1987年春 憧れのハワイ航路(1) 成田〜ホノルル〜マウイ島ホテル
1987年4月19日(日)~4月28日(火)
【スケジュール】
日付 |
時刻 |
場所 |
内容 |
宿 |
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4月19日(日)JPN | 11:00 | 沼津 | ●社宅を出発 | |
〃 | 21:00 | 成田空港 | ●ユナイテッド航空UA-830便で成田を出発 | 機内 |
4月19日(日)ハワイ | 09:00 | ハワイ・オアフ島 | ●ホノルル空港に到着 | |
〃 | 11:15 | 〃 | ●マウイ島に出発 | |
〃 | 11:45 | ハワイ・マウイ島 | ●カフルイ空港に到着 ●観光センター(ランチ)〜イアオ渓谷〜ラハイナ〜さとうきび列車〜カアナパリ〜ホテル |
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〃 | 夕方 | 〃 | ●ディナーショー(カアナパリのホテル) | マリオットホテル |
4月20日(月)ハワイ | 06:00 | マウイ島 | ●ホテルを出発。モロキニ島シュノーケリングツアー(朝食付) | |
〃 | 午後 | 〃 | ●カアナパリを散策(ランチ)、ラハイナを散策(夕食) | マリオットホテル |
4月21日(火)ハワイ | 午前 | マウイ島 | ●カアナパリビーチで海水浴、ラハイナ散策(ランチ) | |
〃 | 午後 | 〃 | ●ラハイナ散策、カアナパリ散策(夕食) | マリオットホテル |
4月22日(水)ハワイ | 10:20 | マウイ島 | ●カフルイ空港を出発 | |
〃 | 10:50 | オアフ島 | ●ホノルル空港に到着。 ●アヌアパリ〜パンチボウルの丘〜アラモアナショッピングセンター〜ホテル |
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〃 | 午後 | 〃 | ●カラカウア通り散策(ランチ、夕食) | ハイアットリーゼンシーホテル |
4月23日(木)ハワイ | 午前 | オアフ島 | ●ハナウマ湾ツアー(ランチ) | |
〃 | 午後 | 〃 | ●カラカウア通り散策(夕食) | ハイアットリーゼンシーホテル |
4月24日(金)ハワイ | 午前 | オアフ島 | ●ワイキキビーチで海水浴 | |
〃 | 午後 | 〃 | ●カラカウア通り散策(夕食) | ハイアットリーゼンシーホテル |
4月25日(土)ハワイ | 午前 | オアフ島 | ●カラカウア通り散策(ランチ) | |
〃 | 夕方 | 〃 | ●サンセットクルーズ(夕食) | ハイアットリーゼンシーホテル |
4月26日(日)ハワイ | 12:00 | オアフ島 | ●ユナイテッド航空UA-831便でホノルル空港を出発 | |
4月27日(月)JPN | 15:00 | 千葉 | ●成田空港に到着 | ホテルニューオオタニ |
4月28日(火)JPN | 午前 | 沼津 | ●社宅に到着 |
❏4月19日(日) オアフ島~マウイ島
《1日目》4月19日(日) オアフ島~マウイ島 |
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今朝は月に一度の社宅集団清掃の日である。そして、私達の新婚生活初日でもある。
【1】自宅(静岡県沼津市)
昨日は結婚式・披露宴のあと0時頃まで二次会で盛り上がっていたというのに、今朝は8時から社宅の周りの草むしり。まあ、これも一生の思い出になっていいか。
9時半頃に清掃を終え、風呂で汗を流して旅行の支度。11時に社宅を出る。
途中、カミサンの実家に寄り留守中を頼んでから三島駅に向かう。
【2】三島駅〜成田空港
改札を抜け新幹線ホームに上がる。荷物は、友達に借りた大型トランク、ビデオケース、カメラの入ったショルダーバッグ。勿論、トランクをホームに上げるのは私の役目。
電車が来るまでに少し時間があったので立ち喰い蕎麦を食べる。これが結構美味い。
