【トピックス】日本語を母国語にする人だけが虫の声を聞ける。あら不思議!

【トピックス】日本語を母国語にする人だけが虫の声を聞ける。あら不思議!

とても面白い研究結果である。一読の価値あり。(以下)

 なぜ日本人には虫の「声」が聞こえ、外国人には聞こえないのか?

以下、上の記事で印象に残ったこと。

左脳 右脳
言語脳。声の理解など、論理的・知的な処理をする。 音楽脳。音楽や機械音、雑音を処理する。
言葉を認識するのは左脳。 メロディーを認識するのは右脳。
右耳から入ってきた音は左脳に入る。 左耳から入ってきた音は右脳に入る。
日本語を母国語として育った人は、虫の声を声と認識して左脳で言語として処理する。 日本語以外を母国語として育った人は、虫の声という発想がないので単なる音として、他の音と同様に右脳で処理する。
日本語を母国語として育った人は、虫の声だけではなく、動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎまで、左脳(言語脳)で聞いている。 日本語以外を母国語として育った人は、他の音と同様に右脳で処理する。
日本人は、全てのモノに神が宿ると考えるので、動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎまでとして認識するらしい。 他国語を母国語とする人達はさに非ず。

以下、記事より一部引用。
〜〜〜〜〜引用部分〜〜〜〜〜
角田教授の発見では、虫の音だけでなく、そのほかの動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎまで、日本人は言語脳で聞いているという。これまた山や川や海まで、ありとあらゆる自然物に神が宿り、人間はその一員に過ぎないという日本古来からの自然観に合致している。
幼稚園から小学校の4、5年ぐらいの日本の子供に、犬はなんといって鳴くかというと、ワンワンというにきまっているのです。マツムシはチンチロリンという。外国人に聞きますと、ひじょうに困るのです。なんというていいか一生懸命考えて記憶を呼び出して、ウォーウォーといったり、ワーワーと言ったり。
(『右脳と左脳』p122 対談者の園原太郎京都大学名誉教授(心理学)の発言)
日本の子供が「ワンワン」と答えるのは当然である。親が犬を指して「ワンワン」と教えるのであるから。同様に猫は「ニャーニャー」、牛は「モーモー」、豚は「ブウブウ」、小川は「サラサラ」、波は「ザブーン」、雨は「シトシト」、風は「ビュウビュウ」。まるで自然物はすべて「声」をもつかのようである。
このような擬声語、擬音語が高度に発達しているという点が、日本語の特徴である。幼児がこれらを最初から学んでくれば、虫や動物の鳴き声も自然音もすべて言語の一部として、言語脳で処理するというのも当然かもしれない。あるいは、逆に、言語脳で処理するから、言語の一部として擬声語、擬音語が豊かに発達したのか?
いずれにしろ、自然音を言語脳で受けとめるという日本人の生理的特徴と、擬声語・擬音語が高度に発達したという日本語の言語学的特徴と、さらに自然物にはすべて神が宿っているという日本的自然観との3点セットが、見事に我々の中に揃っているのである。
人種ではなく、母国語の違い
角田教授の発見で興味深いのは、自然音を言語脳で受けめるという日本型の特徴が、日本人や日系人という「血筋」の問題ではなく、日本語を母国語として最初に覚えたかどうかという点で決まるということである。
その端的な例として、南米での日系人10人を調査したデータがある。これらの日系人は1名を除いて、ポルトガル語スペイン語を母国語として育った人々で、その脳はすべて西洋型であった。唯一日本型を示した例外は、お父さんが徹底的な日本語教育を施して、10歳になるまでポルトガル語をまったく知らずに過ごした女性であった。その後、ブラジルの小学校に入り、大学まで出たのだが、この女性だけはいまだに自然音を言語脳でとらえるという完全な日本型だった。
逆に朝鮮人・韓国人はもともと西洋型なのだが、日本で日本語を母国語として育った在日の人々は、完全な日本型になっている。
こう考えると、西洋型か日本型かは人種の違いではなく、育った母国語の違いである可能性が高い。「日本人の脳」というより、「日本語の脳」と言うべきだろう。角田教授の今までの調査では、日本語と同じパターンは世界でもポリネシア語でしか見つかっていない。