初滑り1978


初滑り1978
1978年1月13日(金)~1月15日(日)
 
九州の地では縁が無かったスキー。入社1年目で初滑りの機会がやって来た。
 
職場の先輩が寮長をしている会社の寮(富士通下野毛寮)で週末のスキー旅行の企画があった。私はその寮の寮生では無かったのだが、職場の先輩が新人の私をその旅行に誘ってくれたのである。場所は群馬県の尾瀬片品(かたしな)スキー場である。
 
前の週に、同じ職場の同期入社の新人で、スキーの経験もあり一緒に今回のスキー企画に参加する事になっている三島さんが、スキーウェアの買物をする私に付き合って神田まで同伴してくれた。何しろ、スキーの事は右も左も全く分からない私なので、とても有り難かった。彼は、同期入社と言っても博士課程修了の新人だったので、年齢は私よりも5歳以上は年上である。
スキーウェアの上着、スキーパンツ、アンダーシャツ、手袋、靴下、ゴーグル、ストックを選んで貰って購入。スキーウェアの上着については、1年前のデザインなら半額だとの事だったので、そちらから選んだ。
スキー靴とスキーの板は宿でレンタルすることにした。何しろ初体験のスキーであるから、まずは、レンタル品で感覚を掴むのが先決だと言うアドバイスに従ったのである。
 
仕事を終えた金曜日の夜、下野毛寮に集合したあと貸切の夜行バスで片品に向かった。
途中、何回かトイレ休憩をしたあと、バスは片品村に入ってきた。周りは深夜で真っ暗だったが、生まれて初めての銀世界である。
 
仮眠したあと、翌朝、いよいよゲレンデに出た。早速リフトに乗らされて坂の上まで連れて来られた。
上から眼下を見ると物凄い急坂であり、どう考えても降りられそうな気がしない。三島さんの指導に従い、まずはボーゲンの練習から始める。とにかく尻餅を着こうが転げようが、降りるしかない。止まる方法は「転げる」という事だけである(笑)。
それでもボーゲンスタイルの「ハ」の字のスキー板にする事で減速は出来る様になった。これはスケートの経験があったので、比較的すぐに覚えた。
 
その内に恐怖心は段々と少なくなって来て、徐々に大胆な滑りになってきた。三島さんは度胸が良いと褒めている。調子に乗って更に大胆になる。とまあ、初体験のスキーはそんな感じで終わった。そして、その後、スキーにのめり込んで行く訳である(失恋による「心の穴」もあり 笑)。