出張だと東京までの1時間が長いのだが、二人だとアッという間。
八重洲口を出ると、トランク携帯者用のワゴン型タクシーが駐まっていたので乗り込み箱崎に向かう。
途中、運転士さんに2万円で成田まで直行しないかと誘われたが、時間はたっぷりあるし無駄使いはしたくないので予定どおり箱崎へ。
予定より1時間早く箱崎エアーターミナルに到着。
ロビーではテレビで西武戦をやっている。トランクを押しながら奥に進んで行くと、トイレに行っていたカミサンが私を驚かそうと柱の蔭に隠れているのが見える。ルンルン気分の様である。
2階に上がり、成田までのリムジンバスのチケット(2,500円)を購入。
バスは首都高速に乗り湾岸道路経由で千葉方面に向かう。バスが動き出すと、カミサンは早速ショルダーバッグの中からサングラスと森永パイの実を出してムシャムシャやり出した。
高速道路は思ったほど混んでなくスムーズに進んでいる。
湾岸沿いに走っていたバスは次第に山の中に入って行き、外の景色は郊外の様相を呈してきた。
成田を目前にした所で機動隊による検問に引っ掛かる。どこかのお偉いさんでも来るのだろうか。バスを降ろされた上にトランクを開けさせられ、とんだ迷惑であった。
【3】成田空港
バスを降りて空港内を南ウィングに向かう。ロビーの中は人、人でごった返しており、中でも新婚カップルが目立つ。
集合時間の19時までにはたっぷり間があるので、取りあえずトランクを一時預かりに預けた。
レストランに入ってジャージャー麺と何とかラーメンとビールを頼み、長旅の前に腹ごしらえ。窓越しにはJALや大韓航空機の翼が夕日に光るのが見える。我々も数時間の後にはあの中に座ってハワイに向かうのだ。
集合の時間が近づいて来たので集合場所であるユナイテッド航空カウンター前に移動。
暫く待つが、それらしい人が見当たらない。JALPACKやMACHの方は続々と人が集まって来ているというのに。「JOWAツアー」なんて余り有名でないし、もしかして詐欺に引っ掛かったのではないかと少し心配になる。
そのうちにJOWAツアーの係員らしき人がやっと現れ、搭乗券を手渡された。JOWAツアーの参加者は、我々を含めてハネムーナー3組であったが、うち1組は座席が通路を挟んで両側に分かれるのだそうである。クジ引きの結果、幸い我々は続きの席になった。
搭乗手続きが終わると一旦解散。各自、時間を見計らって搭乗することになっている。ツアー料金が安い分、添乗員がいないのでまあ仕方無いか。
腹ごしらえもしたし、時間はまだたっぷりあるし、する事がないのでベンチに腰掛けて行き交う人を眺めていたが、中々時間が過ぎない。
少し早いが、出国手続きもあるので搭乗ロビーに進むことにした。南ウイングロビーからエスカレータを降りると搭乗口である。そう、映画によく出てくるあのエスカレータである。
出国手続きは簡単なもので、パスポートに何だかスタンプをペタペタ押されて、ホッチキスで何かを留めて終わり。それにしても、人のまっ沙羅なパスポートを邪険に扱い2ページ一緒にホッチキスで留めてしまった。
搭乗口の待合室で暫く待っていたが、搭乗口に列が出来始めたので末尾に並んで搭乗を開始。
機内に入ると、何と外人のスチュワーデスである。ユナイテッド航空だから当然と言えば当然。客も半分は外人であり、まだ飛び立った訳ではないのにもう外国の雰囲気が漂っている。
【4】成田空港〜ホノルル空港
21時過ぎ、滑走路が混み少し遅れたが、いよいよUA-830便の離陸である。32年間住み続けた日本とも暫くのお別れだ。
定常飛行に入ると早速夕食が運ばれて来た。そう言えば機内食と言うのも初めてである。
国内線と違い、エコノミークラスのため音楽を聴くのも有料である。明日のことを考えて寝れる時に寝ておこうと思うが中々寝つけない。
皆眠りに付いたのか機内は段々静かになっていく。
夜中の2時を回った頃か、とは言っても実時間がどうなっているかは分からないが、さっき夕食を取ったばかりなのに今度は朝食だそうだ。
洋食に寿司が付く奇妙な取りあわせの食事であった。7時間の間に2度の食事をするのだから仕方がない。
食事をして暫くすると外が明るくなった。小さな窓越しに時々島が見える。何だかチェックシートの様なものが配られて色々と記入。そろそろハワイに着くらしい。
