新型コロナウイルスについての田中宇(たなかさかい)さんの考察(第何弾か忘れたが、昨日発信された分)


新型コロナウイルスについての田中宇(たなかさかい)さんの考察(第何弾か忘れたが、昨日発信された分
2020年3月30日(月) くもり
 
ジャーナリストである田中宇(たなかさかい)さんの新型コロナウイルスについての考察を前回紹介してから40日近くが経過したが、その後も、何回か田中宇さんからの考察メールは届いている。
 
そんな中で、昨日届いた考察メールは、少し明るい内容の様に感じたので、また、以下に全文引用で紹介する。マスメディアでは全く取り上げられていないと思われる視点のテーマである。
 
まあ、「吉」と出るのか「凶」と出るのかは分からないが、危険性を煽るだけのマスメディア報道だけじゃなくて、こういう動きもあることは知っておいた方が良かろうと思う。
 
各国政府の情報操作(隠蔽、統計数字操作等)も勿論あるのだろうが、それが全て「悪」とは言い切れず、あまり「陰謀論」的な見方だけに偏って捉えない方が良いと思う。
 
今回の田中宇さんの考察は以下。
 
Web公開はコチラ ⇒ 田中宇の国際ニュース解説 無料版 2020年3月29日
 
私の目を引いた部分に、色付けで修飾している。
 
〜〜〜〜〜以下、全文引用〜〜〜〜〜
 
田中宇の国際ニュース解説 無料版 2020年3月29日 http://tanakanews.com/mail/

●最近の田中宇プラス(購読料は半年3000円)
史上最大の金融バブルを国有化する米国 http://tanakanews.com/200325bubble.php
無制限の最期のQEに入った中央銀行群 http://tanakanews.com/200319qe5.php
史上最大の金融破綻(2) http://tanakanews.com/200315crisis.php

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★集団免疫でウイルス危機を乗り越える
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新型ウイルスの発症が世界的に急拡大している。日本でも、3月24日に東京五
輪を延期した直後、東京を中心に発症者(統計上の感染者数)の増加が加速し、
3月25日以降、東京都など首都圏で外出自粛要請が強化され、都市封鎖の状態
に一歩近づいた。五輪の中止を決めたとたんに統計上の感染者数が急増し始め、
同時に都知事が危機感を煽る形式で自粛強化を発表したため、タイミング的に不
自然だ、ウラがあるはずだ、という読みもマスコミで流れている。
私も初めはそ
れを疑った。統計上の感染者数は操作できる。日本政府はこれまで、感染の検査
をできるだけしないことで統計上の感染者数を低めに出してきた。この歪曲策が
五輪開催のためだったと考えると、五輪延期が決まった以上、歪曲策も必要なく
なるので、次は逆に、政権の権力強化のために危機感を扇動する策に大転換した
という見立てが可能だ。

http://www.zerohedge.com/political/wake-your-fears-are-being-manipulated
Wake Up! Your Fears Are Being Manipulated

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200328-00010036-chuspo-ent
久米宏が『外出自粛要請』の裏事情

だがその一方で3月28日、千葉県東庄町の障害者施設で58人、東京都台東区の
病院で60人以上の集団感染が出現した。このような大規模な感染の頻発はこれま
での日本になかったもので、発症者の急増が、統計の歪曲によるものでない(統
計の歪曲を乗り越えて発症者が急増している)ことが感じられる。「五輪を延期
したので感染急拡大」でなく、逆に「感染急拡大が予測されたので五輪延期を決
めざるを得なくなった」と考えられる。

http://www.ft.com/content/3e34c4fe-6b6d-11ea-9bca-bf503995cd6f
Asia steps up efforts to battle wave of new coronavirus infections

アジアでは3月20日ごろから、発症が急拡大する欧州からの帰国者の流入によ
って、中国、香港、シンガポールなどで発症者が急増し始めた。
WHOは全世界
に都市閉鎖(ロックダウン)など厳しい対策を求め始めた。日本でも発症者の急
増が予測される事態になった。日本政府が東京五輪の開催にこだわって強いウイ
ルス対策を採らないままだと、日本に対する国際批判が急速に強まり、日本政府
が悪者にされる形で五輪延期に押しやられる。それを避けるため、安倍政権は発
症者が急増する直前のぎりぎりの段階で五輪延期を決め、翌日から唐突に「首都
閉鎖」を視野に入れた強い自粛要請を出し始めたと考えられる。五輪固執のせい
で強い政策の発動が1週間遅れたと指摘されている。

