天ヶ瀬温泉での正月
2009年12月31日(木)~2010年1月2日(土)
2010年の正月は、大分県の天ヶ瀬温泉で迎えた。
宿は、「山荘 天水」。
この宿はとても人気があり、前年の1月に翌年の正月の予約を取ろうとしても取るのが難しい宿である。
何と言っても料理が素晴らしく、また、温泉も内風呂、滝見の露天風呂、5種類の家族露天風呂があり言う事なしである。従業員の応対も感じが良い。
今年の正月は、のんびりと福岡の実家+天ヶ瀬温泉(大分県日田市)で過ごして来た。その時の様子を少し紹介することにしよう。
■12月28日(月)
11時半に三島の自宅を出発。途中のファミレスでランチを取ったあと、沼津ICより東名高速に乗って実家の福岡に向かう。
夏の盆帰省の際には、高速料金上限1,000円割引の影響で20時間掛かったこともあり、今回は2日掛かりの行程を覚悟して出発したのだが、予想に反し、高速道路は事故による吹田JCT(名神高速)での小さな渋滞を除き全く渋滞なし。
ルートとしては、前回より、名神高速に代えて新しく開通した東名阪自動車道を使い始めたのだが、さらに今回は京滋バイパスを初めて使い、より快適なドライブにすることができた。
従来の名神高速道では、名古屋地区の渋滞、関ヶ原の雪、滋賀県内の渋滞がネックであったが、東名阪自動車道は名古屋の手前・豊田JCTで伊勢湾岸道に抜け、旧東海道に沿って山中(鈴鹿峠、甲賀)を走るコースなので、渋滞が少なく景色も良い。さらに京滋バイパスは、草津から京都中心部を避ける形で宇治を経由して山崎までバイパスするコースなので、こちらも渋滞が殆どなく快適であった。
当初は29日の明るいうちに着ければ良いと踏んでいたのだが、余りのスムーズさにより、このままでは日を跨ぐ事無く当日中に高速道路を降りることになってしまいそうだったため、サービスエリアでの休憩回数を増やして時間調整し、結果的に、0:10に太宰府ICを下りた。0:00を過ぎることに拘ったのは、高速料金深夜割引のためである。今回の年末は、渋滞発生を避ける狙いから、敢えて上限を1,000円とする休日割引が取り止められていたため、深夜割引(3割引)の方を適用して貰うためには、0:00〜4:00の時間帯に高速道路上に乗っている必要があったのである。
かくして0:25に福岡の実家に到着。11時間半の行程であった。
■12月31日(木)〜1月2日(土)
実家から天ヶ瀬温泉までは、高速道路を使えば1時間強の道のり。チェックインが3時からなので1時に実家を出れば十分と思っていたのだが、TVのニュースを見ていたところ、大分自動車道(甘木〜別府間)が大雪で通行止めとのこと。急遽、12時過ぎに出発することにした。
福岡大学近くの牧のうどんで昼食を取ったあと、堤ICから福岡都市高速道に乗り、太宰府IC経由で九州自動車道〜大分自動車道へ。
余談であるが、私は帰省すると必ずと言って良いほど牧のうどんを訪れる。ここのうどんは日本一美味いと思っている。牧のうどんは世の中の評価とは正反対のうどんであるが、このうどんが一番美味いと思っている。
正反対と言うのは、世の中では讃岐うどんに代表される腰の強いうどんに人気が集まっているが、牧のうどんは、それと正反対だと言うことである。そもそも、私には讃岐うどんの何処か美味いのかサッパリ分からない。固いだけで芯がある(腰がある)うどんの一対何が良いのだろうと思ってしまう。
それに比べて牧のうどんはお汁を吸って柔らかく膨張し、歯切れが良い(腰が全く無い)し薄味のダシも実に美味い。世の中では多分、こういう汁を吸ったうどんのことを「延びたうどん」と言うのだろうが、これが美味いのである。おまけに、牧のうどんでは、麺が汁を吸うこと、それがまた美味いことを承知していて、うどんと一緒に、ヤカンに入った汁が出てくるのである。麺が吸って少なくなった汁を補充しろと言っているのである。それほど、この麺に自信を持っていると言うことなのだろう。何度食べても実に美味いうどんである。
そもそも、うどん発祥地は福岡なのである。福岡市博多区の承天寺に「饂飩(うどん)蕎麦発祥の地」という石碑がある。この寺の僧侶だった聖一国師という人が、宋時代の中国に渡り大陸文化を学んで1241年に帰国した際に、うどんの製粉技術を持ち帰ったそうである。
話を元に戻して、大分自動車道は通行止め区間が短くなり日田ICまでは高速道で行けたが、そこから先は一般道を進む。通行止めを食らった車が押し寄せて来るため一般道は大渋滞であった。
それでも、3時半には天ヶ瀬温泉の旅館「山荘天水」に到着できた。
予約が早かったためか、離れの広い部屋(8畳、10畳の二間続き)を割り振ってくれた様である。この離れの部屋を挟み両側に男湯、女湯があるので、温泉に浸かるには近くてとても便利であった。
また、この旅館には滝見の大きな露天風呂と5種類の貸切風呂があり、温泉は最高であった。
それから、ここは料理が素晴らしく、おもてなしの心で一品一品を大事に造ったことが分かる料理である。それに何と言っても宿のスタッフの心配りが素晴らしく、実に良いひと時を過ごすことができた。これまでに訪れた宿の中でもベスト3に入る宿である。
■1月4日(月)
朝の7時半に実家を出発。
翌日の朝から講義が入っているため新幹線で浜松まで帰る二男を博多駅まで送ったあと、福岡都市高速に乗り福岡ICから九州自動車道に入って帰途に付く。
神戸までは全く渋滞がなく、前日が帰省Uターンのピークと言われていたとおりだと思ったのだが、神戸北から渋滞が始まり、宝塚〜吹田JCT〜大山崎JCTまで大渋滞。京滋バイパスは比較的スムーズに流れたが、出口の草津JCTで渋滞、東名阪自動車道も亀山JCTから先が大渋滞で、一部流れる区間があったものの東名高速と合流する豊田JCTの手前8キロから再び大渋滞。東名高速に合流後もしばらく渋滞が続いた。
それでも神戸までがスムーズだったお陰で見込みより早い時間に静岡県に入れたので、浜松西ICで一旦高速を降りて、新幹線で先に帰った二男のアパートに寄ることにした。
10時過ぎにアパートを出て再び東名高速を走り、三島の自宅に到着したのは23:50。何とか1月4日中に帰還することができた。
帰宅は5日に掛かると予想して翌日まで休暇を取っていたので、5日はゆっくりと自宅で休養することができた。
4月からは娘が社会人になるので、家族5人で一緒に帰省するのは今回が最後になるのかもしれない。いずれにしても、母が元気なうちは盆と正月の帰省を続けたいと思っている。