ダイヤモンドヘッドが見えて来た。ハワイの天気は薄曇りと言ったところか。ホノルル空港の滑走路が段々と近づいてきた。
【5】ホノルル空港
ハワイ時間の4月19日(日)午前9時(日本との時差は19時間だから、日本時間は4月20日(月)午前4時)、ホノルル空港に着陸。機外に出て到着ロビーのあるメインターミナルまでの循環バスを待つ。
日本を出た時の恰好のままなのでブルゾンを着ているが、やはりハワイでありムッとする暑さである。
バスで到着ロビーまで向かい入国手続きを済ませる。一生懸命練習してきたのに、係官は日本語で聞いて来た。
到着広場に立っていると日系の現地ツアー担当が近づいて来て、目印のシールを袖に貼り、付いて来る様に言うので言われるままについて行った。
途中、現地人の若い男女から花で作ったレイを掛けて貰い記念撮影。国内線の出発ロビーに向かう。
ツアー担当の人は国内線のロビーでマウイ島行きの搭乗手続きをし、搭乗口まで連れて行ってくれた。搭乗口といっても船着き場みたいな所である。時間がきたらここから搭乗してくれと言い残しツアー担当者は行ってしまった。
時間があるので、冷たいものでも飲むことにし、そばの店に入った。さあ、英語を話すのもドルを使うのも初めてである。と意気込んだのであるが、店は前払い制のセルフサービスであり、特に会話は必要なくお金を払うだけだった。私はコーラ,和子はトロピカルドリンクを飲む。
外に出て、搭乗前に出すものを出すべくトイレに行く。ここのトイレはドアが中段部分しかなく、下は素通しのためトイレの中の人の足が見える。また、便座にしくペーパーが付いていた。最近はエイズが流行しているのでペーパーが付いているのだろうか。ちょっと足元がスースーして落ち着かないが、まあ何とか用を足した。
時間より少し早目に搭乗口に並んだお陰で先頭で搭乗でき、一番いい席を選べた。11:15、マウイに向かって離陸。ダイヤモンドヘッドが良く見え、次第にオアフ島を離れて行った。
【6】マウイ島・カフルイ空港〜ホテル
30分ほどでマウイ島のカフルイ空港に到着した。曇り気味の空であり小雨が少し落ちている。
空港の出口付近に黄色いアロハを着た二人のツアー担当者が待っており点呼を取っている。一人は金髪で鼻の下に髭をはやした広島訛りの日本語を話す青年である。
回りをよく見ると、JALパック、MACH、その他色々なツアー客が集まっている。要は日本国内のツアー会社は別々でも、現地ハワイでは同じツアー会社に委託されるので待遇は同じということだ。安いツアーにしておいてラッキー。
荷物を預けてバスに乗り込む。簡単な説明しかないので本当に間違いないのかちょっと心配。
バスは発車し、島めぐりが始まる。
まずは、観光センターでバイキングの昼食。肉、果物、ソーメンと何でもあってボリュームが凄い。
食事を済ませイアオ渓谷に向かう。
バスの中では添乗員の日系のおばさんが親切にガイドしているが、乗ってるカップルは時差ボケのせいで皆コックリコックリ。
イアオ渓谷では生憎どしゃぶりの雨であったが出発する頃にようやく雨が上がる。
高見山(相撲の大関高見山)の故郷のそばを通り海岸線に出てラハイナに向けてバスは走る。ラハイナは昔の捕鯨基地である。この辺りの海には座頭鯨が生息しているとのこと。
ラハイナに到着。雨は上がり青空が見えて来た。自由時間となったので店を回りアロハを物色。色々な柄のアロハが並んでいたが、じっくり見て選びたいので今回は見るだけ。
ラハイナを後に、バスはカアナパリまで進む。
さとうきび列車の駅でバスを降り、さとうきび列車で再びラハイナへ。列車の中ではDJの音楽が流れている。
ラハイナの駅で一行は解散となり、それぞれのホテルに向かうことになった。我々のホテルはカアナパリビーチのマリオットホテルである。
我々の引率係は戦争で日本にも行った事があるという日系のお爺さんであった。
お爺さんの車でホテルに到着。チェックイン手続きをした後、ホテルのレストランの場所を教えて貰った。