これまで日本は、感染者統計の増加が異様に少ない「奇跡の国」だったが、今後
は毎日千人ずつ増え続けるような「ふつうの国」になるかもしれない。そうなる
と、東京など首都圏で今後、店舗の義務的な閉鎖や人の移動の制限など、今より
強い規制が発動されて「首都閉鎖」の有事体制になり、それが2-3か月は続く。

敗戦国である日本は、これまで政府が強権を発動しくにい状態になっており、
これまで強権発動の制度を作っても、実際に強権を発動する機会が少なかった
(311の福島など)。今回の首都閉鎖は、東京で有事体制を挙行する初の体験
となる。

http://www.zerohedge.com/geopolitical/former-uk-prime-minister-calls-global-government-fight-covid-19
Former UK Prime Minister Calls For Global Government To Fight COVID-19

▼都市閉鎖は一時しのぎの策。集団免疫の形成しか解決にならない

WHOは、世界中で都市閉鎖をやれと言っているが、都市閉鎖は最良の策でない。
ワクチンがない段階での新型ウイルス危機の唯一の最終解決策である「集団免疫」
の形成は、都市閉鎖をできるだけやらない方が達成しやすい。
加えて、都市閉鎖
をやらない方が経済活動をできるだけ存続して失業や企業破綻を回避できる。
集団免疫と経済維持の両面で、都市閉鎖はできるだけやらない方が良い。

http://www.forbes.com/sites/joshuacohen/2020/03/27/caught-between-herd-immunity-and-national-lockdown-holland-hit-hard-by-covid-19/
Caught Between Herd Immunity And National Lockdown, Holland Hit Hard By Covid-19

都市閉鎖をやると、いったんは感染拡大を抑止できるが、閉鎖を解いたら再び感
染が拡大する。閉鎖を解いて感染が再拡大したら「閉鎖を緩めたからだ。早く元
の閉鎖状態に戻せ」という世論や権威筋からの圧力が強まるので、なかなか閉鎖
を解除できなくなる。政府に小役人が多いほど、閉鎖は長期化する。都市閉鎖は
一時的な拡大抑止策にしかならず、最終解決策でない。しかも長期化しやすく、
経済(雇用、市民生活、教育)に大打撃を与える。都市閉鎖は、一時的な安心感
を得られるだけの策だ。

http://www.dutchnews.nl/news/2020/03/total-lockdown-would-allow-coronavirus-to-bounce-back-dutch-expert/
Total lockdown would allow coronavirus to bounce back: Dutch expert

ワクチンがない中での最終解決策は、集団免疫の獲得しかない。集団免疫とは、
若者を中心に多くの人(住民の6割以上)が軽症もしくは無症状でウイルスに感
染した上で完治して体内に抗体を得た状態
をさす。ある地域で集団免疫が形成さ
れると、その地域によそから感染者が入ってきても、周囲のほとんどが抗体保持
者なので他人に感染していかず、ウイルス危機が再発しない。完治して抗体を得
た人は一定期間(SARSなどの先例から類推して新型ウイルスの抗体維持期間
は数か月から数年)、体内の抗体が維持され、その間は人に接しても他人から感
染しないし、他人を感染させることもない。新型ウイルスの抗体を得ていること
が確実な人は、行動を自粛する必要がない。
いったん都市閉鎖に近い状態になっ
ても、広範な抗体検査を実施し、抗体を得ていると確認できた人から順番に、病
院や役所や企業や店舗や学校に復帰して働く
ようにしていけば、ウイルス危機を
克服でき、安全に閉鎖を解いていける。

http://www.nationalgeographic.com/science/2020/03/uk-backed-off-on-herd-immunity-to-beat-coronavirus-we-need-it/
The U.K. backed off on herd immunity. To beat COVID-19, we'll ultimately need it

