【由無し事】白内障手術体験レポート

【由無し事】白内障手術体験レポート
2016年09月10日(土) 晴れ

 今月、両眼の白内障手術をした。初体験であり、色々と新しい事が分かったので、体験レポートとして本ブログに残しておくことにする。

医療機関
 ・矢田眼科医院 (中伊豆 静岡県伊豆の国市田京) 
 ・担当医師 副院長:堀江英司先生 (ホームページの写真は、多分、若い時の写真だろうと思う。)

 この眼科は、地元では超有名な評判の良い眼科である。眼科医が5名以上いて、皆さん高い技術を持ってるらしく、東京や他県から訪れる患者さんも多いとか。何時行っても待合室(百人近く収容)は満杯に近い。6月に私が手術予約した時は2ヶ月待ちだったが、現在は3ヶ月待ちと言っていた。

【手術日】
 ・左目 2016/09/01(木)
 ・右目 2016/09/08(木)
 この病院の手術日は火、木の午前中。両眼手術する場合は、1週間空けて片目ずつ手術することになる。
 三島在住者は日帰り手術である。入院させてくれない。(多分、沼津市、中伊豆在住者も同じと思う。)

【手術前後のイベント概要・スケジュール】

イベント 時期 所要時間 内容
手術前説明会 8月26日(金)・・・手術日前週の金曜日午後 1時間程度 同一手術日の患者全員での集合説明会。薬の種類と服用方法の説明、日常生活の注意事項、当日の指定来院時刻(各患者)、手術当日の持参物 等々
投薬開始(自宅) 8月30日(火)・・・手術日の2日前から 投薬は10秒足らず。回数が1番多い薬で1日4回(朝、昼、夕、寝る前) 感染症治療薬(点眼薬、軟膏、内服薬の3種類)、炎症・充血等を抑制する薬(点眼薬)、整腸薬(内服薬)
手術・準備1 9月1日(木)、9月8日(木) 50分程度 順番にリラックス室に入室。室内は8人程度を入れる。入室すると、(1)石鹸での洗顔、(2)手術着への着替え、(3)パーソナルチェアで寛ぐ、(4)看護師さんが各患者を回ってヘアキャップを装着。以降、10分間隔程度で、瞳孔を開く薬を数回、麻酔薬を数回、患者に点眼する。
手術・準備2 15分程度 手術準備室(手術室の隣)に入室。室内は2人収容。準備台に横たわると、二人の看護師さんが分業で、眼の消毒・洗浄、点滴の装着、血圧計と心電図測定器の装着。手術する眼を布で覆う。
手術 10分前後 前患者の手術後処理に入ると手術室に歩いて入室。立って待つ。前患者が手術台を下りると、入れ替わりに手術台に乗る。手術が完了したら退室し、リラックス室に戻る。
手術後の説明 5分程度 看護師さんが、同伴者を待合室から呼び、二人に この後の手順などを説明する。
チェックアウト 5分程度 服に着替えて、受付で診察券を受け取り帰宅。精算は後日になる。
翌日検査 9月2日(金)・・・手術の翌日 2時間程度 手術後にテープ装着した眼帯を外し、視力検査、眼圧検査、診察をする。その後、前日手術患者全員で術後の集合説明会。薬の説明、今後の生活の注意事項、次の予定などの説明。
3日後検査 9月5日(月)・・・手術の3〜4日後 30分程度(待ち時間含まず) 視力検査、眼圧検査、診察、[手術+診察]の医療費精算
1週間後検査 9月9日(金)、9月16(金)予定・・・手術の1週間後 視力検査、眼圧検査、診察
2週間後検査 手術の2週間後
1ヶ月後検査 手術の1ヶ月後検査
定期検査 2ヶ月後以降、毎月1回の検査を1年間継続