部屋に入ろうと思い荷物の到着場所に行ったところ、我々のトランクが届いていない。お爺さんが電話で事務所に問い合わせるが、日曜日のためか誰も電話に出ない。「皆、若いのばかりだから何処かでビールでも飲んでいるのだろう」と笑いながら言っていたお爺さんも、カミサンの機嫌が段々悪くなって行くので、帰るに帰れなくなりオロオロし始めた。日本に行った時の写真を見せたりして、しきりになだめようとしているがカミサンの機嫌は悪くなるばかり。
1時間ほど荷物が届くのをフロント前で待っていたのだが、全く届く気配がない。
そのうちに、今晩のディナーショーの説明をまだ受けていなかったので聞いてみたら、そんな話は知らないとお爺さんは言う。名簿にもディナーショーの事は書かれていないと言う。また事務所に何度か電話してやっと電話が通じた。
ディナーショーはマリオットホテルに泊まる予定のもう一組のカップルに4人分のチケットを預けてあるので、一緒に行かなければならない事になっているそうである。
多分、お国柄の違いなのだろうが、そんなことは初めての海外旅行である我々には分かる筈もなく、度重なる手際の悪さに和子の機嫌は益々悪くなるばかり。
引率係のお爺さんが悪い訳ではないのだが、カミサンがお爺さんに当たるので気が気ではない。
何で部屋に入れないのかと文句を言ったので、結局、先に部屋に入り、荷物は後からお爺さんが部屋まで届けると言ってくれた。
【7】マリオットホテル(マウイ島)
エレベータを降りると、部屋までの通路はマンションの通路の様に屋外の回廊になっている。
部屋は20畳以上あると思われ、ゆったりとしている。ツインベッドの他に机やソファなどの調度品が置かれている。ベランダからはホテルの中庭、ビーチ、海の向こうにはラナイ島が一望できる。
部屋に入ると、カミサンはふくれて私とも口を聞かずにさっさとバスルームに入ってシャワーを浴びている。どうやら私にも八つ当たりしている様だ。・・・と分かったのはずっと後のことで、その時は何で私に対して怒っているのか原因が分からず困ってしまった。
結婚すると見えなかったものが見えて来るとか、新婚旅行では必ず夫婦喧嘩するものだとか良く言われているが、早速それを実感したと言うことか。
そのうちに、お爺さんがトランクを部屋まで運んで来てくれた。おまけに、今晩のディナーショーにも車で送ってくれると言ってくれた。カミサンが余りにも機嫌が悪くなったので気を使っているのだろう。
【8】ディナーショー
5時半にお爺さんが迎えに来てくれた。我々ともう一組のカップルを乗せてディナーショーのあるホテルへ。
会場の入口で、チケットを持っているもう一組のカップルが係の女性に名前を告げたところ、予約が入っていないと言う。すったもんだした挙げ句、我々の方の名前を告げたら我々の名前で4名予約されていた。何とも手際が悪い。
記念撮影をして中に入る。
会場の中は薄暗く、ステージは幕が閉じたままである。バイキングで色々な食べ物が並んでいる。周りを見たが日本人は我々4人だけらしい。
アメリカ人の客は皿を二枚も三枚も持って山盛り料理を取っている。ケーキなんか3個も取っている。体も大きいが本当に良く食べる。
沢山の料理とケーキを目の前にして、いつの間にかカミサンの機嫌が直った様だ。
ワインを注文したらグラスを二つしか持って来ない。ウェイトレスにこう言った。”Two more glasses, please. ”ハワイに来て初めて使う記念すべき英語である。(^^;) 向かいのカップルにもワインのおすそ分け。
料理をおなか一杯食べてケーキも食べてしまったが、ショーは未だ始まる気配がない。間が持てないので退散することにした。
日本の感覚で料金を払おうと出口に向かって歩いていたら、ウェイトレスが慌てて飛んできた。喰い逃げされると思ったらしい。ウェイトレスにワインの料金とチップを渡す。
ホテルのロビーで循環バスを待つうちに、玄関に緑色のカアナパリホテル間循環無料バスが到着。マリオットホテルに帰ってきた。
部屋に戻り風呂に入る。備付けの石鹸は帆立て貝のデザインであり使ってしまうのが勿体ないくらいに可愛らしい。
入浴のあとは明日の支度。明日は早朝からモロキニ島にシュノーケリングしに行く予定だ。
社宅の草むしりに始まった長い長い新婚初日がやっと終わった。