【由無し事】思い込みとテレパシー

【由無し事】思い込みとテレパシー
2019年03月02日(土) 晴れ

未明の2時半頃だったか、眠っている部屋の戸をガシャガシャと擦る音がして目を覚ました。愛犬マメちゃんが部屋の外まで来ているのがすぐに分かった。
しかしながら、この行動は、いつもなら昼間にマメちゃんが取る行動である。なので、何か普通じゃないなと思った私は、ベッドから出て引き戸を開けてやった。すると、部屋に入って来たマメちゃんが、深夜だと言うのに異様にテンションが高く、私にジャレ付いて来た。

暫く相手になってやったあと、ベッドに戻って眠ろうとしたところ、前足をベッドに掛けて「クゥン、クゥン」と泣くマメちゃん。これはただ事ではない。何かを訴えかけている様である。お腹が空いた程度では、こんな反応はしない。よほど切羽詰まった事だとしたら、もう、便意をもよおしたとしか考えられない。
そこで、ベランダに出る引き戸を少し開けてやった。すると、ベランダに出たマメちゃん、飛び回って何かハシャイでいる。時々、カミさんのベランダ履き用のサンダルを咥えて戯れている事があったので、多分、それをやっているのであろう。という事は、便意では無かった様である。

その状態で、私はベッドに戻り眠りに着こうとしたのだが、鼻がムズムズして眠れない。多分、開けた引き戸から外気と一緒に花粉が部屋に入って来たのだろう。花粉症の私の鼻は敏感なので、即反応したのだろう。
暫く我慢していたら、マメちゃんが部屋に戻って来たので引き戸を締めて眠りに着いた。

ところが、マメちゃんがまた「クゥン、クゥン」と何かを訴えかけている。これはどう考えても便意しか考えられない。時刻は3時を回り、外では新聞配達のバイクの音が聞こえて来た。3時なら、時々目が覚めて起きる時間でもあるので、それでは、起きて散歩に連れていくかと思い、茶の間に降りて着替える準備を始めた。
そうしたら、気配を感じて起きてきたカミさんが、「まだ暗くて危ないから、もう少し待ったら」と言うので、少し座ってどうしたものかと考え始めた。

そのうちに、マメちゃんが風呂場のガラス戸を開ける音がした。多分、少し開いていた隙間に鼻か前足を突っ込んで開けたのだろう。浴室に入ったマメちゃん、何か匂いを嗅ぎ回っている。
マメちゃんが、自分から浴室に入るなんてのは多分初めてである。これはもう、粗相する場所を探しているのに違いない。
柴犬(しばいぬ)はとても綺麗好きな犬種だと言われているが、我が家のマメちゃんも、ある程度大きくなってからは、嬉ション(嬉しさの余りお漏らしすること)以外には家の中で粗相した事は一度だけ、2年前の冬、下痢気味の時だけだった。やはり、今朝も腹の調子が悪いのかも知れない。

散歩に出る事を決めて着替えていたところ、その間に二階に上がっていたマメちゃんが階段を降りてきた。廊下に出たところ臭う。私にはウンチの匂いがしたのだが、カミさんはオシッコの匂いだと言う。
二階に上がってみたら、絨毯の上にウンチとオシッコがされていた。やはり、マメちゃんは体調が悪かったのである。

まだ全部出切ってない可能性があるので、念のために散歩に連れていく事にした。リードとハーネスを持ったらマメちゃんが喜んで近づいて来た。
LEDの懐中電灯を首から提げて、町内の暗い夜道を30分ほど散歩したら、さらにウンチを少しとオシッコをしたマメちゃん。帰宅すると、いつもの様に、ストーブの前で、ラクダの掛け布団(マメちゃん用)の上に寝そべって気持ち良さそうに眠りについたのである(笑)。

人間と犬にテレパシーがあったら、こんなに苦労せずに済んだのにナァ(笑)。

ここまでが余談。本題はこれからである(笑)。

夫婦ともに完全に目が醒めたので、まだ4時であったが朝食を取ることにした。前夜にワインを飲んだので、今朝はお粥である。我が家では、飲んだ翌朝はお粥が出て来る事が多い。

4時に朝食と言うと「エラい早い」と思われそうだが、我が家では、現役時代の最後の10数年は三島から京浜地区まで新幹線通勤していたので、毎朝4時に起きて韓流ドラマの録画を2本ほど見ながら朝食を取り、6時半に家を出てカミさんに三島駅まで車で送って貰う(会社に着くのは8時半前)という生活リズムを続けていたので、4時の朝食と言うのは慣れたものである。セカンドライフに入った現在も、朝食は5時である。