【手術詳細】 

  手術詳細内容
手術台に横たわると、準備室で被せた布が取られ、保護のためと思うが、反対側の眼には金属製眼帯が着けられる。次に青い手術用のシートが顔全体に掛けられる。手術する眼の位置は切り取られた穴が開いている。
まず、シールの様な物(セロハン風の物)が手術する眼を覆う様に貼られ、シールの眼の部分が切り抜かれる様になっていて、その部分が剥がされる。
次に、上下の瞼が瞬き出来ない様にする器具が装着される。多分、シールと器具の間で瞼が固定される様な仕組みではないかと思うが、視界が不透明になっているので患者からは実体物が見えない。瞬きは出来なくても、麻酔が効いているせいか気にはならない。
いよいよ手術開始。眼に液体が掛けられ、手術器具が術部に近づくと、スカイブルーをバックにした明るい光が見え、中央に〓(ゲタ)マークが見える。ただし、〓の黒い部分が実際には白く眩しく光っていて、その〓マークの真ん中の白い部分が実際にはスカイブルー(背景色)に見える。手術中は、この真ん中の部分を眼で追う様に指示される。ここで重要な事は、眼で追うだけにし、顔(首)は絶対に動かしてはならないこと。術中は医師が手術器具を上下左右に動かすので、〓マークも上下左右に動く。それを術中は必死になって眼だけで追う。眩しくても眼は瞑らない。と言うか、瞼が固定されているので瞑れない。時々、〓マークが視界から外れる場合があるので、その時は視界に戻って来るのを待ち、戻って来たら追跡再開。この格闘が多分、5分前後ではないかと思う。クシャミや咳が出そうな時は、直ぐに言う。
手術器具のモーター音が横から聞こえるが、眼が手術されている感覚(眼にメスや器具などの術具が触れている感覚)は殆どない。まずは、レーザーで水晶体の濁りを除去していると言う説明があった。そのあと、いよいよ水晶体の袋の中に人工レンズを入れる工程である。この工程の中で何かが眼球に触れた様な感覚を何回か感じた。何をしたかは分からないが、多分、メスで切ったり、レンズを挿入したりしているのだろう。
手術が終わると、3〜4人の看護師さん達が手術台の回りに来て、分業で血圧計を外したり、点滴の針を抜いたりしている。手術した眼は、固めの板の様な眼帯で覆われテープで固定される(写真参照)。それが終わると、手術台から立ち上がり、歩いて手術室を出る。


手術の最後に装着されテープで固定された眼帯。翌日の検査で看護師さんが剥がすまで取り外し禁止

【術後の注意事項】

注意事項 手術当日 翌日 2日後 3日後 4日後 5日後 6日後 1週間後 2週間後 1ヶ月後 2ヶ月後
手術時装着眼帯 取り外し禁止 看護師が剥がす
保護眼帯(注1) 翌日検査後、24時間装着 24時間装着 24時間装着 外出時、就寝中は装着 同左 同左 同左 不要
読書・新聞・テレビ 禁止 フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー
炊事・洗濯 禁止 フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー
髭剃り 禁止 電気カミソリなら可 同左 フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー
入浴(洗顔、洗髪を除く) 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー
掃除 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー
10分程度の散歩 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー
事務仕事 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー
針仕事・手芸 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー フリー
洗顔・洗髪 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー フリー
力んだ排便 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー
庭いじり(1時間程度) 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー
歯科受診 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー
マッサージ(首から下) 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー
飲酒 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー フリー
化粧 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 目の周辺以外は可 同左 フリー フリー
旅行 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 近距離は可 同左 フリー フリー
散髪 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 毛染め、パーマ以外は可 フリー フリー
ゴルフ 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー フリー
ジョギング・テニス・激しい運動 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー
力仕事 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー
農作業・漁業 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 フリー フリー
水泳 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 禁止 ゴーグルあれば可 フリー

[注1]保護眼帯は、ゴーグル、サングラスでも代用可能
★車の運転は医師と要相談。基本的に裸眼で0.7以上なら運転は可能。手術後の度数の安定について医師の判断が必要。
★老眼鏡の作成は、手術後の度数の安定を待ってから作るのが無駄が出ない。目安は手術の2ヶ月後。


手術の翌日検査の際に、この様な金属製の保護眼帯を貸してくれる。目をぶつけない目的の眼帯なので、ガーゼを挟んだりはしないし、見える。


両眼手術となると、保護眼帯ではウルトラマン状態になるので、さすがに殆どの人は、ゴーグルかサングラスで代用する様である。


保護眼帯の代用に出来るゴーグルの一例(眼鏡屋さんで3,300円也)

【術後の感染症に注意!】
●特に感染症に注意しなければならないのは、術後2週間
 ・目を擦ってはならない(術後2週間)
 ・汗をかく行動をしてはならない(術後2週間)
 ・洗顔をしてはならない(術後6日間)
 ・雨、異物が目に入ると感染症の原因。 ⇒ 外出時は保護眼帯を必ず着用する(術後2週間)
感染症の症状
 ・疼痛、視力低下、かすむ、眩しい、充血、浮腫、瞼の膨張
●点眼時の注意事項
 ・点眼前に、必ず石鹸で手を洗う。・・・ 実践してみると、結構大変です。点眼の回数が多いので。
 ・同じ目に異なる種類の薬を点眼する場合、5分以上間を空ける。
 ・ティッシュは、片目ごと、薬ごとに新しいものを使う。
 ・点眼は1滴で十分。
 ・点眼は、下瞼を下げて注す。(あっかんべ〜の動作) 上瞼の方は手術の傷があるので避ける。

