【国内問題】運送業の人手不足、その原因である低賃金に政府が漸く腰を上げる

【国内問題】運送業の人手不足、その原因である低賃金に政府が漸く腰を上げる

 私も運送屋の息子なので、運送業に関する情報には目が行く。
 私の父は徳島県の生まれであり、若い頃は漁船に乗っていたそうである。福岡で母と結婚したあと兄、姉が生まれ、大阪に出て働いたそうであるが、福岡に戻ってからは、オート三輪と呼ばれていたオートバイに荷台を付けた様な貨物自動車で、港に陸揚げされる鮮魚を福岡市内の魚屋さんに配達する仕事をしていた。多分、私が生まれたのもその頃だと思う。まあ、これがウチの家系の運送屋の始まりである。そして私が幼稚園の時に、母方の祖父と共同で運送会社を創立、現在に至っている。その父は11年前に他界し、現在は兄が社長である。株主は全員親族であるが、ここ数年、株主総会で話題になるのが人手不足である。NHKの「クローズアップ現代」でも昨年、ヤマト運輸クロネコヤマト)が深刻な人手不足だというテーマを扱っていたので、運送業界での人手不足は大手から中小まで共通した課題になっている様である。運送業での主要な経営課題は、原価に占める比率が大きい燃料の価格変動と人手不足だそうであるが、燃料については、化石燃料(いつかは枯渇する燃料)と言う触れ込みで意図的に原油価格を操作して世界の石油産業を支配して来たロックフェラー財閥だったが、嘘がバレて石油は化石燃料ではなく現在も地下で新たに生成され続けていることが判明した事、米国のシェールオイル産業の台頭を阻止するために中東が意図的に原油価格を引き下げて来た事、核開発問題で制裁を受けていたイランが昨夏に米国と和解して原油の供給を再開させた事などにより、原油価格はひと頃に比べて格段に下がって来ていて、今後も過去の様な原油価格高騰はもう無いと言われているので、運送業界としては、現在一番大きな悩みの種は人手不足である。10年以上デフレ(需要<供給)が続いている日本であるが、運送業に限ってはインフレ(需要>供給)状態らしい。今年の株主総会でも説明があったが、とにかく注文はあっても人手が足りないので全車両を稼働させる事ができず、傭車で対応しているとの事。結果、自社のトラックを遊ばせる事になり1台当たり●●(金額は忘れた)の損失なのだそうである。インフレ(需要>供給)であれば、理屈から言って普通は価格が上がるものだが、運送業においてはその理屈が通らないらしい。つまり、荷主さんと運送業者の力関係、適正価格を保障する様な国の基準整備が遅れている事などの様である。
 以下の記事は、こうした運送業界の人手不足とその原因の一つである低賃金について、政府がようやく腰を上げて検討会を立ち上げるそうである。検討会の座長は内閣官房参与の一人である京都大学藤井聡教授である。藤井聡さんと言えば、デフレ脱却のための各種の提言をされている方であり、経済学者ではないが そこいらの経済学者よりも経世済民(経済)に明るい方である。成果を期待したい。とにかく荷主さんが適正な運賃を払いたがらないと言うのが根本原因らしく、そこを法制等でブレークスルーして戴きたいものである。
 快適な日常生活の「大黒柱」である運送サービスについて考える