標のところで記念撮影をしていたところ、通りかかった地元の年配の女性の方から声を掛けられた。
自宅の前に大きな糸車を置いてあるので、旧東海道を歩く人達から良く声を掛けられるのだそうだ。
話をするうちに、いいものをあげるとの事。着いて行くと「お香入りの福鈴」と言うのを夫婦に二つずつくれた。有り難いことである。
お礼を言って旅を再開。
追分を、今度は京の方向に向かう。
本日の予定は山科までであるが、お昼前に着いてしまいそうなので、もう少し先まで行くことにした。
最終ゴールの三条大橋まで歩いても20㎞足らずなので、十分歩ける距離なのだが、ゴールは、7月18日(三連休の初日)と決めてあるので、本日のゴールは、その手前に留めておく必要があるのである。
結局、三条大橋の手前2㎞弱の蹴上(けあげ)まで行くことにした。
蹴上と言えば、南禅寺、永観堂、哲学の道などの名所が近くにあるところである。
1時前に蹴上に到着。ここで今回の旅は終了。
地下鉄で京都市役所前まで行き、木屋町通りを四条まで南下してきて、目当ての甘味処「弥次喜多」へ。
ここの宇治氷は、量が多くて人気があるとか。夫婦で宇治金時を注文。
甘くなくて、抹茶の濃厚な味のかき氷である。歩いた後だけに何とも美味しくて、ペロリと平らげてしまった。
お昼は鰊(にしん)そばにする予定であったが、錦市場を歩くうちに気が変わり、新幹線に乗って弁当とビールで済ませることにした。
錦市場では、加茂茄子、田楽味噌、ちりめん山椒を買い求め、京都駅へ。
昨年(2008年)の5月3日、雨の中、日本橋を出発した東海道ふたり旅も、いよいよ、次回、7月18日にゴールを迎える。思えば、よくもここまで来たものだ。
【データ】
■東海道歩行距離
今回 | 39.2km(枚方公園駅〜蹴上) |
---|---|
通算 | 542.6km |
■利用交通機関
区間 | 交通機関 |
---|---|
自宅〜三島駅 | タクシー |
三島〜京都 | JR東海・東海道新幹線(三島〜京都) |
京都〜東福寺 | JR西日本・奈良線(京都〜東福寺) |
東福寺〜枚方 | 京阪電車・京阪本線(東福寺〜枚方公園) |
伏見〜五条 | 京阪電車・京阪本線(丹波橋〜清水五条) |
五条〜伏見 | 京阪電車・京阪本線(清水五条〜丹波橋) |
蹴上〜京都市役所前 | 京都市営地下鉄・東西線(蹴上〜京都市役所前) |
四条〜京都駅 | 京都市営地下鉄・烏丸線(四条烏丸〜京都駅) |
京都〜三島 | JR東海・東海道新幹線(京都〜三島) |
三島駅〜自宅 | タクシー |
■費用
用途 | 金額 |
---|---|
タクシー(自宅〜三島駅) | 1,280円 |
JR東海道新幹線、JR奈良線(三島〜京都〜東福寺)(2人分、回数券利用) | 18,880円 |
京阪本線(東福寺〜枚方公園)(2人分) | 680円 |
京阪本線(丹波橋〜清水五条)(2人分、往復) | 800円 |
京都市営地下鉄東西線(蹴上〜京都市役所前)(2人分) | 420円 |
京都市営地下鉄烏丸線(四条烏丸〜京都駅)(2人分) | 420円 |
JR東海道新幹線(京都〜三島)(2人分、回数券利用) | 18,880円 |
タクシー(三島駅〜自宅) | 1,230円 |
飲料(2人分) | 700円 |
昼食、ビール(枚方「やよい軒」)(2人分) | 2,010円 |
酒、地ビール(伏見「黄桜カッパカントリー」)(2人分) | 4,470円 |
アイスクリーム(2人分) | 271円 |
夕食、ビール(京都「あと村本店」納涼床)(2人分) | 24,700円 |
宿泊料(京都五条「サンルート」)(2人分) | 14,500円 |
宇治金時(京都四条「弥次喜多」)(2人分) | 1,560円 |
昼食(新幹線車内、弁当)(2人分) | 1,660円 |
ビール(新幹線車内)(2人分) | 930円 |
おつまみ(新幹線車内) | 750円 |
お土産(栗、出町ふたば) | 1,380円 |
合計 | 95,521円 |
累計 | 660,245円 |
■立ち寄りポイント
・西見附跡(枚方宿)
・鍵屋(枚方宿)
・本陣跡(枚方宿)
・常夜灯(枚方宿)
・宗左の辻道標(枚方宿)
・枚方橋跡(枚方宿)
・東見附跡(枚方宿)
・楠葉砲台跡(枚方市)
・柳谷渡し道標(八幡市)
・淀小橋旧址(淀宿)
・戊辰役の碑(淀宿)
・寺田屋(伏見宿)
・月桂冠大倉記念館(伏見宿)
・黄桜カッパカントリー(伏見宿)
・伏見義民小林勘次の碑(伏見宿)
・大宅一里塚跡(山科)
・車石(大津市)
■通過した宿場
(56)淀宿(東海道五十七次)
(57)伏見宿(東海道五十七次)
【地図】
<補足>
これまでの地図は、江戸→京都(南西への移動)だったので、地図の順番は上→下、地図内の進行方向はザックリ言うと右→左だったが、今回の地図は、大坂→滋賀→京都(北東への移動) のため、見やすさを考慮して、地図の順番を下→上に変えている。地図内の進行方向は、左→右、下→上のものが多い。
従って、進行方向順に見るには、一番下の地図から上の地図に向かって見ると分かり易い。
・西見附跡(枚方宿)
・鍵屋(枚方宿)
・本陣跡(枚方宿)
・常夜灯(枚方宿)
・宗左の辻道標(枚方宿)
・枚方橋跡(枚方宿)
・東見附跡(枚方宿)
・楠葉砲台跡(枚方市)
・柳谷渡し道標(八幡市)
・淀小橋旧址(淀宿)
・戊辰役の碑(淀宿)
・寺田屋(伏見宿)
・月桂冠大倉記念館(伏見宿)
・黄桜カッパカントリー(伏見宿)
・伏見義民小林勘次の碑(伏見宿)
・大宅一里塚跡(山科)
・車石(大津市)
■通過した宿場
(56)淀宿(東海道五十七次)
(57)伏見宿(東海道五十七次)
【地図】
<補足>
これまでの地図は、江戸→京都(南西への移動)だったので、地図の順番は上→下、地図内の進行方向はザックリ言うと右→左だったが、今回の地図は、大坂→滋賀→京都(北東への移動) のため、見やすさを考慮して、地図の順番を下→上に変えている。地図内の進行方向は、左→右、下→上のものが多い。
従って、進行方向順に見るには、一番下の地図から上の地図に向かって見ると分かり易い。