家系図作成奮闘記


家系図作成奮闘記
作成:2019年10月23日(水) 晴れ
 
前々から、伝聞で入手した情報の蓄積をベースに、少しずつ我が家の家系図を作成していたのだが、今年の旧盆帰省の際に母から聞き出した親族の昔の話が結構知らなかった事ばかりで好奇心をくすぐられたため、これは一丁ちゃんと調べて記録に残しておくかという気持ちが高まり、更に、9月に兄が急逝した事もあり、「記録を残しておくべし」という気持ちに火が着いた。
そこで、9月下旬より、戸籍謄本を入手する作業を開始したのである。
 
■戸籍謄本について

  • 戸籍謄本は、郵送で送ってくれる市民向けサービスが国内の各役所(市、区、町、村など)で実施されている。多分、法律でこのサービスが役所に対して義務付けられているのだろうと思う。
  • 役所で管理されている戸籍謄本には、以下の3種類がある。現時点で管理・保存されている戸籍情報の時間的範囲(即ち、現時点で取得できる範囲)は、江戸時代の末期あたりから現在までである。明治16年の戸籍が最古だそうである。
戸籍の種類 内容 備考
除籍謄本 この戸籍に記載されている人の全員が、新戸籍への移動(戸籍の改製、婚姻、離婚、分家)、死亡等により、既に除籍されていてる戸籍の事。  
改製原戸籍 法令等により戸籍の改編が為された場合の、改編のベースとなった古い戸籍謄本で、一人以上の戸籍登録者が現存している戸籍謄本。 俗に、「原(はら)戸籍」とも呼ばれる。
戸籍謄本 最新版の戸籍謄本。  
  • 戸籍謄本が取得できる範囲は、原則、戸籍筆頭者(昔の言い方では「戸主」)が取得請求者の直系親族(父母、祖父母、曾祖父母、・・、子、孫、曾孫、・・・)の範囲である。傍系親族(兄弟姉妹、叔父叔母など)が戸籍筆頭者(戸主)である戸籍謄本は、「戸籍が必要な正当な理由」が無い限りは取得請求出来ない。
  • 因みに、直系親族が戸籍筆頭者(戸主)となっている戸籍謄本に記載されている傍系親族の情報(除籍前の情報範囲)は、請求した戸籍謄本に記載されている訳だから参照できる。例えば、結婚して除籍される前の傍系親族の情報(出生日、除籍の理由に関する情報(結婚相手の氏名、除籍の日付など))は元の戸籍に記載されている。

 
■家系図作成が目的の戸籍謄本の取得について

  • 取得請求書は、役所のWebサイトからダウンロード(多くはpdf形式ファイル)出来るので、ダウンロードして手元で印刷すれば良い。
  • 請求書に以下の言葉を記入しておくと、役所側で配慮してくれて、可能な範囲で取得可能な範囲の戸籍謄本を集めて一緒に郵送してくれることが多い様である。勿論、その役所が管轄している戸籍の範囲であるが。
1 戸籍筆頭者名の記入欄において、筆頭者名に続けて、「」の文字を追記しておく。例えば、筆頭者名が「山田太郎」ならば、「山田太郎 」と書いておく。
2 使用目的の記入欄に、「自分の家系図を作成したい」と明記する。
3 必要な戸籍謄本の種類には、「戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)」、「除籍全部事項証明書(除籍謄本)」、「改製原戸籍謄本」を全て請求する。普通は1通ずつで良い。
  • 手数料は、郵便為替を同封するが、上記のとおり、役所側が配慮して取得可能な戸籍謄本を全て集めて一緒に送ってくれる事を想定して、郵便為替は規定の手数料分よりも多め(数倍)の金額を同封しておくのが良さそうである。余った分の料金は、これも郵便為替という形で返信時に同封して返却してくれる。また、最初に同封した多めの郵便為替でも不足するほど多くの取得可能な戸籍謄本が在った場合には、「不足料金分を郵便為替で送って下さい」という電話を役所から掛けて貰える様なので、連絡を受けてから追加郵送しても良い。ただし、その分だけ郵送の時間が余分に掛かるので、なるべく早く戸籍を入手したい場合は、最初に多めの郵便為替(例えば、1万円分とか)を同封しておくと良い。
  • 請求時に、自分宛ての住所を記入した返信用封筒(A4サイズが入る角型2号がお勧め)も同封しておく必要があるが、返送して貰う戸籍謄本の部数が予想以上に増える可能性もあるので、切手は返信用封筒に貼らずに、多めの切手をクリップ留めなどして同封するのが良いかも知れない。余った切手も返却してくれるので。

