【由無し事】デフォルト(債務不履行)の現実の姿


【由無し事】デフォルト(債務不履行)の現実の姿
2022年1月21日(金) 晴れ
 
戦略思想研究所(中森護代表)の企画である「真田幸光塾」。その一回目の動画を視聴したが、動画の最後で、真田幸光先生が興味深い話をしてくれた。
 
「デフォルト」についてのお話である。
 
《余談(参考)》
デフォルトという言葉を私が最初に聞いたのは、就職した会社(富士通)での新人教育中である。
配属先はソフトウェア開発部門であったが、そのプログラミング作業中に聞いて覚えたのがデフォルトという言葉であった。勿論、世間一般に使われる「債務不履行」という意味では無かった。プログラミングの世界でのデフォルトとは、プログラム内で使う「変数(データ格納領域)」の省略値(最初に設定され、後で別の値が指定されて上書きされない限り、省略値として参照される初期値)の事である。
プログラミングにおいては、使用する各変数領域には最初にその変数の初期値を設定しておき、以降のプログラミング論理を記述していく際に、必要に応じて別の数値を上書きして変更して行くのだが、プログラム論理上、変更の必要が無い(初期値のままで良い)場合は、数値変更のプログラミングステップをスキップ(省略)出来る訳である。だから省略値と表現する。
 
話を本題に戻す。
真田先生が話されたデフォルトとは、「債務不履行」という意味の方である。但し、真田先生の話は、世間一般に説明されている(表向きの)「債務不履行」の事ではなく、現実の(生臭い意味の)「債務不履行」のお話であった。
 
表向きのデフォルト(債務不履行)とは、債務(借金)の返済をしない(返済が出来ない)事態になった事を指すが、現実には、そういう事態になったとしても、即、デフォルトとは言わないそうである。何故なら、債権者側が、一度は返済を猶予する(返済期限を延長してやる)場合が少なくないからだそうである。だいたい1ヶ月程度は待ってやる事が商習慣的には多いらしい。債務者側は、その間にリファイナンス(借り換え)して前の債務を一旦精算し、新たな債務に置き換える(債務期限を延ばす)訳である。
但し、一度猶予したならば、債権者側は、二度目の猶予は考える必要がなく、一度目の猶予で返済出来なかった場合は、”義理は果たしたからね”と言う事で、遠慮無く債務者側の「債務不履行」を宣言出来る。文句は言わせない。と言うのが商習慣らしい。
 
それともう一つ、融資契約においては、契約条項の中に、債権者側にとって貸し倒れが発生する可能性が高い事象(例えば、社会への影響力の強い企業の倒産により連鎖倒産が危ぶまれる様な事象)が発生した場合には、一括返済を求める権利を有するといった条項(ネットで調べたところ、コベナンツ条項と言うらしい)などを入れておく事が一般的らしい。
 
これからが、真田先生の話の本題である。
 
昨年、支那の大手の不動産開発会社である恒大集団に数十兆円規模の「債務不履行」の噂が流れたが、これは、支那の人民解放軍の動きに怒った米国が、支那を牽制するために取った手段だったのではないか、最も効果的な牽制となる案件として恒大集団に白羽の矢を立てたのではないかと、真田先生が言われていた。米国の民主党は、そういう金融機関を使った「揺さぶり」を掛けるのが得意らしい。
少し具体的に説明すると、米国の影響力のある大手金融機関が、「恒大集団に対してはリファイナンスしない」とつぶやくだけで、支那の企業にドル建て融資している債権者達が、恒大集団の倒産を発端に連鎖倒産が始まる事を懸念して、コベナンツ条項を発動して「貸し剥がし」を始め、それにより、支那企業の連鎖倒産→支那経済崩壊へと進むというリスクが高まる事を計算して、支那を牽制したのではないかと言う話である。
勿論、真偽は不明だが。