http://tanakanews.com/200316virus.htm
英国式の現実的な新型ウイルス対策

以前の記事「英国式の現実的な新型ウイルス対策」に書いたように、欧州では英
国が集団免疫の獲得をウイルス危機の解決策として掲げた。英政府は3月15日
の発表で、高齢者など免疫力が弱い人々に対し、若者ら国民の大半が集団免疫を
獲得するまでの3-4か月間、自宅で隔離生活を続けるよう要請した。国民の大
半が集団免疫を得た後なら、高齢者が外出しても感染しなくなる。英国のほか、
オランダとスウェーデンも集団免疫の獲得を政策にしており、国民が集団免疫を
得ることを優先し、国民に対する行動規制(他人との距離をとることの義務づけ)
を半ば意図的に弱くしている。ストックホルムでは今週末も飲食店が繁盛して
いる。(東京と同様、近いうちに店を開けなくなるかもしれないが)

http://www.ft.com/content/31de03b8-6dbc-11ea-89df-41bea055720b
Sweden bucks global trend with experimental virus strategy

http://theconversation.com/sweden-under-fire-for-relaxed-coronavirus-approach-heres-the-science-behind-it-134926
Sweden under fire for ‘relaxed’ coronavirus approach - here’s the science behind it

とはいえ、集団免疫策にも欠点がある。最大のものは、若者の中にも発症したら
重篤ないし死亡する人がおり、誰が発症時に重篤になるか事前に予測困難なこと
だ。集団免疫を政策として掲げた英国やオランダ、スウェーデンでは、野党やマ
スコミや世論が「集団免疫策は人殺し政策だ」「人命を尊重せず倫理的に問題だ」
「国民にロシアンルーレットを強いている」と批判している。加えて、集団免疫
の形成を重視して国民への行動規制が弱いままだと、発症者が増えて病院の集中
治療室が満杯になって医療崩壊を起こす可能性が強まる。英国政府はこれらの
批判を受け、3月15日に発表した集団免疫策を5日後に撤回した。

http://www.theguardian.com/world/2020/mar/23/swedish-pm-warned-russian-roulette-covid-19-strategy-herd-immunity
Swedish PM warned over 'Russian roulette-style' Covid-19 strategy

http://www.jta.org/2020/03/24/lifestyle/the-netherlands-is-ok-with-citizens-being-exposed-to-the-coronavirus-thats-terrifying-to-me-and-nearby-jewish-communities
The Netherlands is OK with citizens being exposed to the coronavirus

集団免疫策は政治的に不評だ。しかも英国など欧州各国では3月中旬以降、感染
者・発症者が急増しており、都市閉鎖によって発症の急増を抑止せざるを得ない
状態になっている。英政府は医療崩壊の回避策として、ロンドンの巨大な展示会
場を新型ウイルス専門の病院に改造するなどして全英で3万人の病床を新設し、
今後の発症者急増に備えている(英国の現在の発症者は1万7千人。英国でも日
本と同様、顕著な症状がないと感染検査してもらえない)。野戦病院らしくナイ
チンゲールの名を冠したロンドンの4千床の新設病院は、軽症者、中程度、重症
者に区域分けされ、遺体安置所も2つある。今後確実に発症者が急増することを
感じさせる。

http://www.wired.co.uk/article/nhs-nightingale-excel-centre-hospital-london
Inside NHS Nightingale, the front line in the UK’s coronavirus battle

http://www.dailymail.co.uk/news/article-8150745/MoD-NHS-start-work-transforming-Londons-ExCel-Centre-5-000-bed-hospital.html
Floorplan for the Excel Centre 4,000 bed Nightingale hospital