今朝は、4時に朝食を取ったが、マメちゃんに起こされて2時半から起きていたので、流石に少し眠い。ベッドに戻って少し仮眠することにした。
眠りに入っていた6時頃、電話が鳴った。そして2回のベルで切れた。間違い電話か迷惑電話だろうと思った。多分、早朝の電話なのに僅か2回の呼び鈴で受話器を取れる筈が無いと潜在意識が勝手に(無意識に)計算したのだろうと思う。そして7時頃、また電話が鳴って2回のベルでまた切れた。これはもう、「そろそろ起きたら?」と言うカミさんからのモーニングコールなのだろうと思ってしまった。じゃあそろそろ起きるかと、ベッドから出て茶の間に行ったところ、カミさんが電話をしていたのである。

何のことはない、普通に電話が掛かり、2回目のベルでカミさんが電話に出ていただけであった。そこでカミさんに、「6時頃にも電話が無かった?」と聞いたら、「あったよ」との返事。2回とも普通の電話であり、2回とも2回目のベルでカミさんが受話器を取っただけの話である。
ああそれなのに、それなのに、何故か、私は無意識に「間違い電話か迷惑電話」だと勝手に思い込んでしまったのである。冷静に考えれば、ベルが鳴り止んだらのなら電話に出たと思うのが当然なのに、「電話に出た」という発想が全く私の頭の中に浮かばなかったのは、早朝の電話なのに僅か2回の呼び鈴で受話器を取れる筈が無いという思い込み(潜在意識)があったからなのである。

その2回目(7時の方)の電話と言うのがご近所さんからの電話だったのだが、昨日、ご近所さんの車の中で赤いランプが点滅しているのを、ご近所さんから何の意味か知ってるかとカミさんが聞かれたらしく、その事についてのその後の電話だったらしい。ところが、電話の内容が、昨日のご近所さんとヤリトリした内容(赤いランプの点滅の話)とは全く違っていたらしい。
起きて来た私に、カミさんが、「ご近所さんからの電話の話が昨日のヤリトリと全然違ってて訳が分からない。」というのである。
最近、「人間は相手の頭の中に描いてるイメージが見える訳ではないので、たとえ同じ言葉で会話していても、会話の結果としてお互いの頭に描くイメージが全く別の内容だったりして、会話の結果による各々の捉え方が全く異なってしまい誤解を生んでしまうケースがある。」という話を夫婦でしたばかりだったので、ご近所さんとの電話での食い違いも、そういうケースだったのかなぁと、カミさんが混乱した様である。

上の話を夫婦でするキッカケになった出来事とは、数日前の事だったのだが、夫婦の間で3〜4回の会話のヤリトリがあり、会話の内容自体は些細な事だったので全く忘れてしまったが、とにかく、その3〜4回の会話のヤリトリで、夫婦双方が全く別のイメージを双方の頭の中に描いていて、その双方の全く異なる2つのイメージに対して、3〜4回の全ての会話の内容が、偶然にもお互いの頭の中の異なるイメージに矛盾なく当てはまる内容だったので、そのまま普通に会話が終わったのである。

その直後に、「ひょっとして、今の会話は、お互いの頭に描いているシチュエーションが、果たして同じものだったのかナァ」という疑問が私の頭の中に不意に浮かび、カミさんに確認してみたら、案の定、全く違うシチュエーションのイメージをお互いが描いていた事が分かり、「それにしても、全く違うシチュエーションをお互いが頭に描いていたのに、よくもまあ、同じ言葉のヤリトリが矛盾なく噛み合ったものだ」と夫婦で笑った事があったのである。
そして、やっぱり言葉は尽くさないと誤解が生じるものだね。と確認しあったのでる。

全ての人間にテレパシー能力が備わっていれば、こんな思い込みや誤解は心配無用なのだが。

そして、昨日から今朝に掛けて、「両者が別のイメージを頭に描いていたであろう会話によって、同じ会話(言葉)のヤリトリをしたにも関わらず、言い手が伝えたと思い込んでいた内容とは異なる内容で聞き手が理解をしてしまい、誤解が生じてしまった」と思われる事象が身内の間で生じてしまった。内容は敢えて書かないが。

テレパシーが望むべくもない人間界にあっては、「本当に真意が伝わったのだろうか? もっと言葉を尽くす必要があるのではないか? こういう理解で合っているのだろうか? 思い込みをしていないだろうか?」と自問自答しながら、お互いが会話をする事が大事であると再認識した次第である。