【お勉強(歴史)】戦後の歴史、日本国憲法、ほか(1)

【お勉強(歴史)】戦後の歴史、日本国憲法、ほか(1)
2016年04月05日(火) くもり

 昨夜、ようやく一冊の本を読み終えた。別の本を割り込んで読んだり、他の事で忙しかったりで、なかなか進まなかったが、内容自体は知らなかった日本の歴史の一端を教えてくれるものであり、とても役に立った。書籍の名前は以下。
  『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』 (著者:矢部宏治)
 以下、この本で知った事を、自分のためのまとめとして列記しておく。

■米軍は、日本国憲法の上位にある存在でる。
・米軍の権利は、大東亜戦争直後の占領期のま現在に至っている。(占領軍が在日米軍と看板を変えただけ)
・米軍が何故、日本国憲法の上位なのかは、下の方に書いてある。

■米軍の飛行機は、日本の上空をどんな高さで飛んでも良い事になっている。
締結した条約は国内法よりも強い日本国憲法 第98条二項「日本国が締結した条約は、これを誠実に遵守する」と言う条文がその論拠。
航空法の特例に関する法律 第三項で、航空法第六章の規定は、米軍機と国連機に対しては適用除外となっている。

■実は地上も、潜在的には、米軍に100%支配されている。
・米軍機が日本国内に墜落した場合、場所が如何なる場所であっても墜落現場周辺は治外法権として封鎖され、警察すらも立入出来ない。1953年に日米間で結ばれた日米地位協定」のため。
・墜落ポイントだけではなく、飛び散った破片のある場所も治外法権で封鎖され得る。

■日本の飛行機は、東京を中心とする首都圏の一定のエリア(横田空域と呼ばれる米軍管理下のかなり広い空域)を飛行することが出来ない。
・羽田を離陸した飛行機が、一旦、千葉県の方に迂回してから高度を上げたうえで旋回して西に進路変更するのはそのため。着陸時も然り。

■米軍基地からの米軍(建て前)の日本国内への出入りは自由。日本側には把握出来ない。
・米国のスパイ(CIA)だろうが何だろうが、米軍基地を経由して自由に入出国可能。日本側には把握のしようが無いのだから。

■米軍基地からの核兵器の持ち込み/持ち出しも自由。建て前は「持ち込まない」となっているが。
・多い時で、1300発の核兵器が沖縄に配備されていたらしい。

■1945年に沖縄に上陸し占領した地域を、米軍は現在もそのまま占有している。(嘉手納基地)
・70年前、ここの海岸に多数の軍艦が来て、艦砲射撃で陸地の建物を全て破壊し、上陸してこの一帯を占拠。そのまま今も居座っている。

憲法 第9条2項と沖縄軍事基地化は最初から完全にセット化されたもの
憲法 第9条二項の「戦争放棄」は、戦争を止めて平和な世界を作ろうと言う様な美しい理念で作られたものでは全く無い。米国の公開済の公文書にも書かれているとおり、日本国憲法はGHQが英語で草案を作ったもの。「俺たち(米軍)が沖縄に駐留して、沖縄に配備した核の傘で日本を守ってやるのだから、日本は軍事力なんて持つ必要無いだろ。」と言ってるだけ。

■米軍が日本国憲法の上位に位置する事は、最高裁判決でも認められている。(砂川裁判)
・近代憲法では、憲法の目的は権力者の横暴から国民の人権を守ること
・ところが、1959年の砂川裁判在日米軍の存在が国民の基本的人権を脅かす憲法違反かどうかの裁判)にて、最高裁最高裁長官:田中耕太郎)は、「高度な政治的問題については、最高裁憲法判断をしないで良い。」と言う判決を出した。これで、安保条約とそれに関する取り決めが、憲法、国内法全体より優越する構造が確定してしまった。
・この判決の根拠を、日本の保守派は「統治行為論」と呼び、法学上の公理(議論の余地もない当たり前の大前提)の様に扱っている。即ち、この時点で日本の三権分立は崩壊した。
憲法 第81条最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」と言う規定があり、砂川裁判の判決そのものが明らかに憲法違反であるが、以来、日本では、この判決がまかり通っており、高度な政治問題と言う最重要問題に対して憲法判断をしない現在の最高裁は、憲法違反をし続けていると言うこと。

日本国憲法の上位にある安保条約という関係において、在日米軍を具体的にどう運用するかを決めるのが日米合同委員会
安保条約は全部で10個の条文しかなく、具体的な在日米軍の特権を定めたのが、日米地位協定
日米地位協定に基づき、在日米軍を具体的にどう運用するかを協議するのが日米合同委員会60年以上に亘って、毎月2回開催されている。
・日米合同委員会のメンバは、在日米軍のトップと、外務省北米局長を代表とする各省庁からのエリート官僚
・合意事項は原則非公開。通常は議事録には書かれるが、書かれない密約もある。
日米合同委員会のメンバーに入ったエリート官僚が、必ず日本の権力機構のトップに座る構造が出来上がっている。
日本国憲法によって選ばれた首相に対し、憲法より上位の安保条約に忠誠を誓っているこのエリート官僚達が、徒党を組んで真正面から反旗を翻す事も珍しくない。


まだまだ続く。