しかしそんな中でも英政府は、集団免疫を「事実上の政策」として維持している。
英政府は3月23日、集団免疫策の根幹となる抗体検査用の検査キットを350万個
製造メーカーに発注した。英国の医療界では異例なことに、アマゾンなど通販業
者を通じて急いで販売・配布する策をとり、医師や看護師に優先配布する。抗体
検査によって、体内にすでに抗体があることが確認された医師や看護師は、新型
ウイルス感染の恐れを抱かずに病院で働ける。抗体の存在が確実な人は防護服を
着ずに感染者に接しても感染しない。
抗体検査キットが医療関係者に行き渡った
後は、その他の一般の英国民にキットが行き渡るようにする。抗体の存在が確認
できた人から職場に行けるようになり、都市閉鎖を解いていける。

http://www.ft.com/content/dacc0712-6ce1-11ea-9bca-bf503995cd6f
UK in talks with Amazon and others to deliver coronavirus tests

http://www.dailymail.co.uk/news/article-8141997/UK-funding-mass-produced-coronavirus-test-tells-youve-it.html
UK is mass-producing a coronavirus antibody and antigen test in the UK and SENEGAL

抗体検査は「血清学検査(serological tests)」と呼ばれ、自分の少量の血液
をとって検査し、結果が15分でわかる。抗体の有無の確度は90%以上
だ。抗体は、
感染してから1週間ぐらい経たないと体内に作られないので、感染初期の人を探
すためには使えない。既存の感染検査であるPCRは、喉や鼻の粘液を採取して
新型ウイルスの遺伝子が存在しているかどうか調べるもので、感染初期の人も
検知できるが、結果が出るのに時間がかかるし、確度が60%前後と低い。

http://www.statnews.com/2020/03/27/serological-tests-reveal-immune-coronavirus/
The next frontier in coronavirus testing: Identifying the full scope of the pandemic, not just individual infections

http://www.wired.co.uk/article/uk-coronavirus-blood-test-antibodies
A coronavirus blood test could be the key to beating the pandemic

英国では従来、日本と同様、政府がなるべくPCR検査を行わないようにしてき
た。軽症ないし無発症の状態の人が検査で陽性になって感染が確認された場合、
そのまま帰宅させると周辺の人々に感染させてしまうし、感染者が近くにいたこ
とを知った近所や職場がパニックになるため、病院に入院させざるを得ないが、
そうなると軽症者で隔離病棟が埋まってしまい医療崩壊する
。検査させなければ
感染の有無もわからないままなので、重症でない限り発症しても検査せず自宅で
外出禁止の生活を送らせれば、家族以外にはうつりにくく、近所や勤務先も知ら
ぬが仏でパニックにならず、病院の医療崩壊も起こらない。だから日英など多く
の国々の政府が、国民に感染検査を受けさせないようにしてきた。検査拒否は
「不正」というより「次善の策」である。

http://www.henrymakow.com/2020/03/Coronavirus-Not-as-Deadly-as-They-Say.html
Coronavirus -- Not as Deadly as They Say

今回の英国などの積極的な抗体検査は、これと異なる考え方だ。抗体検査を広範
にやると、完治した人だけでなく、軽症で感染している最中の人が無数にいるこ
とが露呈する。感染者が免疫が弱い高齢者や持病持ちと同居している場合、感染
が発覚した以上、そのまま帰宅させるわけにいかない。新設の病院があれば、完
治するまでそこに入院させておくことができる。

http://www.wsj.com/articles/we-need-to-know-whos-developed-immunity-to-coronavirus-11585262496
We Need to Know Who’s Developed Immunity to Coronavirus

積極的な抗体検査は、米国でも開始されている。米国の発症者の半分を占めるニ
ューヨーク州と隣のニュージャージ州では、人に接することが多い医療関係者や
警察官、地下鉄職員の中から発症者が相次ぎ、自宅隔離を命じられている。現場
の人出が足りないので、完治した人から職場復帰させていく必要があり、その際
に抗体検査が行われている。抗体検査は、その他の職種の人々の職場復帰にも役
立つ。

http://www.scientificamerican.com/article/heres-how-coronavirus-tests-work-and-who-offers-them/
Here’s How Coronavirus Tests Work-and Who Offers Them

http://www.nytimes.com/interactive/2020/us/coronavirus-us-cases.html
Coronavirus in the U.S.: Latest Map and Case Count