【後発白内障
白内障手術をした人の殆どが発症する。⇒外来のレーザー治療でOK。再発しない。
・原因は、白内障手術時には、人工レンズを入れるために水晶体の袋(嚢)部分を残すが、ここが濁るのが後発白内障

【人工レンズ】
単焦点レンズと多焦点レンズがある。
単焦点レンズは、遠くに焦点を合わせたモノ、近くに焦点を合わせたモノの2種類から選べる。3.11東北大震災以来、最近では、基本的には遠くに焦点を合わせたレンズを薦めているとか。災害時に遠くが見えないと困るため。近くに焦点を合わせるレンズは、手先の仕事をしている人など、特別な事情がある人に薦めている。
・多焦点レンズは、遠くと近くの両方に焦点が合わせられる。
単焦点レンズで遠くに焦点を合わせたモノを選んだ場合、本とか新聞とかの活字はまずボケて見えないので、老眼鏡が必須になる。これは手術した私の実感。何度も作り直して構わないお金持ちは別にして、普通は術後の度数が安定する2ヶ月先まで待つ必要がある。私は、取りあえず100均で2種類の老眼鏡(+1.5,+2.5)を買って来て一時凌ぎしている。
 本日、先生より病院のすぐ横にあるホームセンターで千円の簡易老眼鏡があるので便利と教えられ、さすがに100均よりは良かろうと思い帰りに買って来た。ところが、100均老眼鏡と比べてみたら見え方は全く同じであった。結局のところ、百円と千円の差は、フレームの素材の差と言う事か。無駄にしたくないので、1階用と2階用で両方使うつもりである。(笑)
単焦点レンズは健康保険の対象なので、片目で5万円〜6万円程度(治療費込み)。多焦点レンズは健保の対象外なので、片目でレンズのみが35万円程度する。但し、医療保険で高度先進医療オプションを付けていれば、治療費に対しては保険金が出るらしい。(レンズ代には保険金は出ない)
[9月29日追記
多焦点レンズ代には保険金が下りないというのは勘違いであった。本日、生命保険屋さんに手術保険金を申請したら、「多焦点レンズにはしなかったんですか? 高度先進医療オプションが付いているから、全額無料だったのに。それに、保険金とは別にお見舞金として手術代金総額の10%が出たのに。」と言われてしまった。残念な事をしてしまった。まあ、多焦点レンズにはデメリットもあることだし。・・・と思って自分を慰めよう。(笑)
・多焦点レンズは、単焦点レンズより多少暗いとか、その他のデメリットもあるらしい。ネット検索すれば、その辺りのことは書かれている。

【眼圧について】
 眼圧と言うのは、眼球の内側から外(眼球壁)に向かう圧力の事らしいが、この眼圧が高いと緑内障(視野が狭くなる病気。悪化すると失明に至る。)の原因となるそうである。私は、4〜5年前から眼科に掛かった時に眼圧が高いと言われ始めたが、今も高い。単位は分からないが、10〜20くらいが正常な眼圧で、私の場合は20台後半らしい。左目の手術をした翌日も右目の眼圧が高くなり、下げる点眼薬を注したのだが、右目を手術した翌日(昨日)も眼圧が高くなった様である。昨日、テープ貼りした眼帯を看護師さんが剥がした時に、左目の時の様な画期的な視力の向上が感じられず、また、文字や画像が二重に見えるし、視界の右上の一部分が周期的に左右に移動する現象に気付いたのである。多分、周期と言うのは脈拍の長さではないかと思うが、視界の一部分が切り取られた用に左右に振れてるのである。これはもしかしたら再手術が必要なのかもしれないと思ってしまったが、診察時に先生より、眼圧が高いと目が見えにくかったり、白いベールが掛かったり、二重三重に見えたりするそうなのである。昨日は右目の眼圧が43まで上がっていたらしく、下げるために点滴を打った。それでも30台後半までしか下がらず、先生が直接目の治療をして10台まで下がった。自宅に帰って眼圧を下げる薬を注したら今朝は正常値に戻った様で、左右の目とも視力1.2だった。
 とにかく、白内障手術後は2ヶ月くらいは視力の度数が安定しないそうである。もし、眼圧が高い様だったら、下げる点眼薬との長いお付き合いが始まるかもしれないそうである。ちなみに、眼圧が高くなる原因についてカミサンが先生に聞いた所、目の使い過ぎと言う様な事は全く関係ないらしく、各個人の体質なのだそうである。それを聞いて、何故か一安心した。パソコンの使い過ぎでは無かったからである。

−以上−