 
■戸籍謄本(古い時代の謄本)の解読について

  • 比較的新しい戸籍謄本は、パソコン等からキーボード入力された文字で記載されているため、「解読」という苦労は無いと思うが、古い戸籍謄本は、勿論、手書きなので、解読がとても難しい。
  • 古い戸籍謄本では、数字を使わない。全て古い漢数字で記載されている。これが、戦後生まれの私の世代には曲者である。以下。
1 「一」ではなく「壱」
2 「二」ではなく「弐」「貳」
3 「三」ではなく「参」
10 「十」ではなく「拾」
  • この古い漢数字が手書きで、しかも狭いスペースに詰め込んで書かれているので、解読が非常に難解である。ただ、日付の場合、二桁の日付(11〜31)の場合の10の位は、「拾」「弐」「貳」「参」に絞られるので類推は幾らかし易い(笑)。
  • 地名は、解読した地名で正しいかどうかが悩む所である。そういう場合には、解読した地名を県名や市町村名と併せて入力してネットで検索してみるのである。そうすると、古い地名でも結構ヒットする事が多い。ヒットすれば解読が正しかったと思って良いと思う。
  • 判読し辛い文字は、ルーペで拡大して読むのだが、それでも何という漢字なのかは非常に分かり辛い。そこで私が考えた方法は、スマホを利用する方法である。判読できない文章の箇所をスマホのカメラで撮影し、撮影した写真を開いて、親指と人差し指を使って画面をこすりながら引き伸ばすのである。これが一番便利な様である。ルーペだと拡大する時に眼とルーペの距離が変動するので焦点を合わせにくいのだが、スマホだと、画面と眼の距離が変動しないので、判読し易いのである。
  • 但し、スマホを使う時に注意しなければならない事が一つある。設定を何も変えないと、スマホの画面は、スマホの持ち方に依って縦・横が自動的に切り替わる(写真が90度回転する)のである。スマホを回転させて方向を補正しようとすると、またまた勝手に画面表示が90度回転するのである(笑)。これを自動的に回転させなくする方法がある。「設定」の「コントロールセンター」の機能で、画面の自動回転が無効になる様に設定変更すれば良い。私が使っているiPhoneXの場合だと、画面の右側で上から下方向にスワイプすれば(画面を上から下にこすれば)「コントロールセンター」画面が表示されるので、画面の中に表示されている錠前アイコンをタッチすれば自動回転が止まる。
  • 解読をしたら、全て新しい文書ファイルに入力する。まあ、古い戸籍謄本の手書き文字を「文字起こし」してタイピング文字での戸籍謄本を作り直す様な事をやる。そうしておけば、本来の目的である家系図作りの際に手書きの戸籍謄本を読まなくて済む様になる。

まあ、長々と書いてしまったが、これが私の家系図作成奮戦記である。
必要な戸籍謄本のうち、まだ半分しか届いてないので、まだまだ暫くは悪戦苦闘が続きそうである(笑)。
 
それにしても、戸籍謄本で実際の記録を調べてみると、全く知らなかった情報がどんどん分かって本当に驚くばかりである。例えば以下。

  • 「二女」だとばかり思っていた母が、実は「三女」だった。
  • 「二男」だとばかり思っていた父が、実は「五男」だった。
  • 父には弟(六男)もいた。生後2ヶ月足らずで亡くなっていたが。
  • 全く存在を知らなかった父のすぐ上の兄(四男)は、大東亜戦争で戦死していた。
  • 私の父方の祖父(父の実父)は、祖父の母親(私の曾祖母、安政4年生まれ)の結婚前の実家(尾崎家)に後継者がいなかったため、実家の戸主(母親の兄or弟。江戸時代の生まれで多分、戸籍が現存せず兄・弟のどちらか不明)が亡くなった際に、家督相続のために母親の実家に移籍して来ていた。

などなど。