トランプ大統領は3月24日に「イースター(4月12日)までに米国経済を再
開したい」と表明した。ちょうどNYなどで発症が急拡大しており、私を含めて
多くの人が「そんなのできるわけない」と考えたが、意外にそうでもないかもし
れない。もしイースターの前後に「抗体検査を拡大し、すでに抗体を得た人から
順番に職場復帰し、経済を再開していく」というシナリオが少しずつ現実になっ
ていることが確認されれば、米国民にとって明るい話題
となり、トランプは親指
を立てて「オレの言ったとおりだろ」と言え、支持率を上げられる。

http://www.wsj.com/articles/trump-hopes-to-have-u-s-reopened-by-easter-despite-health-experts-guidance-11585073462
Trump Hopes to Have U.S. Reopened by Easter, Despite Health Experts’ Warnings

http://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-immune-test-insigh/u-s-companies-labs-rush-to-produce-blood-test-for-coronavirus-immunity-idUSKBN21C1KK
U.S. companies, labs rush to produce blood test for coronavirus immunity

http://thehill.com/opinion/white-house/489677-trumps-desire-to-reopen-the-country-by-easter-may-not-be-far-fetched
Trump's desire to reopen the country by Easter may not be far-fetched

英国の感染症専門家で、米英政府の新型ウイルス政策の立案に参加してきたニー
ル・ファーガソン(Neil Ferguson)は3月16日に「人類の7割が感染し、英
国でも2百万人が死ぬ」という予測を発表するとともに「ウイルス危機を乗り越
えるには集団免疫の獲得しかない」とも言っていた。だが彼は3月26日に予測
を大幅に改定し「新型ウイルスの感染力が意外と強いので、すでに英国民の半分
が(ほとんどは無発症で)感染して抗体を持っており、まもなく集団免疫が達成
される。新たな予測では、入院者が最盛期でも2万人以下なので医療崩壊は起き
ない」とする新予測を英議会で発表した。

http://www.thesun.co.uk/news/11249302/coronavirus-infected-half-population-spreading-january/
Coronavirus could have `already infected HALF the population - and it's been spreading since January'

http://www.newscientist.com/article/2238578-uk-has-enough-intensive-care-units-for-coronavirus-expert-predicts/
UK has enough intensive care units for coronavirus, expert predicts

http://www.imperial.ac.uk/news/196477/j-ideas-neil-ferguson-tells-mps-lockdown/
J-IDEA's Neil Ferguson tells MPs lockdown can help NHS manage coronavirus

英政府は3月26日、発症者が急増しているにもかかわらず、ファーガソンらの
新発表をもとに、新型ウイルスに対する危険性を格下げしてしまった。英国の感
染者はすでに1万7千人なので、ファーガソンの新説は多くの専門家に否定され
ている。政治的に歪曲された新説だと指摘されている。同日、英政府の首相と保
健相というこの件の最重要な2人が新型ウイルスに感染(したことに)し、マス
コミや野党に合わずにすむ状態に入った。確かに怪しい。だが、ファーガソンの
分析が間違っていると言うなら、英国での抗体保有者の正しい比率は何%なのか。
他の人々は「間違っている」というだけで自分の説を表明していない。

http://www.ft.com/content/5ff6469a-6dd8-11ea-89df-41bea055720b
Coronavirus may have infected half of UK population - Oxford study

http://www.wired.co.uk/article/coronavirus-infections-oxford-study-immunity
Don't believe the headlines saying half the UK has had coronavirus

http://www.armstrongeconomics.com/international-news/politics/uk-government-downgrade-coronavirus-as-no-longer-highly-dangerous/
UK Government Downgrades Coronavirus as No Longer Highly Dangerous

日本は中国に近いので、英国より1か月ほど先行して新型ウイルスの感染が国内
で拡大している。現時点で英国では人口の半分が抗体を得ているというファーガ
ソンの説が正しいとしたら、日本は英国より抗体保持者の割合がずっと多いはず
で、集団免疫がとっくに達成されていると考えられる。中国などと異なり、日本
は都市閉鎖を全くやっておらず、人々は先日まで注意しつつも自由に外出し続け、
若者を中心に無発症の感染が拡大して集団免疫に早めに近づく素地が豊富にあっ
た。日本は隠然と、もしくは無意識のうちに集団免疫策を採ってきた「ステルス
集団免疫策」の国だ。

http://www.spectator.co.uk/article/herd-immunity-might-still-be-key-in-the-fight-against-coronavirus
Herd immunity might still be key in the fight against coronavirus

http://www.wsj.com/articles/should-we-wait-until-easter-11585239104
Should We Wait Until Easter?

しかし今、日本はこれから再び発症者の急増が起きる可能性が高いとされている。
中規模なクラスターが次々と発生している。集団免疫が形成されているようには
全く見えない。新型ウイルスは感染力がとても強力だと言われているが、何らか
の阻害要因があり、実際の感染力はそれほど強くないのか?。もしくは、いま
欧州で大感染しているウイルスは、もともと中国や日本で感染拡大したウイルス
から変異して感染力や病原性が強くなっており(だから欧州の致死率が高い)、
日本人は最初の中国発祥のウイルスでは集団免疫が形成されているが、その免疫
力は変異後の欧州発祥のウイルスにあまり効かないので、日本で再び感染が拡大
しているのか?
。世界中で多くの研究者が新型ウイルスを遺伝子解析しており、
変異が起きているのであればすぐに発表されるはずだが、何らかの理由で発表さ
れていないとか??。わからない。

http://www.theatlantic.com/health/archive/2020/03/coronavirus-pandemic-herd-immunity-uk-boris-johnson/608065/
The U.K.'s Coronavirus `Herd Immunity' Debacle

http://sanangelolive.com/news/live-thought/2020-03-26/some-say-dire-coronavirus-predictions-arent-coming-true
Some Say Dire Coronavirus Predictions Aren't Coming True

感染者急増の度合いにかかわらず、日本でも英国と同様の抗体検査の拡大による
抗体保有者の確認を行い、集団免疫にどのくらい近い状態なのか調べた方が良い。

そうすれば、抗体保有者から順番に職場に出て行くことができ、経済や医療シス
テムの崩壊を減らすことができる。英国などと同様に、感染が確認された軽症者
が入れる新設の病院を、大きな展示会場などを流用して新設することも必要にな
ってくる。集団免疫獲得と経済維持の観点から、都市閉鎖(ロックダウン)はな
るべくやらないほうがよい。若者の外出は、集団免疫の観点から黙認されるべきだ。


この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/200329virus.htm



●最近の田中宇プラス(購読料は半年3000円)

◆史上最大の金融バブルを国有化する米国
http://tanakanews.com/200325bubble.php
【2020年3月25日】多くの米企業が巨額の借金を抱えてウイルス危機に直面し、
倒産しかけている。多くの企業が、あと2か月は続く米経済の閉鎖・停止状態
を乗り切れずに破綻する。金融界や投資家は、連鎖破綻させられたくないので、
米連銀や政府に圧力をかけ、QEや財政出動で自分たちの債券や融資債権を買
わせようとしている。米国は、巨大な金融バブルを国有化しようとしている。

◆無制限の最期のQEに入った中央銀行群
http://tanakanews.com/200319qe5.php
【2020年3月19日】今後、QE資金を全開で注入しても米国債の金利上昇を止
められなくなったら、それが中銀群と金融システムの終わりになる。それはも
う不可避だろう。いつまでもつか、いつ力尽きるかという話だ。中銀群は最期
の策として、無制限のQEを開始した。これがいつまで事態を延命できるかが
今後の注目点になる。

◆史上最大の金融破綻(2)
http://tanakanews.com/200315crisis.php
【2020年3月15日】中央銀行によるQEが効いたとしても、ウイルス危機によ
る実体経済の世界的な停止はまだまだ続く。だれもリスクを取りたくない。企
業活動の停止が続くと、企業は資金が足りなくなり、起債した社債を償還でき
ず破綻・デフォルトし、それが連鎖して社債のシステム危機が起きる。実体経
済の復活の見通しが全くないので、社債市場の崩壊はほぼ不可避だ。これまで
株価の上昇は、企業や金融機関が債券発行して作った資金で株を買って実現し
てきた。社債が崩壊すると、株を買う資金もなくなり、株価はさらに暴落する。



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